生成AI時代におけるAdobe Stockのクリエイターへの継続的なコミットメント
クレジット: Adobe Stock / lithiumphoto.
ここ1年半の間、優れたコンテンツに対する需要は加速度的に伸び続けており、Adobe Stockのコンテンツクリエイターやコントリビューターの活躍の場も広がっています。同時に、生成AIのもたらす影響への疑問の声もあります。私はAdobe Stockのリーダーとして、コントリビューターが享受できる収益拡大の機会、私たちが耳にする懸念への対処、クリエイターをサポートするための取り組みについての最新情報を共有します。この取り組みには、第2回Adobe Fireflyコントリビューターボーナス、他のアーティストのスタイルを参照していそうな作品を特定するより強固な審査体制、潜在的に問題のあるコンテンツに対して、誰でも簡単にフラグを立て報告できるようにする機能の導入などが含まれます。
コンテンツクリエイターのチャンス拡大
優れたコンテンツに対する需要の高まりは、フォトグラファー、デザイナー、イラストレーター、映像制作者、あらゆる種類のマルチメディアアーティストからなるAdobe Stockのコントリビューターコミュニティ、クリエイティブなプロセスやアドビにとって不可欠であるという当社の信念を再確認するものです。私たちは、コントリビューターとクリエイターが複数の方法で収益を拡大できるよう、その可能性を広げていきます:
- Adobe Stockコントリビューターの受け取る収益の規模は、過去最高を記録しています。これは、新規コントリビューターやコンテンツ投稿数の増加、およびライセンスの好調な伸びによるものです。
- Adobe Content Missionによりコントリビューターが収益を得る新たな機会が創出され、ミッションを引き受けた方々の収益向上に寄与します。これは、Adobe Stockにまだあまり無い良質なアセットを調達するためのプロジェクトです。
- ライセンス数の増加を狙い、Adobe Stockに新しい生成AI機能が追加されます。今後数ヶ月のうちに導入される新しい機能により、お客様が検索結果をリアルタイムで調整し、必要とするビジョン、スタイル、またはブランドの嗜好に合わせて簡単に調整させることが可能となります。これにより、優れたコンテンツカタログが実質的に無制限にユーザーに提示されることとなり、ライセンス数の向上が期待されます。その結果、アセットの汎用性とライセンスされる可能性が高くなり、コントリビューターの収益アップの可能性も増すと考えています。
第2回Fireflyコントリビューターボーナスのお知らせ
ライセンス数の伸びやMissionを通じてコントリビューターが得る収益そのものが増加していることに加え、Adobe Stockのコントリビューターに2回目となるAdobe Fireflyボーナスを数週間以内にお支払いできることを嬉しく思います(AdobeのGenerative AI Principlesに準拠)。
2024年Adobe Fireflyコントリビューターボーナスについて:
- スタンダードコレクションの画像、ベクター、イラスト、およびビデオ(今回より新たに追加)を提供する受給資格のあるすべてのAdobe Stockコントリビューターを対象に、そのコンテンツがFireflyのトレーニングに使用された場合、ボーナスが支払われます。
- 2024年のボーナスは、2023年6月3日から2024年6月2日の間に承認されたビデオ、写真、ベクター、イラスト、およびそれらのアセットが同じ12ヶ月間に売り上げたライセンス数に基づいて算出します。さらに、同じ期間内にアップロードされ、トレーニングに使用された生成AIコンテンツもボーナスの対象となります。
- Firefly は Adobe Stock に提出されたすべてのコンテンツをトレーニングに使用していないため、提出されたすべてのコンテンツが Fireflyボーナスの対象となるわけではありません。
- ボーナスの額はコントリビューターによって異なります。
生成AIに関する疑問とアドビのクリエイターへの取り組み
アドビは、生成AIは責任を持って開発されるべきであり、クリエイターの権利を尊重し、Adobe Stock市場における生成AIに関する透明性を確保することから始まると考えています。
昨年、私たちは、生成AIコンテンツの透明性を確保し、生成AIの使用に関するポリシーを明確化し、増幅させ、お客様のニーズを満たし、クリエイターの懸念に対応するコレクションを作成するために、サイト、ポリシー、手順を大幅に変更しました。私たちは、画像のポストプロダクションにAI編集の使用が含まれることが多くなっていると認識しており、プロの写真撮影と芸術的判断が最高のコンテンツを差別化し続ける未来に備えています。
私たちが導入した重要な変更点は以下の通りです:
- 生成AIの投稿ポリシーを更新: 私たちのコンテンツ投稿ポリシーでは、ニュース価値のある出来事を描いていることを暗示するようなタイトルがついた生成AIコンテンツの投稿を禁止しています。コントリビューターが生成AIコンテンツに誤ったタイトルを付けた場合、私たちはそのコンテンツを見直し、削除やコントリビューターアカウントの停止を含む適切な措置を取ります。
- コンテンツの利用ポリシーを更新: 当社の利用ポリシーでは、エディトリアルコンテンツを誤解や欺瞞のために使用することを禁止し、そういった行為は当社の利用規約違反であるとしています。ストックコンテンツをエディトリアル用途で使用する際は、それが実際の出来事を描いたコンテンツと誤解されないよう、常に明確に表示いただく必要があります。パブリッシャーまたはその他のライセンシーが、ストックコンテンツを誤解を招くような方法で使用したり、人々を欺いている場合、当社はそのストックコンテンツの権利を停止することを含む、適切な措置を検討し講じます。
- 審査ポリシーとプラットフォームの拡大: 毎週の投稿数の大幅な増加に対応できるよう審査規模を拡大する必要があるため、私たちは人材とテクノロジーの両方に投資を継続しています。まず、審査チームの規模を3倍に拡大しました。次に、最新の技術を導入し、新しく投稿された作品を審査するとともに既存の作品に対しても新しいポリシーに基づいて見直しを行います。強化された監査体制を構築することで、10万件以上のアセットが再チェックされ、削除されました。
クリエイターとアーティストの保護
Adobe Stockを進化させるにあたり、アーティストを保護するためにできること、やらなければならないことはまだまだあります。上記の取り組みに加え、以下のアップデートを導入します:
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高度な名前とキーワードの検出:新しい機械学習分類法を用い、アーティストの名前が私たちのポリシーに違反する方法で使用または参照されたと思われるコンテンツを識別を目指します。これは難しく、しばしば不完全なものですが、時間をかけて改善していくことをお約束します。そのため、問題のあるコンテンツを特定するための2つ目の取り組みとして、ユーザーによる「問題を報告するボタン」を導入します。
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問題報告ボタン: アーティスト名や知的財産権を侵害する可能性のあるコンテンツを含むライセンス可能なアセットにフラグを立てることができる、新しいレポート機能を導入します。
前進する: 生成AIとクリエイターの価値
アドビでは、生成AIがクリエイティブなワークフローをどのように変化させるかを評価し、慎重に考え、最終的にクリエイターの生産性を向上させ、人間の可能性を引き出し、クリエイティブなキャリアに貢献するテクノロジーであり得るよう、真剣に取り組んでいます。
私たちは、クリエイター、ストックコントリビューター、お客様とのパートナーシップのもと、責任を持ってイノベーションに邁進していきます。
いかがだったでしょうか? Adobe Stockでは写真やイラストといった通常アセットに加え、HDビデオの素材も利用いただけるサブスクリプションプランも提供しています。現在、年間サブスクリプションが初月無料となるキャンペーンを実施中ですのでお試しください。
また、 Adobe Stockにアーティストとして参加されたい方は、こちらからコントリビューター登録をしてください。取り扱われる素材の種類については、各種ガイドラインをご覧ください。皆さんのご利用をおまちしています。
この記事は2024年9月10日にMatthew Smithにより作成&公開されたAdobe Stock’s continued commitment to creators in the era of Generative AIの抄訳です。