Adobe XDの最新版に、ライブカーソルなど新しいコラボレーション機能が登場
Adobe XDの最新バージョンでは、共同編集のためのライブカーソル、アートボードをすばやく共有する新しい方法など、コラボレーションのためのパワフルな新しい方法が導入されています。
デザインプロセスで欠かせないのは、チームメイトとのアイデア出し、クライアントからの承認、開発者との連携の他、ユーザーからのフィードバックなど、デザインと直接関係のない、他者との共同作業が欠かせません。 このような様々な関係者とコラボレーションすることで、デザイナーはアイデアをより早く確定することができます。
今回のAdobe XDの最新アップデートでは、共同作業を行うための新しい、より迅速な方法を追加しています。
- 共同編集で、チームメイトがデザインファイルのどの場所で作業しているかを確認できる「ライブカーソル」機能を追加
- デザインカンバスから直接、選択したアートボードをすばやく共有する新しい方法を追加
- XDプラグインを一元管理
- するための新しい「ホーム」、ならびにWorkfront、Asana、Monday.comと統合するための新しいプラグインを追加
その他、以下のような機能を強化いたしました。
- コンポーネントのインタラクティブなトグル状態を即座に作成する新しいショートカットの追加
- macOSとWindowsの両方でXDをカスタマイズできる新しい「環境設定」メニュー
- macOSアプリでのAppleシリコンのネイティブサポートを
- ベータ版として提供開始
- 。このベータ版アプリは、M1チップを搭載したデバイスを持つmacOSユーザーのみが利用できます
新機能を使い始めるには、XDの最新バージョンにアップデートしてアクセスするか、Adobe XDを新規にダウンロードしてください。
この記事では、最新バージョンの機能の詳細と、XDでのチームコラボレーション機能の進化についてご説明します。
クラウドとリアルタイムコラボレーション
コラボレーションツールの必要性はかつてないほど高まっていますが、リモートワークで明らかになったのは、人によってデザインプロセスが異なるということです。だからこそ、チームメンバー同士が協力して同じ状況を共有し、全員に適切なリソースを行き渡らせる必要があります。
チームの働き方における最大の変化の一つは、デザインがクラウド上で行われることが増えたことです。XDのクラウドドキュメントは、チームを1つにまとめ、誰もが最新かつ最良の状態のデザインを扱えるようにする手段です。XDユーザーの多くはクラウドドキュメントを使っているため、いつでもどこからでも自分の作業を続行でき、チームとも同期できます。
クラウドでの作業の利点は、リアルタイムの共同編集など、コラボレーションの方法がさらに広がることです。共同編集では、ユーザーとチームが同じドキュメントで同時にコラボレーションできます。これにより、チームメイトがいつどこで作業しても、常に最新のバージョンで作業できるようになります。ベータ版として提供されていた共同編集機能は2020年に正式版となり、現在はすべての共有クラウドドキュメントでデフォルトで有効になっています。
この共同編集機能が、ライブカーソルによってさらに強化されました。他のユーザーと共同作業をしているときに、チームメイトがデザインカンバス上のどこで作業しているかを確認し、その場所にジャンプして簡単に移動できるようになりました。
ライブカーソルを使った共同編集は、現在、すべての共有ドキュメントで利用できます。共同編集の使用方法については、こちらをご覧ください。
アイデアを共有し、フィードバックを得る
共有することで、プロジェクトが前進し、デザインプロセスにさまざまな視点やコンテキストを取り入れることができます。初期のアイデアやコンセプトから、最終的なプロトタイプ、あるいは開発者に渡すスペックに至るまで、デザインプロセスのあらゆる段階で、「共有」が重要な役割を果たします。
共有は、XDの初期段階からその中心的な概念です。これまでもXDからプロトタイプや<u>デザインスペック</u>を共有することができました。2019年には、共有リンクを簡単に作成して管理できる<u>「共有」モード</u>を、2020年の夏には、同じドキュメント上の異なる部分へのリンクを複数作成して共有できる<u>マルチフロー</u>機能を導入しました。現在、毎月400万人以上の人々がXDから共有されたリンクを閲覧していますが、私たちは今後も引き続き、共有機能を充実させていく予定です。
今回のアップデートでは、デザインカンバスを開いた状態で共有リンクを素早く作成できる、新しい共有方法を追加しました。いくつかのアートボードを選択し、共有アイコンをクリックするだけで、XDは選択済みアートボードへのリンクを生成します。その裏では、XDが自動的にプロトタイプのフローをワイヤー接続し、共有リンクを生成します。これにより、共有リンクを作成するためのステップ数が大幅に削減されます。
このクイックな共有方法は、デザインのアイデアや初期のコンセプトを共有する場合や、カスタマイズされたトランジションやインタラクティブ性を必要としないプレゼンテーションならびにマーケティング資料などのユースケースに最適です。また、「プロトタイプ」モードに切り替えればいつでもデザインの表示フローをカスタマイズでき、「共有」モードに切り替えて、リンクの権限管理の変更など高度なユースケースに対応もできます。
ワークフローを拡張する新しいプラグインや統合機能
コラボレーションには、デザインツールの中だけで完結しない要素もあります。より広範なコンテキストや他のメカニズムが、他のツールやプラットフォームで発生することも多々あります。
そのような場合にXDのパワーを拡張し、他のツールと接続する役割を担うのが、XDのパートナーエコシステムです。現在、XDに無い機能を追加したり、タスクを自動化したりしてくれる、XDをさらにパワフルにする300以上のプラグインならびに連携機能が提供されています。
これに関連し、XDのプラグインは今後数週間かけて、Creative Cloudデスクトップアプリの「マーケットプレイス」に移されます。ここでは、XDプラグインの発見、インストール、アップデート、管理、厳選されたコレクションの閲覧に加え、他のCreative Cloudアプリケーションで利用可能なプラグインの確認ができます。プラグインはCreative Cloudアカウントに関連付けられているので、プラグインをインストールすると、お使いのどのデバイスからでもアクセスできるようになります。このアップデートは数週間かけてすべてのユーザーに展開されるため、お使いのCreative Cloudデスクトップアプリを常に最新の状態に保つようにしてください。
さらにチームの共同作業に役立ついくつかの新しいプラグインと統合機能をご紹介します。
- Adobe Workfront for XD
- (英語)は、デザインツール自身に作業管理機能を追加するので、フローを中断することなくWorkfrontでタスクやプロジェクトを管理することができます。アドビは2020年にWorkfrontを買収し、業界をリードする共同作業管理ソリューションをアドビの傘下に収めました。
- Asanaとの新しい統合
- により、XDのデザインをAsanaの「プロジェクトの要旨」に埋め込み、デザインチーム以外の人とも共有できるようになりました。
- monday.com for XDプラグインを使えば、進捗状況やフィードバックの確認を即座にコミュニケーションでき、作品の最新バージョンでコラボレーションしたり、すべての締め切りを簡単に把握することができます。
<u>XDプラグインおよび連携機能</u>の活用により、これまでにない新しい方法でデザインワークフローを強化できます。
XDを使った共同作業をさらに強化するため、私たちは、Creative Cloudで強化された共有機能を積極的に活用していく予定です。XDの未来を形作るためには、皆さんの協力が必要です。<u>Facebook</u>、<u>Twitter</u>(英語)、<u>UserVoice</u>(英語)にご意見やご感想をぜひお寄せください。
この記事は2021年5月11日(米国時間)に公開されたIntroducing new ways to collaborate in Adobe XDの抄訳です。