シグネチャーサウンド:Adobe Stockオーディオでポッドキャストのサウンドを作成
Adobe Stockで音素材は、ロイヤリティーフリーで利用できる厳選されたセレクション。人気のポッドキャストにピッタリの楽曲についてご紹介します!
イメージ:Adobe Stock/Tatahnka
ここ最近は、色々なところで「ポッドキャスト」を耳にします。ジャーナリストから医師、コメディアン、友だちや近所の人まで、様々な立場の様々な人たちがポッドキャストを作っています。しかし17年前はポッドキャストのことなど誰も聞いたことがなく、そのころ登場した新しい形のオーディオジャーナリズムの呼び方に対して、イギリスのBen Hammersley記者が疑問を投げかけたのが始まりでした(「でも、どう呼べばよいのだろうか?オーディオブログ?ポッドキャスト?ゲリラメディア?」)。Hammersley氏はポッドキャストに大きな可能性を見出し、「声の親しみやすさ、ウェブログのインタラクティブ機能、MP3ダウンロードの利便性と携帯性をあわせ持つ」と定義しています。
今ではおよそ200万のポッドキャストがあり、どんなトピック(歯に関するお役立ち情報、宇宙人にさらわれた話、イギリスの海洋天気予報など)でも選びたい放題です。
このポッドキャストの発展に感謝し、制作者や編集者が必要なサウンドをすぐ利用できるようにするために、Adobe Stockでは音素材のコレクションの1つとして、「ポッドトラック(Pod Tracks)」という専用セクションを設けました。2021年のクリエイティブトレンドでは初めてオーディオトレンドが取り上げられていますが、これもそのなかで新しいセグメントとして紹介されています。
ポッドトラックの目的は、その作り手に、もっとすばやく、もっと多くのオプションを提供すること — ニーズにぴったりで、完成作品を細かくコントロールできるようなオプションを提供することです。
技が光るポッドキャストのサウンド作り
ポッドキャストのサウンド作りには繊細な技が必要です。様々な感情のバランスを丁寧にとらなくてはいけませんし、語りの音声にマッチさせつつ、聞きづらくならないようにしなくてもなりません。それらをうまく両立させるには、制作過程のどのタイミングで語り以外のサウンドを検討するかが重要なキーとなってきます。「後からサウンドを付け足すと、安っぽく聞こえるリスクが各段に大きくなります」と、作曲家のMark Phillips氏は2017年のLA Timesの記事でTim Grieving記者に語っています。「音声だけのストーリーにぴったりはまる音楽を作るのは本当に難しいですから」
Adobe Stockオーディオと提携するEpidemic Soundで音楽開拓部門の責任者を努めるDavid Slitzky氏も同じ意見です。「音声だけのフォーマットで音楽を使うのと、複数の媒介手段が合わさった形式で音楽を使うのとで、何が大きく違うかと言うと、音声だけの形式の場合は使える感覚がひとつしかない(つまり、聴覚に全て委ねる必要がある)ということです」とSlitzky氏はAdobe Stockに語っています。「ですから、ひとつの感覚だけで、あらゆることを同時に体験しようとするわけです」
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イメージ:Adobe Stock/Stuart Miles
完璧なポッドキャスト用オーディオトラックを作るには?
他の楽曲素材(広告用の同期トラックや映画用のオーケストラ演奏曲など)と異なり、ポッドトラック用素材は、特徴的な要素をいくつか備えておく必要があります。
その1:柔軟性
まず、1本のトラックまたは1セットのトラックが持つ「柔軟性」が挙げられます。
「制作に使う材料にいろいろなオプションを用意しておいて、全体的に筋の通ったものに仕上げる必要があります」とSlitzky氏は言います。「技術的な話で言えば、1本のトラックに含まれる様々な要素をばらばらにして、ポッドキャストのいろいろな部分にはめ込んでいくということです。例えば、オープニングの部分ではそのトラックのドラム演奏だけをBGMに使い、最初のコーナーに移る部分ではトランジションとしてボーカルやベース、メロディを足していくといったオプションが考えられます」
このようにトラックを自由に扱えれば、(特に制作過程の編集段階では)大きなアドバンテージになるでしょう。大人気を博しているポッドキャストの『Serial』や『This American Life』の場合、Tim Grieving記者がLA Timesの記事で説明しているように、「フリーランスの作曲家が山ほど楽曲を書いていますが、具体的にどこで使うかは決まっておらず、話のテーマを知らないことさえあります。それを後でプロデューサーが編集して自由に配置し、番組の曲を共同制作するわけです」(この点に関して言うと、Adobe Stockのポッドトラックのオーディオ素材はレイヤーになった状態でダウンロードできるので、ミキシングやコンポジションでの操作性に優れています)
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イメージ:Adobe Stock/Ivan Gener/Stocksy
その2:構造
しっかりとした「構造」も、優れたポッドトラックには欠かせない要素です。
「1曲の長さは2分ぐらいで、曲の始まりと終わりがはっきりしているのがいいですね」と語るのは、『This American Life』と『Serial』で作曲を担当するMatt McGinley氏(こちらもLA Timesの記事より)。「少なくとも1か所、音楽的な変化が必要です。曲のなかで盛り上がりみたいなものがあれば最高ですね。それ以外は自由に作ればいいと思います」
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イメージ:Adobe Stock/Good Studio
オーディオ要素の微調整
自由に作るにしても注意すべきことはいくつかありますが、何に注意すればよいかは構造を考えればおのずとはっきりします。
『This American Life』と『Serial』のトラックを手がけ、ポッドキャストの『S-Town』を制作したミュージシャンのDaniel Hart氏が、ポッドキャストの曲に求められる複雑さについて、2017年にPitchforkのJordan Kisner記者に説明しています。「ポッドキャストのBGMを作る際には、やや厳密な形式に従うことが求められます」とKisner記者は書いています。「Hart氏の説明によると、最も使いやすいのは90秒から2分30秒の長さの曲で、イントロの部分、すべての楽器が揃って盛り上げるサビの部分、そのサビをやや抑えたアレンジで繰り返す部分、そして納得のいく終わりの部分という、それぞれエネルギーの異なる部分の区切りがはっきりしている曲とのことです。音楽には山と谷が必要で、それがあってこそ”ストーリーのリズムに共鳴する”とHart氏は語ります」
曲に雰囲気や抑揚があるのは良いのですが、すぐにイメージがはっきりつかめるようにすることが必要です。
「これは実際、その曲をポッドキャストでどう使うか、どんなムードを作りたいかによります」と、Adobe Stockオーディオと提携しているJamendoの音楽・アーティストサービス部門を率いるCyrille Mailliard氏は言います。「ですが、ほんの数秒、最初の数音で、そのムードが作れなくてはなりません」
いかがでしたでしょうか?
Adobe Stockの音素材はサブスクリプションプランでもご利用いただけますが、ビデオ作品と合わせてお使いであれば、クレジットパックがお勧めです。事前に購入したクレジットを好きな時に好きなアセットに交換して使えるだけ、まとめて購入することでお得にご利用いただけます。詳しくはAdobe Stockのプランページを御覧いただき、最適なプランをお選びください。
この記事は2021年4月13日にRF Jurjevicsより作成&公開されたSignature sound: Podcast scoring with Adobe Stock audioの抄訳です。