Apple M1チップにネイティブ対応したAdobe Premiere Proベータ版の最新ベンチマーク結果の紹介

Apple M1チップで動作するAdobe Premiere Pro ベータ版についてご紹介いたします。XAVC Sの4K映像の読み込みは187%、ProRes 422へのエンコードは129%高速化しました。iPhoneの4K映像(60fps)のような負荷の高い高圧縮フォーマットでも、Adobe Premiere Proのタイムライン上でスムーズに再生できます。

Apple M1 Macbook Proで動作中のAdobe Premiere Proベータ版

Apple M1チップで動作するAdobe Premiere Proのパフォーマンスは、昨年2020年12月に最初のパブリックベータ版を公開した時点からすでに目を見張るものがありましたが、この記事では、フランスのコンサルティング企業Pfeiffer Reportによる最新のベンチマークが示す、さらなるパフォーマンスの向上についてご報告します。今回のバージョンでは、最初の起動から最後の書き出しまで、すべてが高速化されています。同等のインテルベースのシステムと比較した場合、平均で77%も高速化しており、非常にスムーズな編集を実現しています。

最新のハードウェアの活用について長年取り組んできた私たちは、Adobe Premiere Proベータ版でも新しいAppleのアーキテクチャを深く掘り下げています。その目的は、ハイエンドワークステーションに匹敵するパフォーマンスを持つ新しいM1チップを搭載したMacを活用し、エディターやクリエイターが大きなプロジェクトに取り組めるようにするためです。Pfeiffer Reportのテストでは、読み込み、再生、書き出しにおいて顕著な改善が見られました。例えば、XAVC Sの4K映像の読み込みは187%、ProRes 422へのエンコードは129%高速化しました。iPhoneの4K映像(60fps)のような負荷の高い高圧縮フォーマットでも、Adobe Premiere Proのタイムライン上でスムーズに再生できます。

その他のハイライト

Apple Neural Engineに最適化されたAdobe Sensei

Adobe Premiere Pro ベータ版は、Apple M1チップセットのあらゆる要素から力を引き出すことで、上述した以外の分野でも輝きを放っています。Adobe SenseiのAIとML機能をApple Neural Engine用に最適化したことにより、一段上のパフォーマンスが得られました。例えば、Adobe Senseiを搭載した「シーン編集の検出」機能は、Apple M1 13インチMacBook Proでは、同じ仕様のIntelプロセッサ搭載システムと比べて少なくとも430%高速化します。また、Premiere Proの設計をM1チップのユニファイドメモリに合わせて調整することで、アプリケーション全体の効率が向上し、アドビ社内のテストではバッテリー駆動時間も大幅に長くなりました。

Apple M1チップでは、Adobe Senseiを搭載したシーン編集検出が少なくとも430%高速化します

テスト内容

Pfeiffer Reportでは、2TBのSSDハードドライブを搭載した同等の13インチMacBook Pro 2台でPremiere Proベータ版を比較検証しています。M1チップ搭載システムは、8コアのCPUとGPUを備えたApple M1チップセットと16GBのユニファイドメモリを搭載しており、Intelベースのシステムは、2.3 GHzのクアッドコアCPUと16GBのオンボードメモリーを搭載していました。

テストでは、25、50、100pのXAVC 4Kメディア、およびXAVC S-I 4K 50p、ProRes 422、iPhone 12(HEIC)の4K映像を使用しました。Pfeiffer ReportによるM1チップのベンチマークテストと結果の詳細については、こちらをご覧ください。

注:H.264とHEVCについては、すでに組み込み済みのIntel Quick Sync最適化により、エンコーディングパフォーマンスの向上はわずかなものでした。しかし、ここでもApple M1チップのAdobe Premiere Proがわずかながら優位に立ち、テストしたすべてのフォーマットで再生が一様に向上しました。

実際にお試しください

Apple M1チップにネイティブ対応したPremiere Proの製品版は近日公開を予定していますが、現時点でもベータ版をお試しいただけます。詳細はPremiere Proベータ版フォーラム(英語)をご覧ください。Apple M1チップにネイティブ対応したPremiere Proベータ版は、Creative Cloud デスクトップ アプリケーションから直接インストールすることができます。

この記事は2021年6月8日(米国時間)に公開された Premiere Pro Beta on Apple M1: The results are in の抄訳です。