CCライブラリと連携し、Adobe XDのワークフローを拡張する6つのアプリケーション
Adobe XDのワークフローを加速し、ブランドを強化するアドビのCCライブラリと他社アプリとの統合について紹介します。
ブランドにとって、競争の激しいマーケットで生き残るためにはひときわ際立ち、しかもすべての顧客との接点において一貫した体験を提供することが重要です。そのためには、企業としてブランドの一貫性を保てる体制の構築と維持が不可欠です。さらに、必要な作業を効率的に行えなければなりません。企業のブランドを定義する要素である、色、文字スタイル、ロゴ、グラフィックスなどを管理し共有する Creative Cloud Libraries (以下、CC ライブラリ)が、2百万人のクリエイターに利用されている理由のひとつはそこにあります。
CC ライブラリを使用すると、アドビの主要なデザインツールである Photoshop、Illustrator、 Premiere Pro そして XD から、一元管理されたブランドアセットにアクセスするワークフローを実現できます。Web サイトやアプリをデザインしている時、あるいはプロモーション用の動画を制作している時も、同じアセットを使用することになるため、確実に一貫性を保てます。
しかし、デザイナー、あるいはデザインチームは単独で働いているわけではありません。他のデザイナーとの分業はもちろん、他部門の同僚、ステークホルダー、さらにはクライアントなど、アドビ製品を使用しない人々とも当然のように協業しているはずです。そこで、CC ライブラリを他社のアプリとも連携できるように API を追加しました。これにより、CC ライブラリとアドビのデザインツールの活用範囲がさらに拡張されます。
MURAL: CCライブラリのアセットを使った視覚的な協業を実現
MURAL は視覚的な協業を可能にするデジタルワークスペースです。MURAL を使うビジネスチームは、リモート環境から一緒に考え、共同で問題解決に取り組めます。たとえば、集めた要件をワークスペース上で視覚的に整理したり、ソーシャルメディア向けのキャンペーン案をその場でつくってフィードバックを集めるといった作業が行えます。
MURAL に CC ライブラリが統合されたことにより、ロゴ、アイコン、グラフィックスなどの承認済みのブランドアセットを、MURAL のワークスペースから直接利用できるようになりました。そのため、キャンペーン案の検討を最新のアセットを使って行えるなど、ブランドに関連するリモートワークのチーム作業がさらに効率的になります。Illustrator や Photoshop で制作したアセットを CC ライブラリで管理すれば、MURAL を使ってクライアントにより説得力のあるストーリーを語ったり、デザインレビューを行うために利用できます。
MURAL のサイドバーからワークスペースにドラッグ&ドロップするだけで、CC ライブラリのアセットを利用できます。どのツールでつくられた素材も、キャンバスにはPNG 画像として配置されます。MURAL でまとめたアイデアをその場でプロトタイプ化して、付箋を使ってコメントし、ダイアグラム書いて分析し、チームからのフィードバックを集めれば、効率的にリモートからの協業を行えます。
CameraIQ: CCライブラリのアセットからAR体験をデザイン
Camera IQ は、製品やブランドメッセージを魅力的な AR 体験として伝えたいマーケターやデザイナーの心強い味方です。CameraIQ は、仮想環境での製品の試用や、ソーシャルキャンペーンのための AR コンテンツを手軽にデザインできるワークスペースを提供します。CameraIQ が CC ライブラリと連携したことにより、デザイナーとマーケターが統合されたワークフローで協業できるようになりました。
Frontify: ブランドアセット管理プラットフォームと連携
Frontify はブランド管理に必要とされる種々の機能を提供して、さまざまなメディアにおけるブランドの一貫性維持を効率的に支援するプラットフォームです。CC ライブラリとの統合により、Frontify で管理されている画像、イラスト、動画などのブランドアセットにアドビのアプリから直接アクセスできるようになりました。
組織の規模が大きくなるにつれてブランドが関わる制作ワークフローは複雑になりがちです。デザインアセットを集中管理するライブラリとして Frontify を使用し、それをアドビのデザインツールと連携すれば、クリエイティブな作業における協業をより効率的に行えます。
Frontify と CC ライブラリの連携 出典: Frontify
HolaBrief: プロジェクトの立ち上げからCCライブラリと連携
HolaBrief はプロジェクトを始めようとするクライアントとデザイナーの協業を支援するオンラインツールで、デザイナーやエージェンシーが、プロジェクトの概要をまとめ、デザイン上の課題を特定するために行うべき作業を示してくれるサービスです。
HolaBrief が CC ライブラリと統合されたことで、HolaBrief 内のパネルから、直接ロゴやカラーパレットなどのブランドアセットにアクセスできるようになりました。もう別途保存されているファイルを探す必要はありません。ブランド戦略をクライアントと議論するときに、見た目の違いなどに時間を取られることもなくなります。
Tiled: CCライブラリと連携したマイクロアプリ構築
Tiled はコーディングなしでインタラクティブなコンテンツを作成できるサービスです。XD で作成したデザインに動きを付けてストーリーを語ったり、マイクロアプリを共有してパフォーマンス測定を行うといった目的に利用できます。
Tiled に CC ライブラリが統合されたことにより、アドビのクラウドで管理されたアセットを使い、ブランドガイドラインを満たしたマイクロアプリの構築がこれまで以上に容易になりました。デザイナーはアドビのデザインツールを使ってアセットの作成や更新を行えるため、ワークフローもシンプルです。この機能は新しいアセットライブラリとして追加されました。
VS Code: デザインとコード間の溝を埋める
デインシステムはデザイナーと開発者をつなぐリンクとして機能します。すなわち、広く利用される成功したデザインシステムを構築するには、デザイナーと開発者のどちらにも使いやすいものであることが重要です。Adobe XD extension for Visual Studio Code を利用すると、デザインチームは開発者がコーディングするのに必要なすべての情報を含むデザインシステムパッケージ (DSP) を作成できます。DSPにはコードスニペットやドキュメントを含めることができます。
DSP により、開発者は XD で作成され、CC ライブラリで共有されたデザインを、デザイントークンを使ってコードに組み込めます。今回、CC ライブラリの新しい API が公開されたことで、トークンやコンポーネント情報の作成を、時間をかけて人手で行う必要は無くなりました。実際、DSPの生成はごく短時間で完了します。
この記事では、CC ライブラリと連携する6つのアプリケーションを紹介しました。デジタルワークスペースでブレインストーミング、デザイン視点からのプロジェクト概要の理解、AR体験構築、そして開発者との連携まで、さまざまなコラボレーションがCCライブラリと他社アプリの統合により、デザインの一貫性を保ちつつ効率的に行えます。ですが、これらは CC ライブラリの統合がクリエイティブプロセスにもたらす利点のほんの一部に過ぎません。アドビは、デザインワークフローを拡張し、より生産的な働き方ができるように、他のパートナーとも協力しています。新しい Creative Cloud Libraries API は、どんなツールやサービスを使用していても、CC ライブラリを必要な形で統合することができます。
CC ライブラリについての概要は製品ページをご覧ください。実際に使い始める際は、こちらの解説記事から始めることをお勧めします。
この記事は6 apps that connect to Creative Cloud Libraries(著者:Minson Chen )の抄訳です