PDFしか残っていない以前の書類を再利用したい
元データがなく、先方に送ったPDFだけが残っているような場合、書類の再利用は難しいように思われます。しかし、Acrobatを使えばPDFのまま編集することも可能ですし、WordやExcelで編集可能なファイルに書き出すことも可能です。つまり、WordやExcelに書き出したものを再編集して、再利用することが可能になります。
ここは、都内のとあるイベント会社。
新入社員のA君は、またまた悩み事があるようです。
（A）先輩、ちょっといいですか。
（B）どうした？
（A）じつは、前任者から引き継いだスライドがあるんですが、PDFしか残っていないんですよ。
（B）元々は、何で作られていたファイルなのかな？
（A）多分、PowerPointで作られていたファイルからPDFを書き出したんだと思うんですが…
（B）じゃあ、ちょっと見てみようか。
（A）はい。
（B）Acrobatで「文書のプロパティ」を確認してみようか。
（A）プロパティを確認すると、作成したアプリケーションが分かるんですね。あっ、PowerPointになってます。
（B）なら、大丈夫だ。かなりの精度でPowerPointに再変換できる。
（A）良かった〜。これで最初から作り直さなくて済みます！
（B）ファイルメニューから「書き出し形式」→「Microsoft PowerPointプレゼンテーション」を選べばOKだ。
（A）へー
（B）あとは、保存先を指定する。
（A）うわっ、問題なく変換できました。
（B）簡単だろー
（A）はい。ほぼ問題なく変換されているし、共通のデザインはちゃんとマスターページとして反映されるんですねー。
（B）そうだ。
（A）これなら、新しく変更するところを追加するだけで、問題なく作業を終えられそうです。
（B）WordやExcelにも書き出せるから、PDFしかなくて困った時には試してみるといいよ。
（A）はい、ありがとうございます。
（B）あっ、ただし、PDFならどんなファイルでも同じことができるわけではないから注意してな。
（A）最初に書き出したPDFの品質が大事ってことですね。
（B）そうだ、分かってるじゃないか。
（A）これで、徹夜しなくて済みそうです！
（メリット1）PDFをOfficeファイルに変換する
PDFからOfficeソフト（Word、Excel、PowerPoint）で編集可能なデータに書き出すことが可能です。PDFの書き出し元であるファイルが見あたらないような場合でも、一から作成し直す必要はありません。高い品質でOfficeファイルに再変換できます。ただし、OfficeファイルからPDFを書き出した際に、確かな品質でPDF化している必要があります。どんなファイルからでも、高品質なOffice形式ファイルに書き出せるわけではないので注意してください。
Acrobatの「書き出し形式」には、「Microdoft Word」「スプレッドシート」「Microdoft PoertPonitプレゼンテーション」が用意されており、PDFからOfficeソフト用のファイルを書き出せます。
（メリット2）文書のプロパティを確認する
AcrobatでPDFを表示させ、ファイルメニューから「プロパティ」を実行すると、そのPDFがいつ、どのアプリケーションから、誰によって作成されたのかといった「PDFの概要」を知ることができます。さらには、PDFのセキュリティの状態や使用しているフォント等の情報も確認できます。
「文書のプロパティ」ダイアログでは、PDFの作成日や作成元のアプリケーション、使用フォント等が確認できます。
元データがない場合にはPDFから書き出す
PDFを作成した元のOfficeファイルが見当たらなかったり、他の人からもらったPDFをOfficeソフトで編集したいといったケースは意外とあるのではないでしょうか。Acrobatを使用すれば、PDF自体を編集することもできますが、Officeソフトのように自由に編集できるわけではありません。アプリケーションには、それぞれ得手不得手があるので、Officeソフトで編集した方が便利なケースでは、PDFからOfficeソフトで編集可能なファイル書き出すとよいでしょう。ただし、PDFであればどんなファイルからでもうまく書き出せるわけではないので注意してください。
「Acrobatを使ってみたいけど、契約していない…」という方には、無料かつブラウザー上でファイルを変換できる Acrobat オンラインツールをおすすめします。
なお、まだまだ紹介していない機能もたくさんあるので、順次、この連載でご紹介していきます。お楽しみに！
参考URL（簡単使い方ガイド）
参考動画URL（機能別使い方動画）
【Adobe Acrobat ことはじめ】9. 書き出し機能