アドビ、カリフォルニア州立大学フラトン校とDX提携、学生のデジタルリテラシーも向上

学生が世界と関わる方法がデジタル化により大きく変化を遂げる中、4万1,000人の学生と5,000人の教職員が在籍するカリフォルニア州立大学(CSU)フラトン校は、テクノロジーに強い学校としてだけでなく、革新的なテクノロジーを積極的に受け入れる学校として高い評価を得ています。CSUは、コロナウイルス感染症の世界的大流行によって、世界中の大学がオンライン授業の導入やデジタルツールのあり方を見直す前から、革新的なデジタル化に向けて動き出していました。CSUフラトン校の副学長兼CIOであるAmir Dabirian氏は「CSUフラトン校では、本校だけでなく大学システム全体、コミュニティ、そして世界に対してDXを推進したいと考えている」と述べています。CSUフラトン校とアドビは、キャンパス生活の変革というビジョンを実現するためにパートナーシップを締結。学生が卒業後にデジタル経済で生き残るためのデジタルリテラシーやクリエイティブなスキルを身につけられる環境を提供することになりました。

デジタル社会を牽引する人材を育てる

CSUがデジタル変革に向けた取り組みを始める前は、他の教育機関と同じような状況に置かれていました。学生は、履修登録、専攻や副専攻の変更、休学申請のような手続きに、大量の書類を紙ベースで用意する必要がありました。それは教職員も同様で、書類の山に囲まれながら承認、処理、保管を手作業で行っていました。

そのような状況の中CSUの役員たちは、デジタル教育を取り入れれば、これからのデジタル社会を牽引するような人材育成を行えるという意見で一致し、デジタルリテラシー教育とスキルトレーニングを「To Doリスト」に追加しました。

Amir Dabirian氏は続けます。「CSUフラトン校は、すべての学生にツールとトレーニングを提供することで、誰もが平等な環境で学べる機会を与えています。これにより学生たちが社会に出た時に、多くの変化をもたらすような活躍ができるようなります。

変革に向けたパートナーシップ

CSUフラトン校が最初に行った革新的な取り組みの1つは、事実上、ペーパレス化すること。このために大学全体で、Adobe Acrobat Sign、Adobe Acrobat DC、Adobe Experience Manager Formsを活用しました。アドビツールを取り入れたことで、画面上のボタンをクリックするだけで、授業の選択、申請、様々な活動に参加するなど、あらゆる作業をオンラインで完結するようにプロセスを自動化しました。オンラインで提出された書類は教職員や担当者に確実に届くため、数日から数週間を要していたあらゆる事務処理を数時間で行えるようになりました。

CSUは、現在までに250以上の用紙や書類をAdobe Experience Manager Formsで対応できるよう変更し、セキュリティ性の高い電子署名機能も採用。その結果、セキュリティとコンプライアンスを組み込んだ上で、短時間でより多くの申請書類を処理できるようになりました。

いままでで紙の使用量とコストが50%削減されたほか、数週間もの時間を要していた事務処理を数時間に抑えるという劇的なデジタル化を達成しています。

ITおよびエンタープライズ・アプリケーション担当の副学長補佐で、新しいテクノロジーの導入実行を監督するJoseph Luzzi氏は次のように述べています。「私たちは90%以上の用紙や書類をデジタル化しました。その量は驚くべきものであり、信じられないほどの業務が効率化されました。」

Adobe Acrobat Signも同様に、毎月最大4,000件にものぼる文書を処理しなければならない同大学にとって有益なものであることが証明されています。Acrobat Signを使用すれば、署名をするだけで書類のコピーを職員に送ることができます。

パンデミックで感じたデジタル化の重要性

新型コロナウイルスの世界的大流行により、CSUフラトン校はデジタル変革に向けた取り組みの成果を大いに実感することとなりました。

何万人もの学生や教職員をリモート環境に移行させることは、並大抵の努力でできることではありません。しかも、それを数日で行わなければならないとなると、なおさらです。

しかし、CSUフラトン校はこのような短期間という条件でオンライン授業へと完全に移行することができました。学生も教員も、オフライン授業の時のようにツールを使用できるようにする必要がありましたが、CSUフラトン校とアドビのパートナーシップのおかげで、今までのように不自由のない授業環境をオンラインで整えることができました。

Amir Dabirian氏は次のように述べています。「これは、早い段階でデジタル化に向けて取り組んだことによる成果です。当時懐疑的だった人たちも、今では私たちのテクノロジーへの取り組みがいかに重要であるかを理解してくれています。」

デジタルリテラシー教育の効果

CSUフラトン校の学生は、このデジタル変革のおかげでより良い学生生活を送ると同時に、デジタル経済で有利なスタートを切るために不可欠となるデジタルスキルを身につけることができています。

同大学に在籍する約1万2,000人の学生は、Adobe Creative Cloudのアプリケーションを授業で使用しながら、さまざまな方法で勉強の質を高めています。例えば、マーケティング部の学生はCreative Cloudを使ってグラフィックのデザインや動画を作成したり、ビジネス部の学生は名刺のデザインに活用したりしています。

また同大学に通う学生は、デジタルスキルだけでなく、自信も得ています。 学生の65%近くが「Adobe Creative Cloudを使えるようになれば、将来のキャリアにおいて優位になれる」と考えており、73%が「教育環境が改善された」と回答しています。

教育の未来を切り開く

CSUフラトン校によるデジタル変革に向けた素晴らしい取り組みは新たな道を開き、CSU系列の他の大学が追随するほど大きな影響を与えました。

CSUフラトン校に追随した大学は、教職員が今まで以上に時間とリソースを学生のために費やせるようになり、そして学生はより充実した教育を受けることで、高いレベルで競争できる力を持ち合わせながら人生の次の段階へ進むことができるようになると実感するでしょう。