Adobe MAX 2021:InDesignがより速く、さらに使いやすくアップデート
Adobe MAX 2021におけるAdobe InDesignの新機能をご紹介します。Apple Silicon M1にネイティブ対応し、今までより格段に高速化しました。「Adobe Capture」と統合し、InDesign上で直接カラーテーマやベクターシェイプを作成したり、おすすめのフォントを探したりすることができるようになったほか、様々な機能を新しく搭載しました。
InDesignは、印刷物かデジタルかを問わず、美しいドキュメントを作成できるパワフルなレイアウトデザインツールで、電子書籍、デジタルマガジン、インタラクティブなオンライン出版物やレポート、さらにはオーディオ・ビデオ・スライドショー・アニメーションで読者を惹きつけるホワイトペーパーなどの新しいメディアの登場に伴い、それらリッチなエクスペリエンスをデザインするための業界標準ツールへと進化してきました。そして本日、Adobe MAX 2021において、私たちは最新のInDesignを披露しました。
世界中のクリエイターは、プロジェクトをより短期間で仕上げなければならないというプレッシャーを持っています。ニーズの高まりを見せるデジタルコンテンツですが、その制作の過程においてはフィードバックや素材の受け渡しのプロセスが複雑であるため、必要以上に時間がかかっていました。InDesignを日々お使いのクリエイターの皆さんの制作ニーズに応えるには、スピード、パフォーマンス、スムーズなコラボレーションのすべてが重要だということを私たちは認識しています。
登場以来20年以上もイノベーションを推進してきたInDesignですが、その勢いは衰えることなく、私たちは常により良いデザインを目指しています。今年実施するメジャーアップデートでは、ユーザーがさらにコントロールしやすく、クリエイティブなワークフローをより効率的かつ迅速に行えるようにすることに重点を置いています。
この記事では、2021年のInDesignの新機能についてご紹介します。
Apple Silicon M1にネイティブ対応したInDesign
InDesignは、新しいAppleシリコンM1チップを搭載したデバイス上でネイティブに動作するように最適化されており、デザインプロセスのスピードが大幅に向上しています。インテル対応版と比較して59%もの性能向上です。
グラフィックを多用したファイルを開く速度は185%、テキストを多用した100ページのドキュメントのスクロールパフォーマンスは78%向上し、デザインや反復改善の作業がより速く、より効率的になりました。
現実の世界をデザインに取り入れる「Adobe Capture」パネル
InDesignはAdobe Captureと統合され、デザイナーはInDesign上で直接カラーテーマやベクターシェイプを作成したり、おすすめのフォントを探したりすることができるようになり、ドキュメント内のあらゆる画像からインスピレーションを集めることができるようになりました。
InDesignの「Adobe Capture」パネルを使えば、色見本やベクターシェイプの生成に加えて、InDesign独自の新機能として、ラスター(ビットマップ)画像をもとにAdobe Fonts(欧文のみ)のビジュアルサーチによりフォント候補を生成し、クリエイターが類似したフォントを見つけやすくする機能も搭載されています。
キャプチャした要素はすべてCreative Cloudライブラリに保存できるため、いつでもどこでもアクセスできます。
よりスムーズなコラボレーションを実現する、オンライン版「コピー編集」機能(プライベートベータ版)
この1年間、私たちはデザイナーとその関係者がInDesignドキュメントを共有してレビューしたり、フィードバックを管理したり、チームとして効率的に作業する方法の合理化に取り組んできました。
中でも注目すべきは、InDesignにオンライン版のコピー編集機能についての導入をご案内したところ、招待性のベータ版(英語)に5万人ものユーザー様からの登録をいただきました。この機能がいかにユーザー様のワークフローの向上に重点を置いているかをご理解いただくために、主な機能をご紹介いたします。
- デザイナーは、オンラインで簡単かつ安全にドキュメントを共有し、ドキュメント上の特定の領域を指定したうえでコピーライターや編集者にテキストの編集を依頼できます。その際、InDesignをインストールする必要はありません。
- 編集者は、レイアウトやデザインを維持したままブラウザ上でテキストを編集し、変更内容をプレビューできます。
- 編集したテキストは自動的に元のファイルと同期してInDesignに戻されますが、グラフィックデザインの要素はロックされたままなので、デザイナーは安心して作業を進めることができます。何人で編集しても、意図したレイアウトが崩れることはありません。
InDesignのオンライン版コピー編集機能は、ワークフローをよりスムーズなものにします。複雑なプロジェクトでも、他のデザイナー、ライター、編集者、関係者とシームレスにコラボレーションして、最高の作品を一緒に作ることができます。この機能は英語版でベータ版が提供された後、日本向けに拡張する予定もあります。準備ができましたら改めて日本のAdobe Blogでご案内しますのでご期待ください。
業界をリードするツールとしての継続的なイノベーション
InDesignのその他の機能強化として、高解像度ディスプレイに対応するスケーラブルなUIが登場しました。UI要素の拡大率のサポートや、ディスプレイサイズに応じてUIを自動調整するオプションが環境設定に追加され、ページやテキストの編集操作がやりやすくなっています。
また、InDesign全体で使われている用語をよりインクルーシブなものにするための改善も続けています。例えば、「マスターページ」を「親ページ」に置き換えています。
InDesignに搭載されたコラボレーション機能を利用するユーザーは、これまで以上に増えています。InDesignは、印刷用のレイアウトツールとしてだけでなく、豊かなデジタルエクスペリエンスによって人目を引くデジタル出版物を素早く作成し、オンライン流通のためのあらゆるフォーマットで公開できるツールとしての地位を確立しています。
Creative Cloudデスクトップアプリ経由で最新版のInDesignにアップデートいただけます。
この記事は2021年10月26日(米国時間)に公開されたAdobe InDesign at MAX 2021: Faster, more collaborative, more modernの抄訳です。