マーケティングとセールスを結びつけ、パーソナライズされたB2Bの顧客体験を実現するには#AdobeSummit

顧客が主体性を持って無限の情報にアクセスできるようになった現在、パーソナライズされた経験は顧客に響くだけではなく、エンドユーザーにとって長く複雑な購買ジャーニーを単純化し、マーケティング部門とセールス部門の効率化につなげることができます。これこそ、パーソナライズされた体験がB2Bビジネスにおける重要な購買基準となり、ビジネスの成長を促進する要因となるのです。

B2B企業が、テーラーメイドで文脈に沿った顧客体験をデザインし、大規模に展開するには、全ての顧客に関する完全で実用的なビュー、あらゆるインタラクションでパーソナライズされたメッセージを提供する能力、さらに同時にアカウントに関わる機会が多いマーケティング部門とセールス部門の緊密な連携が必要となります。

今年のAdobe Summitでは、B2B企業がコンテンツや対話を通じて顧客とパーソナルにつながるための新しいイノベーションが発表されました。

ビジネスを変えるインサイト

あらゆるパーソナライズされた顧客体験を支えるのはデータです。とりわけB2Bビジネスでは、個人として、購買チームとして、あるいはアカウントとしてといった、その時々で変化する顧客の属性や文脈を完全に把握した上で、顧客に合ったコンテンツや体験を調整し、パイプラインや収益に影響するあらゆるインタラクションの効果を予測する必要があります。

昨年、アドビはAdobe Real-time CDP B2B Editionを発表しました。このソリューションは、複数のシステムにわたるユーザープロファイルとアカウントプロファイルを統合することで、企業のGo-To-Marketチームが一貫性のあるパーソナライズされた顧客体験を提供できるよう支援するものです。Adobe Marketo EngageとReal-Time CDPを統合することで、B2B企業は複数のMarketo Engageインスタンスにわたる顧客の活動を集約でき、Marketo Engage内にはまだ存在していないリードやコンタクトをMarketo Engageに作成することで、施策のターゲットとなる抜け漏れのないオーディエンスを作成できます。

今回アドビが発表した「Adobe Marketo Measure」は、顧客との個々のインタラクションがパイプラインと収益に与える影響について、B2Bマーケティング部門にインサイトを提供します。Marketo Measureは、Adobe Experience Platformが提供するAdobe Real-Time CDPによって完全に一元化された顧客データと、市場をリードするアドビのB2Bアトリビューション機能(旧名称 Bizible)を組み合わせたものです。これにより、マーケティングチームは、特定のチャネル(webサイト、SNS、有料広告)やキャンペーンのパフォーマンスを正確に評価し、マーケティング効果とROIを最大化するために必要な予算やチャネルの振り分けを変更することができます。例えば、広告ネットワークにわたる有料メディア、イベントのスポンサー、対面およびバーチャルでのイベント、ダイレクトメールなど、様々なデジタルマーケティングチャネルに投資するB2Bビジネスにおいて、大きな予算を投じた施策のROIと少額を投資した施策のROIを比較して評価し、予算の支出を調整することができます。

Marketo Measureは、個々のコンテンツやクリエイティブに至るまで、パイプラインと収益を牽引する要因を可視化するツールです。事前に設定されたカスタムモデルやAIベースのアトリビューションモデルを活用して最新の状態で提供するので、マーケティング部門のリーダーは、数日あるいは数週間待つことなく、月次、四半期、年次計画の策定など必要なときに正確なインサイトを得ることができます。さらに、マーケティング部門の全員が、それぞれの分野で日々、より優れたデータに基づいた意思決定を行うことができるようになります。詳細については、Adobe Marketo Measureのブログをご参照ください。

パーソナルな対話を生む

テーラーメイドの顧客体験を提供するために、企業は複数のチャネルに投入する大量のコンテンツを作成する必要があります。しかし、パーソナライズされた体験においては、コンテンツと同じくらい対話も重要です。そこでアドビは、webサイトの訪問者が期待するテーラーメイドでインタラクティブな体験を提供するため、Marketo Engage用の「Dynamic Chat」を発表しました。Dynamic Chatは現在利用可能で、企業は顧客ニーズに応じて重要なつながりを構築することができます。例えば、サイト訪問者がチャットを通じて営業とのミーティングの予約を済ませられるので、バイヤージャーニーが簡素化し、加速されます。マーケティング部門は、リードやアカウントの詳細な属性に基づく適切なチャットを簡単に導入できるようになり、チャットをリードまたはアカウントベースの戦略に完全に統合することができます。また、マーケターは、会話の回数、インタラクション率、会話完了率、商談の予約状況などを迅速に把握することができます。

Marketo Engageを超えたクロスチャネルエンゲージメントを効率化するため、マーケターがUIからアクセスし、キャンペーン作成プロセスで使用可能なAPIベースのカスタムキャンペーンとワークフローアクションを、企業やパートナー側で作成できるようになりました。セルフサービス式のフローステップにより、Marketo Engageのキャンペーンフレームワークが顧客やパートナーの幅広いエコシステムに開放され、サードパーティとの統合が必要なクロスチャネルのキャンペーン作成と実行を簡素化します。企業にとっては、デマンドマーケティングスタックの中心としてMarketo Engageを活用し、B2Bのカスタマージャーニーを簡単に自動化できるようになりました。

マーケティングとセールスの連携

ビジネスの成長につながる顧客体験を成功に導くためには、マーケティング部門と営業部門が適切なアカウントに対して足並みを揃えて、シームレスに連携することが必要です。アドビはこの度、両チームが一体となって行動できるよう新しいイノベーションを発表しました。Adobe Experience Platformを基盤にした「Predictive Lead and Account Scoring」は、マーケターが適切な見込み客にリソースと労力を集中できるようにします。アドビのAIフレームワークであるAdobe Senseiを搭載したPredictive Lead and Account Scoringは、過去の購入者がおこなったサイトのインタラクションやフォーム入力などのエンゲージメントや属性に基づき、見込み客やアカウントが製品やサービスを購入する可能性を予測します。

両チームが同じアカウントに対してエンゲージメントを行っているとき、チーム間の連携はさらに重要となります。Marketo EngageのSales Insightを使えば、営業担当者は成約の可能性が最も高いリードやアカウントの優先順位をリストで見ることができます。さらに、Sales Insight - Actionsでは、顧客関係管理(CRM)ソリューション内でマルチステップのエンゲージメントツールとコンテンツを利用できるため、複数のアプリケーションを切り替えずに1つの環境で完全なワークフローを実現できます。マーケターはセールスのエンゲージメントに基づいてキャンペーンを開始/停止することができ、営業は担当アカウントの営業開発からマーケティング活動まで、全ての活動をSales Insightの単一のビューで確認することができます。これにより、顧客には一貫性のあるパーソナライズされた体験が提供され、営業部門の効率化とマーケティングROIの強化につなげることができます。

医師とのエンゲージメントをパーソナライズ

B2Bの営業活動は、ライフサイエンスを含む多くの業界で行われています。製薬会社が医療従事者とのエンゲージメントをより効果的に行うために、アドビはライフサイエンス分野におけるクラウドソフトウェアの世界的リーダーであるVeeva Systemsとの新たな連携を発表しました。Veevaは、顧客の成功、革新性、製品の卓越性にコミットし、世界最大の製薬会社から新興のバイオテクノロジー企業まで、幅広い顧客から信頼を獲得しています。 Marketo EngageとVeeva CRMのネイティブコネクタにより、医療従事者のデータを継続的に同期し、より一貫性のあるタイムリーで適切なコミュニケーションを実現することで、エンゲージメントを向上させます。

アドビの最新のB2B機能の詳細については、Adobe SummitのInnovation Super Session on B2B Customer Journeys、あるいはこちらのセッションからご視聴ください。

*本記事は、アドビが2022年3月15日に投稿したブログの抄訳です。