Webページを作成する手間をかけずに、申込フォームや申請書を作成する
昨今では、クラウドサービスを利用した申込フォームなども増えていますが、例えば、署名や捺印が必要だったり、担当者と上長など、複数の人の記名が必要な申請書があるかもしれません。そんな時にはAcrobat DCのフォーム機能を使って入力フォームを作成し、スタンプ機能で押印、さらには電子サイン機能を使って署名欄なども追加すれば、簡単に目的に応じた申込フォームや申請書の運用が可能となります。
ここは、都内のとある電機メーカーの総務部。
若手社員のAさんが、悩み事を先輩に相談しています。
(A)先輩、ちょっと教えていただけないでしょうか。
(B)どうしたの?
(A)社内の「産休・育休取得申請」や「備品購入申請」といった申請書類なんですが、コロナの影響で、これまでみたいに紙の文書を提出してもらうのが困難なんですよ。
(B)たしかに、テレワークが増えているから、かなり面倒よね。
(A)ですよね。なので、申請用のWebページを作ろうかとも思ったんですが、コストもかかるし、かなり大変そうで…
(B)それは、ちょっと現実的じゃないわね。
(A)では、どうすれば良いでしょうか?
(B)もっといい方法があるわよ。
(A)えーっ、どんな方法ですか?
(B)Acrobat DCのフォーム機能を使うのよ。
(A)Acrobatでそんなことができるんですか?
(B)えー、簡単にできるわよ。
(A)えーーーーっ、知らなかった(^^;;
(B)PDFはもちろん、WordやExcelで作ってあるテンプレートから、Acrobat DCでフォームを作成することができるわよ。
(A)それって、Acrobatで文字を編集するのとは違いますよね?
(B)えー、ぜんんぜん違うわ。
(A)良かった。Acrobatで文字を編集するのって意外と大変ですもんね。
(B)Acrobat DCにはフォームフィールドを自動で検出する機能も付いているから、文書の中からフォームとなる部分を自動で検出して、簡単にフォーム化してくれるわ。
(A)へー、それは凄いですね!
(B)文字を入力するフィールドやチェックボックスなんかも、自動で作ってくれるってから便利よ。
(A)へー
(B)もちろん、自分で文字を入力するフィールドを追加したり、プルダウンメニューを追加したりといったこともできるわ。
(A)でも、記入漏れは防げないですよね?
(B)それも大丈夫。必ず入力してほしい箇所は必須フィールドとして指定できるから、入力してないとエラーメッセージが出るようになってるのよ。
(A)それはスゴイですね。
(B)さらに、Acrobatのスタンプ機能を利用すれば、自分の印鑑や上長のハンコを登録して押印することもできるわ。
(A)つまり、すべてをオンラインで処理できるってことですね。
(B)そうね。場合によっては、データをExcel形式に書き出して管理してもいいしね。
(A)めちゃ、便利ですねー
(B)なので、社内申請書はすべてAcrobat DCのフォーム機能を利用して電子化しておくといいわよ。
(A)はい、やってみます。先輩、ありがとうございました!
(メリット1)WordやExcelなど、PDF以外の書類からもフォームを作成可能
Acrobat DCを使えば、PDFはもちろん、WordやExcelなどで作成した書類のフォームとなる部分を自動で認識して、フォームを作成できます。手動で入力用のフォームを作ることも可能で、入力フィールド以外にも、チェックボックスやプルダウンメニューも利用できます。さらに、記入漏れがないよう、必須フィールドの設定も可能です。
フォーム機能を設定したPDF。入力するエリアは、薄い紫色で表示されます。
(メリット2)スタンプ機能で行う押印作業
申請書に押印する場合、通常は印鑑を使用しますが、PDFの書類であればPDF上に直接、押印することが可能です。あらかじめ、Acrobatに用意されたスタンプを使用してもよいですし、自分の印鑑の印影をカスタムスタンプとして登録して使用することもできます。PDFであれば、各承認作業もオンラインで実行できます。
PDFであれば、文書に電子印鑑やスタンプを押して承認作業が可能です。
(メリット3)アンケートの送受信
作成したアンケートや申請書といったフォームは、メールや内部サーバーを利用して、複数の人に一気に配布できます。アンケートや申請書の受信者は、Acrobatだけでなくブラウザからも回答でき、データの収集後、返信されたアンケートや申請書はポートフォリオとして1つにまとめられます。個別の回答のチェックはもちろん、回答状況のチェックなど、Acrobat DCから管理できます。
Acrobatに集計されたファイル。
フォーム機能を利用した効率化
現在、オンラインのWebフォームはいろいろとありますが、その自由度は低く、思い通りのフォームを作るためには、それなりのコストと時間がかかります。しかし、Acrobat DCのフォーム機能を利用すれば、レイアウト済みの文書から自由度の高いフォームが設定できます。新しくテキストの入力フィールドを追加することはもちろん、ラジオボタンやチェックボックス、プルダウンメニューなど、思い通りのフォームが作成できます。さらには、捺印欄や手書きの署名欄といった項目も設定できます。
申請書のやり取りやアンケートの管理・集計作業に強いAcrobat DCを使えば、手軽にフォームの運用が実現できます。なお、まだまだ紹介していない機能もたくさんあるので、順次、この連載でご紹介していきます。お楽しみに!
参考動画URL(機能別使い方動画)
【Adobe Acrobat DC ことはじめ】4. スタンプ機能
【Adobe Acrobat DC ことはじめ】14. PDFフォーム機能