アドビ、Adobe Experience Cloudアプリケーションを拡張する開発者向けの新たなイノベーションを発表

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新しい開発者用フレームワークApp Builderが、開発者の負担を軽減。

変化のめまぐるしい今日のデジタルファースト経済では、あらゆる企業が新しいデジタルツールを導入し、顧客体験の強化を図りながら進化しています。この急速な進化は、規模を問わずすべての企業にイノベーションをもたらしますが、それを維持するためには不断の反復改善が必要です。

イノベーションの競争において企業が直面する大きな課題は、オンプレミスであってもクラウドであっても、異なるインフラやアプリケーションが同居するハイブリッドな環境を扱わざるを得ないということです。そして多くの場合、レガシーシステムと最新システムを同時に統合することになり、開発者の負担につながります。変化し続ける顧客ニーズに対応して収益化を図るために開発者が戦略的な役割を担う企業が増えた今日、これは好ましいことではありません。

絶え間なく変化する環境の中で、開発者たちは市場投入までの時間短縮と高効率化のプレッシャーに晒されています。ところが、現在彼らが使えるツールには制約があり、非効率的であるため、APIコールの実装を開始してから最初の呼び出しが可能になるまでに、平均で2〜5時間もかかっています。

アドビはこうした開発者の進化するニーズに対応し、その成功を支援するために、Adobe Experience Cloud含まれる顧客体験管理アプリケーションの機能を拡張して、既存システムと統合するための完全な開発者用フレームワークを用意しました。それが新しい「Adobe Developer App Builder」です。アプリ開発にかかる時間を数日からわずか15〜30分にまで短縮できるもので、過去にアドビが開催した数々のハッカソンでも実証されています。

App Builderは、2021年12月からAdobe Experience Managerお客様に提供を開始し、それに続きAdobe CommerceおよびAdobe Signお客様にも提供を予定しています。この機能は、お客様が既存のインフラストラクチャを利用して、アドビ製品とシームレスに連携する統合アプリケーションやカスタムアプリケーションを構築する際に役立ちます。なお、アドビのトライアルプログラムを活用すれば、すぐにApp Builderを使い始めることができます。最新のクラウドネイティブなテクノロジースタックを用いる本機能は、コンテンツおよびデジタルアセットの管理のための強力なソリューションであるAdobe Experience Managerを、お客様の既存のインフラストラクチャ上に展開可能にするだけでなく、独自のパラメータをUIに適用して組織に合わせたルック&フィールを実現できる一連のツールとサービスも提供します。

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分散化した開発チームが以前にも増してタイトなスケジュールでイノベーションを実現するために、コラボレーションが重要視されるようになりました。そしてそのような状況に置かれた今日の開発者は、機能豊富なツール群とカスタマイズのできる柔軟性を求めています。アドビは開発者に焦点を当て、以下のようにUX、コアサービス群、ミドルウェア群に拡張性を導入することで、彼らが時間を節約しつつより効率的にアプリケーションを開発できるよう支援します。

  • UXの拡張これにより開発者は、ユーザーが目にするあらゆるUIのルック&フィールを、多様なビジネス領域を横断してコントロールすることができます。例としては、カスタマイズされた営業ダッシュボードや、データの読み込みと表示をビジュアル表現するUIなどが挙げられます。また、開発者は、特定のデジタルプロパティ(顧客向けサイトやアプリなど)、ストアフロント、バックオフィスアプリケーションを、それぞれのビジネス形態にとって最も意味のあるUXで構築することができます。
  • コアサービス群の拡張開発者は、Adobe Experience Managerで設定した標準ワークフローに、追加のカスタム機能やビジネスロジックを実装できるようになります。
  • ミドルウェア群を通じた拡張Adobe Experience Managerを既存のバックエンドシステムと連携させることができます。例えば、カスタムコネクタを使用してAdobe Experience Managerを外部のエンタープライズシステムに接続したり、あらかじめ用意された各種統合機能を利用したりすることができます。つまり、App Builderは、開発者がAdobe Experience Managerアプリケーションのパフォーマンスや動作を強化するにあったって、カスタム機能を構築する接続フレームワークとして使えるのです。

最新のクラウドネイティブなテクノロジースタック

App Builderの高度な機能を実現するために、アドビはオープンソースならびにサーバーレスのアプローチを採用しています。お客様のニーズに応じて簡単に交換できる一連のクラウドサービスを組み合わせて使えるようにすることで、モジュール化による非常に高い柔軟性を実現しました。さらに、コマンドラインインターフェイスだけでアプリの構築・検証・実装が可能な開発者ツール、アドビのソリューションと容易に統合できる構築済みライブラリを提供するSDK、バックエンド接続などの主要機能により、開発者のワークフローを合理化し、効率性を高めます。

いち早くApp Builderに触れたベータユーザーからは、以下のように時間の短縮、使いやすさなどのメリットが報告されています。

  • Accent Groupのソリューションアーキテクト、アニ ヴァサント ウマシグ(Anil Vasant Umachig)氏:「これまでは、自社開発のツールを使ったり、時には複数の技術を組み合わせてシステムを構築したりして、ローカルのマシンやサーバーで利用できるようにしていました。App Builderのように統一されたプラットフォームは、データチームのこれまでのやり方を大きく変えてくれる素晴らしいフレームワークです。クラウドネイティブなカスタムメイドのアドビアプリの開発はもちろんのこと、さらに重要なのは、部署や担当が異なる幅広いビジネス関係者それぞれの要件に沿ったマイクロサービスの開発にも役立つのです。」
  • NetCentricの元CTO、 コンラッド ヴェルトゲ(Conrad Wöltge)氏:「App Builderの次の展開が待ち遠しく、多くのアドビプロジェクトでこのスタックを使用することを楽しみにしています。」
  • Raiffeisen Schweizのデジタルアナリティクスコンサルタント、ウルス ボラー(Urs Boller)氏:「App Builderを使って、AEM以外のアドビ製品のカスタムアプリやワークフローを構築する新しい方法をすでに検討しています。可能性は無限大です!」

開発者向けのApp Builderは、その機能のすべてを最先端のクラウドネイティブなアプローチで提供することにより、オーバーヘッドを減らし、統合を容易にし、大幅な時間短縮を実現します。また、アドビソリューションを扱い慣れた開発者であれば、App Builderに含まれるアドビのSDKを使用して、アドビのアプリケーションを迅速かつ容易に統合することができます。

App Builderを試すには、以下のリンクからトライアルプログラムにお申し込みください。

http://adobe.ly/appbuilder-trial(英語)

その他のメリットは以下の通りです:

  • 開発者向けツール群UXモデリングツール、IDEプラグイン、コマンドラインインターフェイス、その他のツールが相互にシームレスに連携し、カスタム開発したUXのデバッグ・テスト・デプロイメントを支援します。
  • 組込み済みライブラリさまざまなアドビソリューションと統合できるSDK用意しています。例えば、Adobe Experience ManagerとAdobe Analyticsの統合により、より効率的にデータをアプリケーションに返すことができます。
  • 「Spectrum」UIフレームワークアドビ製品と同じルック&フィールを持ち、一緒に使って違和感のないUXを実現します。
  • クラウドサービス群カスタム開発したUXの実行、管理、トリガー、および最適化のための各種サービスが提供されています。

詳細については「アドビの開発者向けApp Builderを使用したAdobe Experience Managerの拡張(英語)をご覧ください。

Adobe Experience Managerのその他のイノベーションに関する参考情報

今日の消費者は情報にリアルタイム性を期待しているため、企業はより多くのコンテンツやデジタル体験を、今まで以上の多くのチャネルを活用して提供しなければなりません。しかし、これまでデジタル体験の開発にはITチームとの密接な連携が不可欠であり、そのため企業が新しいコンテンツをタイムリーに発信することは困難でした。そこでアドビは、Adobe Experience Manager Sites新機能「クイックサイト作成」を導入し、マーケターがマイクロサイトやキャンペーンページといった顧客体験を数日で設計できるようにしました。テンプレートを活用した新しいUX作成のアプローチにより、マーケターはコーディングやバックエンドの開発を行わずにエンドツーエンドでプロセスを完了できるので、IT部門や開発者はその分の時間を他の部署の支援に割くことができます。Adobe Experience Manager Sitesの「クイックサイト作成」機能の詳細については、こちらのブログ記事(英語)をご覧ください。

その他の参考記事:

Adobe I/OのAPIを活用してAEMaaCS Assets(クラウドサービス版AEM Assets)の書き出しをリアルタイムまたはバッチモードで実装する方法(英語)

Adobe Developer App BuilderでパーソナライズされたUXを実現する方法(英語)

※本記事は、2021年10月5日にアドビが投稿したブログ抄訳版です。

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