Adobe Creative Cloudの新機能でコラボレーションを次のレベルへ

アドビが実施した最近の調査によると、ここ数年で1億6,500万人以上が、世界のクリエイターエコノミーに参加しています。このコミュニティの拡大スピードは目覚ましく、かつてないほど膨大なコンテンツが作成されています。こうした状況においては、クリエイティブ・プロセスに関わるすべての人々が、同じ場所にいてもあるいは地球の裏側にいても、シームレスにコラボレーションし、自分たちが望むクオリティとスピードでコンテンツを提供できる環境が不可欠となります。

目次

  1. 世界初、「Camera to Cloud」ワークフロー対応カメラ
  2. Adobe Photoshopと Adobe Illustratorに追加された新しいコラボレーション機能
  3. レビュー用に共有
  4. Adobe Acrobatをwebに拡張する
  5. クリエイティブなコラボレーションを強化し、生産性を最大化

そして今、クリエイターには、これまでとは大きく違う、画期的なコラボレーションが求められています。アドビは、 複数のプラットフォームで動作する、斬新なコンテンツに対する需要の高まりに対応するため、コラボレーションに焦点を当てたツールとテクノロジーへの取り組みを拡大し、クリエイターの継続的なイノベーションを支援します。

この記事では、Adobe Photoshop、Adobe Illustrator、Frame.io、Adobe Acrobatの機能強化や、写真を撮影現場から直接転送・保存する画期的なアプローチなど、Adobe MAX 2022で発表されたすべてのコラボレーションおよび統合機能をご紹介します。

世界初、「Camera to Cloud」ワークフロー対応カメラ

写真や動画の作成方法が根本的に変わりつつあります。世界中のフォトグラファー、フォトジャーナリスト、映画制作スタジオ、そして映像制作会社は、ディスクドライブなどの記憶媒体を持ち運ぶより生産性の高い、クラウドベースのワークフローへと移行しています。

アドビは、REDおよび富士フイルムと共同して、従来の記憶媒体ベースの制作ワークフローを根本から変えるテクノロジーを世界で初めて開発しました。カメラとクラウドとの統合により、メディアカードなどの記憶媒体を発送して受け取り側のマシンにファイルをアップロードする手間を省き、カメラからアドビ製品のクラウド上に直接転送できるようになりました。この技術によって、関係者はファイルが手元に届くまで待つ必要がなくなり、制作プロセスを数時間から数日節約することができるようになります。

富士フイルム製品との統合は2022年末に予定され、クラウドワークフローへのアクセスがフォトグラファーに初めて開かれます。RED製品との統合は2023年春を見込んでおり、ハリウッドの主要スタジオのRAWファイルがクラウドと接続されるようになります。この新しいインカメラワークフロー(英語)は、今後10年で標準的なものとなっていくでしょう。

Adobe Photoshopと Adobe Illustratorに追加された新しいコラボレーション機能

フィードバックを効率的に管理し、反映させることは、プロジェクトを成功に導くための重要なポイントです。フィードバックのサイクルを合理化し、プロジェクトチームが共有する内容や相手をより柔軟にコントロールするために、アドビは Adobe PhotoshopAdobe Illustratorに2つの新機能を追加します。

レビュー用に共有

Adobe Photoshopと Adobe Illustratorのユーザーは、ファイルを共有する際に 「編集に招待」「レビュー用に共有」 の2つのオプションが利用できるようになりました。前者は、共同制作者とファイルをライブで共同編集できるようにするもので、後者は、クライアントや関係者にデザインワークの特定のバージョンを共有してレビューを依頼するためのものです(現在ベータ版)。

このように、ファイルを共有する際のオプションを複数用意することで、デザイナーのワークフローが強化され、フィードバックを得るためのプロセスも適切なものを選択できるようになります。さらに、レビュー担当者のコメントは自動的にアプリに送られるため、フィードバック収集のために別のツールを使う必要はありません。結果として、チームがより速く、よりクリエイティブに仕事を完了できるようになります。

レビューと校正のプロセスにおいて共有済みのファイルを更新した場合、デザイナーは同じレビューリンクに更新を反映することができます。改めて手動でファイルを書き出して共有する必要はありません。Adobe PhotoshopおよびAdobe Illustratorの「レビュー用に共有」機能の詳細については、こちらをご覧ください。

Adobe Photoshopや Adobe Illustratorのファイルをクライアントやチームメンバーと共有するには、「共有」をクリックし、次に「リンクを作成」(1)をクリックします。これでURLが作成され、リンクアイコン(2)をクリックしてリンクをコピーすることができます。

そのリンクを電子メールやメッセンジャーなど、自分の使いやすいコミュニケーションチャネルに貼り付けます(3)。レビュー担当者はドキュメントにアクセスし、アートワークのどの部分であっても、マークアップやコメントを追加できます(4)。

コメントは Adobe Photoshopや Adobe Illustratorのファイルに直接転送されるので(5)フィードバックを反映した後、ライブファイル上で変更を確認することができます(6)。

変更が完了したら、同じリンクを共有すれば(7)、そのリンクにアクセスできる全員が、すぐに更新を確認できます(8)。

Adobe Acrobatをwebに拡張する

毎年、Adobe Document Cloudで開かれるPDFは3,000億ファイルを超え、80億件以上の電子署名が処理されています。

Adobe Acrobatは毎日1億人以上に利用されていますが、PDFの表示・編集やPDFを介したコラボレーションをこれまで以上に迅速化する、合理的なエクスペリエンスを提供するのがweb用Adobe Acrobatです。

ユーザーは、新しい「もっと知る」パネルから、より簡単にツールを見つけることができ、「クイックアクション」ツールバーから、頻繁に使用する機能に、簡単に素早くアクセスすることができます。また、ツール群は目的別に「編集」、「変換」、「電子サイン」の3つのカテゴリーに分類され、読み上げ機能やハイコントラスト表示のサポートなど、アクセシビリティの中核となる機能も強化されています。

クリエイティブなコラボレーションを強化し、生産性を最大化

急速に進化するクリエイターの創作活動に対応するため、アドビは、クリエイターのみなさんがより効果的かつ効率的なコラボレーションを可能にするツールやテクノロジーを提供し続けています。

業界初のリアルタイムの動画レビューおよび承認のワークフローをAdobe Premiere Proおよび Adobe After Effectsに直接統合したFrame.io for Adobe Creative Cloudをはじめとして、私たちはこの数か月で強力な機能を追加してきました。本日リリースした新機能の数々は、さらにその先を行くものです。

Frame.io for Adobe Creative Cloudは、主要な関係者がクラウド上でシームレスにコラボレーションすることで、より迅速かつ容易に最終承認を得られるように支援します。また、この独自のワークフローにより、クリエイターは、撮影の完了と同時にカメラから直接クラウドに映像を安全にアップロードし、共同作業者を待たせることなくポストプロダクション作業にとり掛か狩ることが可能になります。

どのような業界であれ、コンテンツが消費されるデバイスやプラットフォームが何であれ、強力なコラボレーションツールへのニーズはかつてないほど高まっています。そのためにこれらのツールには、コミュニティに属する人たちがどんな場所でも思い通りの方法で作業できる柔軟性が備わっていることが重要です。これこそが、アドビが世界中のクリエイターをつなぐためにイノベーションを推進し続ける理由なのです。

この記事は2022年10月18日(米国時間)に公開された Taking collaboration to the next level with new Creative Cloud features の抄訳です。