Adobe Summit Sneaks 2021:AI、機械学習、在宅ワークのイノベーションを公開

Adobe Summit Sneaks 2021で公開となった7つのプロジェクトを紹介します。

Summit the digital experience conference on a red background.

By Adobe Comms

Posted on 05-27-2021

例年通りであれば、Adobe Summitのステージで2万人以上の来場者に向かい、アドビの研究所で開発されている最高のプロジェクトを紹介していたことでしょう。Adobe Summitのメインステージで行われる「Sneaks」は、世界中のアドビ社員から寄せられたプロジェクトを披露するセッションです。毎年、これまで気づかなかった可能性を示す数々のイノベーションを目の前で実演して、優れた顧客体験の提供を担う参加者の想像力をかきたててきました。これまでアドビは、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)を活用したマーケティングの可能性や、AIを活用して効果が高いwebサイトのレイアウトを提案したり、通常と異なるオンライン上の変化を検知したりする方法を紹介してきました。

今回のSneaksは、アドビがマーケティング、IT、eコマースのリーダーを招いて開催する、デジタル顧客体験に関する最大規模のカンファレンスの一環として、バーチャルで開催されました。そして、進行役にコメディドラマ「シッツ・クリーク」のダン レヴィ(Dan Levy)を招き、選りすぐりのアイデアを検証しています。今年の応募件数は過去最多を記録したため、最終的に7つのプロジェクトに絞る作業は困難を極めました。今回のSneaksでは、在宅ワークをしているアドビ社員がデジタルオンリーの世界を体験したことで、企業が時代の先端を行くための新しいアイデアが生まれています。

最終選考に残ったプロジェクトの多くは、Adobe Experience Platformの機能からインスピレーションを得て、その可能性の幅を広げるものでした。Adobe Experience Cloudの基盤であるAdobe Experience Platformは、オンラインとオフラインの両方で消費者のインタラクションを正確に把握し、企業がロイヤルティを高めるサービスを構築できるように支援するものです。また、最近買収したWorkfrontを活かして、仕事とプライベートの予定を合理化することで、ワークライフバランスを促進するプロジェクトもありました。

最も盛り上がり、多くのフィードバックを得たイノベーションは、既存の製品に迅速に反映される可能性があります。実際、過去9年間のSummit Sneaksで発表されたプロジェクトの多くが実際の機能やサービスとしてリリースされ、ユーザーの日々の業務で活用されています。

この記事では、Adobe Summit 2021で発表された7つのSneaksをご紹介します。

Catchy Content

企業は、マーケティングキャンペーンやwebサイト、アプリ用に、多くのデジタルコンテンツを作成する必要がありますが、クリエイティブなプロセスに役立つ深いインサイトが不足しています。多くの場合、マーケターが注目するのは、閲覧数やクリック数などの、主要な評価指標のみです。Project Catchy Contentは、Adobe SenseiのAI技術を利用してコンテンツを分析し、カラー、オブジェクト、画面構成、文章スタイルなど、コンテンツの各側面が、オーディエンスごとのパフォーマンスに与える影響を測定します。企業は、これらのインサイトをAdobe Experience Platformにフィードバックすることで、オーディエンスのプロファイルを強化し、パーソナライゼーションの高度化を実現できるようになります。例えば、「西海岸に住むミレニアル世代の男性」は、ブルーの色調やフォーマルな文章に最も反応が良いと判断し、クリエイティブなプロセスに反映させることができます。

Daily Shuffle

この1年で、家庭とオフィスの境界線は曖昧になり、私たちがワークライフバランスと呼んでいたものは、織物のように入り組んだ「ワークライフタペストリー」へと進化しています。Project Daily Shuffleは、Adobe Workfrontに搭載されたAIアシスタントで、仕事とプライベートの予定が重なったときに、従業員に助けの手を差し伸べます。例えば、親が勤務時間中に、急に子供の用事を済ませなければならなくなったとします。Daily Shuffleは、社員の一日のスケジュールを再構築して、重要な会議があれば、当日中に録音やメモを送ってくれる代理出席者を指名し、一方で優先度の低い電話会議が予定されている場合は、後回しのタスクに変えてしまいます。また、最も重要な優先事項を明確化して通知を送ることで、期限内に確実に完了できるよう支援します。時間の経過やユーザーの入力が積み重なることで、AIは賢くなり、より直感的に操作できるようになります(例えば、午後のワークアウト中は通知をオフにするなど)。

Account Ace

遠隔地にいる従業員向けの新しいビデオ会議ツールの導入など、IT担当者は自社のテクノロジースタックを強化する必要に迫られています。B2B商材の需要は増加しているものの、B2Bマーケターは以前のように直接顧客に会って商談をすることができないため、オンラインで提供する顧客体験を強化する必要がありました。Project Account Aceでは、Adobe SenseiのAI技術を利用したB2Bのカスタマージャーニーの管理により、新しい方法で顧客アカウントとエンゲージすることが可能になります。このプロジェクトには、いくつかの機能が含まれています。例えば、「Account AI」は、ユーザーのシグナル(web訪問やメールのエンゲージメント)を分析して、アカウントをランク付けし、優先順位をつけます。「Buying Circles」は、主要なペルソナの相互関係を可視化し、見えなかったステークホルダーを特定することができます。Project Account Aceは、Adobe Experience PlatformのJourney Optimizerを介したマーケティング活動のトリガーとしても利用でき、優先度の高い案件に対して、アカウントベースのカスタムジャーニーを作成することができます。

Segment Tuner

Project Segment Tunerは、AIを活用したデータのクレンジングおよび修復ツールです。パンデミックの影響でオンライントラフィックが急増した今日において、企業はwebサイトやモバイルアプリといったチャネルから、より多くのシグナルを収集する必要があります。Adobe Experience Platformでクロスチャネルデータをベースにセグメントを生成する際、Adobe Senseiを搭載したAIスコアリングモデルを用いてデータの信頼性を測定します。このスコアリングモデルは、無効な電子メールアドレスやプロファイルの欠落部分など、セグメントにおけるデータ品質の問題点を発見するだけでなく、データセット間のつながりを探して機会を可視化することができます。これには、特定のキャンペーンやプロモーションのコンバージョンを維持しながら、セグメントの到達範囲を広げる新しい顧客属性の提案などが含まれます。これにより、企業はパフォーマンスの向上をもたらす質の高いオーディエンスを創出でき、顧客にとっては、よりパーソナライズされた関連性の高いコンテンツや体験をもたらします。

Dimension Builder

Project Dimension Builderは、シンプルなドラッグ&ドロップ操作だけで、必要なときにデータを修正できるツールです。扱うデータの種類や量が増えることでデータ品質に問題が発生し、アナリストやデータサイエンティストが社内にインサイトを報告する際にヒューマンエラーが発生しやすくなっています。それは、データセット内でのスペルミスや文字の省略などの、単純なミスが原因かもしれません。しかし、何十億あるいは何兆ものデータポイントを扱っている中で、手動による修正が問題解決の近道とは言い切れません。Project Dimension Builderは、Adobe Senseiの機械学習技術を活用することで、過去にさかのぼって問題を修正することができます。この機能は、例えば、Adobe Experience Platformを基盤としたCustomer Journey Analyticsが参照する何十億ものクロスチャネルのデータポイントすべてを精査することができます。そして問題が見つかれば、ユーザーはわずか数秒でそれに対処するシンプルなルールを作成することができます。

Live Wired

オンラインでの競争が激化する中、マーケターのニーズも変化しています。アドビのお客様も、直面する課題が出来合いの統合機能やインターフェイスだけでは必ずしも解決できないことに気づいています。そのため、企業はアドビのテクノロジーをAPIで連携させたカスタムマーケティングアプリケーションを構築し始めていますが、それは時に、時間がかかり、遅々として進まないプロセスともなり得ます。Project Live Wiredは、アドビのAPIをAdobe XDのパワーとシンプルさでまとめることで、これまでの流れを変えることができます。このプロジェクトでは、Adobe XDのドラッグ&ドロップインターフェイスを利用して、アドビのAPIに直接リンクする、開発者向けローコードで書かれたwebアプリを生成します。アセット取得やアクセス解析、オーケストレーションや最適化など、さまざまな機能へのリンクを含む独自のマーケティングアプリケーションを構築することが可能になるので、マーケティング、デザイン、エンジニアリングの各チームがシームレスに連携し、最大の課題を解決するアプリケーションを構築できるようになります。

Adobe Experience Cloudユーザーの多くは、オンラインで優れた体験を提供するために、複数のアプリケーションを組み合わせています。これには、レポート作成のためのAdobe Analytics、パーソナライゼーションを提供するAdobe Targetカスタマージャーニーオーケストレーションを実現するAdobe Journey Optimizerなどが含まれます。Project Savvy Searchは、これらのアプリケーションすべてに共通した検索バーを提供し、ユーザーが特定のアクションを実行するために必要な情報を見つけられるようにします。自然言語処理によって、Adobe Experience Cloudに話し言葉で自由に質問できるとしたら、マーケターの可能性はさらに広がるでしょう。例えば、マーケターがAdobe Analyticsを使って現在進行中のキャンペーンのジャーニーについて調べている場合、Project Savvy SearchはJourney Optimizerからカスタマージャーニーに関連するイベント、条件、アクションなどの詳細を取得して提供します。同時に、その場でカスタマージャーニーを編集する手段も提供するので、マーケターはAdobe Analyticsの画面を離れることなく、パーソナライゼーションを調整してコンバージョン向上に寄与することができます。

*本記事は2021年4月28日に、アドビのデジタルマーケティング事業部を統括するSteve Hammond(スティーブ ハモンド)が投稿したブログの抄訳です。

Topics: デジタルトランスフォーメーション, Adobe Summit,

Products: Adobe Sensei, Creative Cloud, Experience Cloud, Experience Platform, XD, Analytics, Target,