デザインチームを成長させる、効果的なデザイン批評の行い方 | アドビUX道場 #UXDojo

デザイン批評はサイトや製品を改善することができる強力な手法です。この記事では効果的な批評に役立つ実践的なヒントを紹介します。

By akihiro kamijo

Posted on 04-12-2021

チームで働くデザイナーには多くの協業の機会があります。それは、さまざまな助言や自分とは異なる意見の収集、そして、それらを受けたやり直しの機会でもあります。

成功するデザイナーは、同僚、クライアント、上司からのフィードバックの貰い方を知っているものです。また、反論や質問を前向きに、かつ礼儀正しく行うこともできるでしょう。多くのチームにとっての重要な課題は、このような意義ある協業を促進し、誰もが成長できる安全な環境をつくり上げる手段の理解と実践です。

ここで登場するのがデザイン批評です。デザイン批評は、デザインを評価するための構造化された時間をチームに提供し、デザイナーには価値あるフィードバックを与えます。たとえば、デザインがビジネスゴールやユーザーのニーズを満たしているか?ブランドに沿ったデザインになっているか?などを議論します。

デザイン批評を成功させる土台となるのは、建設的な意見と前向きなトーンです。建設的な批評は、デザイナーに新しい視点への気づきを与える力を持ちます。それにより、より優れた、より革新的なデザイン案に至る可能性が生まれます。この記事では、デザイン批評を成功させるための、いくつかの重要なポイントを紹介します。

デザイン批評が重要な理由

デザイン批評をデザイン作業の一部に組み込むべき理由は何でしょうか?いくつか理由を挙げてみましょう。

デザイン批評はどのように行うべきか

批評されることを本当に楽しむ人はごく稀です。頑張った成果をけなされたいと思う人はいないでしょう。しかし、前向きな雰囲気を保ち、尊敬の念を示しつつ、効果的に批評を行う方法は存在します。また、批評を個人的に受け取るのではなく、成長のための糧として使うという心構えを持つことは、デザイナーとしての責任です。

では、デザイン批評を効果的に行うにはどうしたらよいでしょうか?これを達成するために最適な方法のひとつは、フィードバックに良い点と改善すべき点の両方を含めることです。どちらか片方だけは避けるよう努めましょう。

意味のある建設的なデザイン批評はポジティブとネガティブの両方の要素を含む 出典:Adobe Stock

ハンバーガーアプローチ

デザイン批評ではしばしばハンバーガーアプローチと呼ばれる戦略がとられます。このアプローチでは、ハンバーガーメニューアイコンのように、フィードバックが3つのパートから構成されます。

最初のパートは、デザインについて良いと感じた点を話します。その際、できる限り具体的に説明することが重要です。単に「このデザインはいいと思います」だけでなく、なぜそう思ったのかを説明します。説明の内容は、ビジネスのニーズやゴールを踏まえ、どのようにデザインがユーザーの問題を解決するのかという観点から話すことが大切です。

2番目のパートはちょっと注意が必要です。そしてもっとも重要なパートです。デザイナーは、ここでは客観的であるように努めながら言葉に耳を傾け、フィードバックは個人のセンスや技術に対するものではなく、デザインを改善するためのヒントとして受け止めることが必要です。批評者は、自身の言葉を前向きで生産的なものにすることに責任を持ちます。理由の詳細な説明はこのパートでも重要です。もし他の案も示すことができればさらに良いフィードバックになるでしょう。

批評の際に、デザイナーの名前を使わずに「このデザインは」と参照すると生産的な会話に役立ちます。あくまで批評の対象は、その場に提示されたデザイン案で、デザイナー個人ではありません。

たとえばデザインを批評する際に「君がここを青にしたのはいいとは思えないな」と言う代わりに、「ここは他の色の方がデザインに合うかもって思ったんだけど。。。そうだね。ロゴと同じ黄色にしてみるのとかはどうかな?」と言うことができるかもしれません。

自分のデザインに対する厳しい批評を聞くのは辛いかもしれないが、デザインを進める上での重要な一部である 出典:Adobe Stock

最後の締めのパートは、再び良い点とその理由を話します。デザイナーの仕事への尊敬の念を伝えるために、批評をポジティブなコメントで終えるのは良い方法です。

デザイン批評に必要な役割

デザイン批評に必要な役割への考慮も重要です。個々の参加者は、批評前、批評中、批評後それぞれの段階において自分に期待されている役割を理解していなければなりません。各自の役割を分けることで会話が促進され、セッション全体をより効果的にできます。

デザイン批評を始める前に、すべての参加者の役割と責任を明確にする 出典: Adobe Stock

デザイン批評は、以下の4つ役割を持つ人々のグループで行うのが望ましいとされています。

発表者

デザイン批評におけるもっとも重要な役割は、デザインのプレゼンテーションを担当する人です。その責任は、デザインを紹介して、必要な背景を説明し、デザインする際に下した数々の判断を明確にすることです。ビジネスやユーザーのゴールから話を始め、デザインが解決すべき課題を改めて共有するのも良いやり方です。

司会者

司会者の役割は、議論が主題から逸れないようにすることと、現場が前向きで生産的であるよう保つことです。話の脱線は参加者全員の時間を無駄にします。司会者は、ミーティングの趣旨に従うよう、参加者に再認識させることも必要であれば行います。

書記

良いデザイン批評には書記が必要です。書記は、セッション中に行われた重要な議論や質問を記録します。話が脱線したら、後で参照できるようにメモします。その場で気になった点が記録されて後で議論できることが分かれば、誰もが安心できるでしょう。セッション中にスケッチが描かれた場合、書記はその写真を撮るようにします。セッション終了後には、書記はサマリーを作成し、それを出席者全員およびステークホルダーに共有します。

批評者

批評者はセッションの主役である聴衆です。批評者には、発表者以外のデザイナー、開発者、製品マネージャー、その他の関係者が含まれているべきです。批評者の役割は、デザインについての建設的なフィードバックを提供することです。フィードバックは個別のUI要素から全体的なユーザー体験まで多岐に渡るものになるでしょう。先に紹介したハンバーガーアプローチを実際に使う人達です。

デザイン批評で守るべき5つのポイント

1.明確であること

フィードバックには、ある箇所が良い理由、または悪い理由の十分な説明を含めるようにしましょう。たとえば、「画面上部に電話番号を表示した方がいいと思う」だけではなく、「画面上部に電話番号を表示した方がいいと思う。スマートフォンで見ているユーザーはすぐにレストランに電話する必要がある状況にいるかもしれないから」のように付け加えます。

2.敬意を示すこと

デザイナーが発表している最中に割り込んで意見を述べるのは避けましょう。すべての説明が終わるのを待って、その後に自分の考えを共有するべきです。

3.解決案を提案すること

デザインを批評するときは、解決案や代替案を示すよう試みましょう。もしよい案が浮かばなければ、その問題に対するユーザー調査やユーザーテストを提案することもできるでしょう。

4.目的を忘れないこと

フィードバックはビジネスやユーザーの目的を踏まえたものにしましょう。フィードバックが適切であるかを検証し、有用な議論を継続できるようにするために重要な点です。

5.前向きであること

常に前向きな姿勢でいることは最も重要な点です。忘れずにデザインの効果的な部分について伝えましょう。建設的な環境を維持することは、全員が生産的であるためにとても重要です。

デザイン批評で避けるべき5つのポイント

1.偏見を持たない

個人的な動機から批評することは避けましょう。重要なのは自分自身の好みではなく、ユーザーのためになるかどうかです。付け加えるならば、デザイン批評はチームの他のメンバーよりも自分が優れていることを示す場ではありません。

2.個人を批評の対象にしない

デザインをした相手を指す言葉は控えましょう。デザイナー個人に対する攻撃のように聞こえかねないフィードバックは避けるべきです。

3.準備のないまま参加しない

発表者になったデザイナーは、事前にリハーサルを行い、思い通りの発表ができることを確認しましょう。最初を上手くスタートできれば、残りの時間を無意味に過ごさずに済みます。

4.セッションから気をそらさない

スマートフォンの通知はオフにします。他の邪魔になりそうなものも排除しましょう。発表を聞くときは完全に集中して、他の作業を同時に行わないようにします。視線や身振りで熱心に聞いていることを発表者に伝えましょう。

5.後味の悪い終わり方をしない

ハンバーガーアプローチを完成させるために、終わり方には注意しましょう。デザイナーがポジティブな何かを感じて終了すれば、チームのやる気にもつながります。

おわりに

最終的に、デザイン批評により得られたフィードバックは、サイトやアプリを改善するだけでなく、デザインチームの成長の糧となります。どのようなプロジェクトであれ、デザインプロセスにデザイン批評を追加すれば、それがどれほど効果的であるかを実感できるでしょう。

この記事は5 Powerful Do’s & Don’ts of Design Critique(著者:Justin Morales)の抄訳です

Topics: クリエイティブ, UI/UX & Web,

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