コロナ禍において「Eコマースのエンジン」として活躍するFedExのデジタルトランスフォーメーションとは

今回の記事では、コロナ禍でEコマースが急増する中、グローバル規模で展開し、商品配送の業界で中核的な存在であるFedExが、どのように顧客にパーソナライゼーションされた購買体験を提供してきたかについてご紹介します。

FedEx boxes stacked on eachother.

By Adobe Comms

Posted on 05-12-2021

オンラインショッピングの購買体験において、その鍵となる要素は商品配送です。

そうした分野で中心的な役割を担うFedExは、オンラインでの買い物が主流になった今日、「Eコマースのエンジン」として活躍しています。

FedExのエグゼクティブバイスプレジデント兼チーフマーケティング&コミュニケーションオフィサーのブリー カレーレ(Brie Carere)氏は、次のように述べています。「物理的なモノとデジタルが交差する場所に位置するのが当社です。私たちは荷物を実際に運ぶわけですが、それを支えるのは、倉庫や物流拠点を含め、上流の生産者から消費者に至るまで全てをつなげるデータの力です。」

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COVID-19パンデミックの影響

カレーレ氏は、米国内でCOVID-19のパンデミックが発生した2020年3月以降、オンラインショッピングが驚異的に急増したと指摘しますが、アドビのデータもこれを裏付けています。Digital Economy Indexによれば、COVID-19の影響で、Eコマースは1,830億ドルの追加効果を得ています。FedExは、この状況に対応するため、わずか数か月で輸送能力と設備を拡大しなければなりませんでした。今なお、押し寄せる配送需要に応えるための努力は続いています。

デジタル経済におけるエンゲージメント

COVID-19の感染拡大が始まった当初から、FedExは迅速に動く必要がありました。なぜなら、Adobe Experience Managerで構築された同社のwebサイトの、数百にもおよぶページに更新が必要になったからです。

「通常であれば何週間もかかっていた作業ですが、アドビの製品を採用したことで、わずか数日で完全なデジタル化が実現し、お客様に寄り添うことができるようになりました。220の国と地域で事業を展開している当社は、それぞれの国や地域で何度もサービス条件、輸送時間、価格などを大幅に変更しなければなりませんでしたが、Adobe Experience Managerのおかげで、効果的なコミュニケーションが可能でした。」

FedExのエグゼクティブバイスプレジデント兼チーフマーケティング&コミュニケーションオフィサーのブリー カレーレ(Brie Carere)氏

過去13か月の間にEコマースが増加したことで、FedEx.comのwebサイトのトラフィックは大幅に増加しました。サイトへの新規訪問者数が増加するなか、FedExは、彼ら一人ひとりにパーソナライズされた顧客体験を提供できるように努めています。

カレーレ氏は、次のとおり述べています。「FedExでは、アドビ製品の活用法を考え抜き、中小企業、小売業者、一般消費者という3つの主要なペルソナそれぞれに異なるジャーニーを提供しています。また、FedEx.comに掲載している情報が有用であるか、また、当社が重要視するROIに貢献しているかを確認するためにも、Adobe Analyticsを使用しています。」

加えて、FedExはAdobe Targetを使用することで、中小企業の顧客には大規模小売店とは異なるコンテンツを提供したり、消費者には行動に基づいてパーソナライズされた顧客体験を提供したりするなど、FedEx.comのコンテンツのパーソナライゼーションを実現します。

カレーレ氏によると、FedExが顧客にリーチするために利用しないチャネルは存在しない、と言います。ここ数年、ほぼB2B向けの組織だった同社は、サービスを消費者向けにも拡大する戦略転換に取り組んでおり、COVID-19のパンデミックによってその傾向はさらに加速しました。同社は現在、FedEx Delivery Managerのようなセルフサービス型のサービスの推進に注力しています。

危機的状況における企業のレジリエンス(強靭性)には、長期計画とアジリティ(俊敏性)が必要

カレーレ氏は、常に5年後、10年後を見通した計画を立てるという、上司でCEOのフレデリック W スミス(Frederick W. Smith)氏についても語ります。「役員会議で直近の四半期やその次の四半期の話をすることはほとんどなく、いつも3年後、5年後の話をしています。」

こうした背景により、FedExは何年も前から2026年に向けたEコマース戦略を練り上げています。例えば、同社が一部地域で開始した土日配送サービスも、キャパシティ拡大に必要なインフラがすでに構築されていたことから、迅速に追加できたのです。

カレーレ氏は、「将来のニーズに合わせて効果的かつ効率的に成長できるよう、あらかじめシステムに柔軟性を持たせています。Eコマースの領域が6か月で3年分の成長を遂げたのは予想外でしたが、私たちは6か月サイクルで計画を立てているわけではないので、その準備はできていました」と言います。

チームレベルでみると、パンデミックに対応する鍵はアジリティだったとカレーレ氏は証言します。今日のビジネスで最も成功しているのは、柔軟性があり、新しい考え方を受け容れ、チームプレイができる人たちだと彼女は強調します。

同氏は次のように述べています。「85,000人以上の従業員を突然、しかもほぼ瞬時に在宅勤務に移行させなければなりませんでした。たった2週間ですべてのコールセンターを移転できたのですが、このような去年の状況を乗り切れたのは、俊敏性と実行力のあるチーム文化のおかげです。」

前例のないホリデーシーズンへの対処

2020年のホリデーシーズンには、FedExがパンデミックの影響に対処するために、同年3月から取り組んでいた変革を最大限に生かす機会が訪れました。アドビの2020 Online Holiday Shopping Reportによると、2020年の米国のホリデーシーズンのオンライン売上高は1,882億ドルを超え、前年比で32%の伸びを示しています。顧客が企業であれ消費者であれ、この重要なショッピング期間中にできうる限り最高のサービスを提供する事前準備として、FedExは7万人のチームメンバーを増員し、デジタル機能の進化を重ねました。

FedExはまた、顧客が自分で荷物をコントロールできるFedEx Delivery Managerアプリの利用を奨励しました。このアプリには、配送状況を確認するだけでなく、急ぎの場合に配送先を最寄りの大型チェーンストアであるWalgreensまたはDollar Generalなどの店舗に設置されたピックアップポイント(受け取り窓口)に切り替える機能も備わっています。米国内の92%が、5マイル(8キロメートル)以内で荷物を受け取れるエリアとしてカバーされています。

Graphical user interface
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COVID-19の感染拡大前から提供していたFedEx Delivery Managerアプリですが、カレーレ氏は、ユーザーのニーズにより応えるために、パンデミック期間中も機能強化を継続していると話します。

「Eコマースの配送量の増加によって、私たちは可視性と予測可能性に重きを置くようになり、お客様への通知回数も増えました。FedExの配送マネージャーは、単に『配達が遅れそうです』とお客様に伝えるのではなく、『お荷物はここにしばらく保管されます。なぜなら~』といったように、リアルタイムで状況を共有できるのです。」

こうした透明性は、過去最大となることが予測された2020年のホリデーシーズンに向けたFedExの姿勢をメッセージに込めた「The Shipathon(配送+マラソン)」広告キャンペーンにおいても中心のコンセプトとなりました。キャンペーンを通じて配送サービスのスムーズな利用法を紹介する同社のWebページに顧客を誘導し、協力を呼びかけたのです。

FedExは、デジタルトランスフォーメーションを通じてSMBからエンタープライズまで、進化し続ける顧客企業を支援することに注力しています。デジタルとデータサイエンスの活用、マーケティングテクノロジーへの投資、人材とプロセスの適切な配備により、世界中のデジタルタッチポイントを包括する、スケーラブルなパーソナライゼーション戦略を推進することができます。そして、Adobe Experience Cloudのソリューションを活用し、データに基づいたABテスト、最適化、パーソナライゼーションによって顧客のニーズに応えています。同社が目指すのは、世界中で、適切な体験を、適切な人に、適切なチャネルで提供することです。

※本記事は、2021年4月27日にアドビのエンタープライズソートリーダーシップ エグゼクティブエディターのジゼル アブラモビッチ(Giselle Abramovich)が投稿したブログの抄訳です。

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