転職せずにやりたい仕事に就く!
キャリアアップの夢を叶えるアドビの社内異動制度とは?

これは意欲のある優秀な社員がアドビでより活躍できるように、希望する職種やポジションへの異動を応援する制度です。インターナルモビリティを活用し、かねてから興味があったマーケティングチームで活躍している岩野 麻衣さん、異動前のチームの上司で岩野さんの挑戦を応援した山本 雄大さんにお話を聞きました。

「この分野で活躍したい」という強い思いがきっかけに

——一般的に外資系企業の採用というと「職務(ロール)」の専門性を重視していると思います。しかしアドビでは社内人材登用に積極的で、社員が部門を異動して新たな業務や職務にチャレンジするインターナルモビリティを推奨しているそうですね。

岩野氏:はい。私もマーケティング業務に興味があって、今年(2022年)6月にAdobe Marketo Engage(以下「マルケト」)のプレミアサポートコンサルタントからAdobe Experience Cloudを担当するマーケティングチームに異動しました。インターナルモビリティが社内的に推進されていたこともあり、当時のチームの上司だった山本さんには「新しい業務にチャレンジしたい」ということはかねてから相談していました。

山本氏:チームのマネージャーとして週に1度、メンバーと1on1で話す機会を設けています。また四半期に1度にある「チェックイン」では、長期的な自身のキャリアに関する面談があり、そういったコミュニケーションを重ねていました。異なる分野の仕事に興味があったり、キャリアアップのために違うスキルを身に付けたい時、「転職しよう」と考える人は多いかもしれません。その前に活用してほしいのが、アドビの社内異動制度「インターナルモビリティ」です。

——岩野さんはなぜ異動しようと考えたのですか?

岩野氏:新卒でITコンサルティング業界に入り、10年ほど従事した後にアドビに入社しました。最初はテクニカルアカウントマネージャー(TAM)として従事した後、通信会社の法人マーケティング本部に出向し、マルケトなどを使ったマーケティング業務に従事していたんです。そこでマーケティング業務の奥深さや面白さに目覚め、マーケティング分野で働きたいと考えるようになりました。

その後アドビに戻り、マルケトのプレミアサポートコンサルタントとして勤務していたのですが、今年の3月31日に全社メールでAdobe Experience Cloudを担当するマーケティングチームのポジションに空きが出ることを知り、すぐに山本さんに相談したんです。

——やりがいを感じられないなどのネガティブな要因がきっかけではなかったんですね。

岩野氏:まったく違います。出向先ではその企業の一員としてアドビのすべてのツールを使いながら施策を回していったのですが、それが非常に面白かったんです。2年だけで終わってしまったので「もう少しこの分野でやっていきたい」と思っていました。

「異動したい」と相談された時、上司は……

——岩野さんから相談を受けて、山本さんはどうお感じになりましたか?

山本氏:岩野さんが目指すキャリアで活躍してほしいと思う反面、チームから抜けることに残念な気持ちもあったのが正直なところです。

でも、やはり本人が一番輝ける場所に行くのが一番いいですし、実は私もインターナルモビリティの機会を使って、非常に素晴らしい経験を積んだんです。だから「絶対に挑戦したほうがいい」と話しました。

——山本さんもインターナルモビリティで社内異動を経験しているんですね。

山本氏:はい。実は前職は岩野さんと同じ会社で、金融系システムのプロジェクトに従事していました。ポストセールスのコンサルタントとしてシステム導入の要件定義・設計・実装・利活用推進などの業務を担当していました。

アドビに入社したのは2016年で、Adobe Experience ManagerのTAMとしてポストセールスを担当しました。そして3年後、インターナルモビリティを使って今度はポストではなくプリセールスに異動したんです。

——その理由を教えてください。

山本氏:自分自身の経験のキャリアを考え、アドビに入社してからかなり早い段階で、1on1やチェックインで当時のマネージャーに「数年以内にプリセールスのロールのキャリアを積みたい」という相談をしていました。そのタイミングが来たのが3年後だったんです。

ただ今後のキャリアを全てプリセールスとして築いていきたいというわけではなく、プリセールスとポストセールスという2つの経験を積むことで自分にしかない実績やキャリアを掛け合わせ、両方のチームやアドビに対して貢献したいと思ったんです。そしていま、プリセールスの経験を持ってインターナルモビリティでTAMに戻ってきました。

——ご自身の経験があったからこそ、岩野さんの挑戦を応援したんですね。

山本氏:非常に良い経験をしたと思っています。アドビも採用時にはその人の専門性を評価していると思いますが、いまはキャリアパスが本当に多様化している時代です。インターナルモビリティを活用して経験やスキルを掛け算していくと、どんどん自分ならではの強みが磨かれ、「この人にしかこれはできない」というスキルが磨かれていくと思うんです。

私自身もプリセールスとポストセールスの経験がそうでしたし、岩野さんもマルケトのコンサルタントとしての経験を持ちながら、実際にツールを活用してマーケティング業務に従事していますし、岩野さんにしかない掛け合わせの実績やスキルを磨いていくでしょう。こうして経験を掛け算しながらキャリアを積めるのは、アドビの魅力だと思います。

インターナルモビリティ成功の鍵は普段のコミュニケーション

——岩野さんは普段から山本さんにインターナルモビリティについて相談していたこともあり、異動希望を告げることにあまりハードルはなかったんですね。

岩野氏:普段から仲良くさせていただいており、毎週の1on1で考えていることは正直に伝えていました。そのためポジションが空いた瞬間にすぐに相談したという感じですね。

山本氏:やはり人間関係なので、前触れなく突然「異動したい」といわれると少しぎくしゃくしてしまいますよね。それで前の部門との関係が途絶えてしまったら、自己責任とはいえもったいないと思います。自分がやりたいことができるように、自分の考えをまわりと共有しておくことは、スムーズにインターナルモビリティを進めるために必要です。

——実際の異動期間はどれくらいかかったのですか?

岩野氏:自分が抜けてしまうので、ヘッドカウントを調整いただきました。私にあまり心理的な負担をかけないように、配慮いただいたと思います。

また、異動先のメンバーの方や上司の方との面談も3〜4回ありました。こちらの希望と異動先でミスマッチがないように、思っていることと合致しているのか、どういうことがやりたいのかをきちんと確認し、異動することができました。引き継ぎなどもあり、希望を出してから異動するまで2カ月ほどかかったと記憶しています。

——山本さんはどのようにフォローしたのでしょうか?

山本氏:インターナルモビリティはお互いのチームにとっての大きな話になります。外から採用するよりも、内部ですり合わせをした方が認識の齟齬もないですし、その人の人柄も共有できるので、お互いクリアな状態で安心して業務に就くことができます。私も異動先のマネージャーの方と何度かミーティングを持ち、受け入れ先の部署の方も「岩野さんならできる」と判断して快く受け入れてくれました。

一方で、先ほど岩野さんから話にあったようにヘッドカウントの調整があったので、異動先のチームと実際の異動日を相談し、2カ月後ということになりました。これでスムーズに異動したのですが、私はずっと「岩野さんなら大丈夫」と思っていたんです。どちらかというと、抜けることになるチームのフォローに気を配りました。やはり、異動を聞いた時の私と同じように、チームメンバーも応援する気持ち、残念な気持ちの両方あると思ったんです。そこをいかにポジティブに転換し、送り出すことができるかが大切です。

私もマネージャーなので、優れた人が異動することを惜しむ気持ちがある反面、このチームに新しい風、新しいスキルの人が来てくれることへの期待があります。熟練者のチームは知見を蓄積できますが、逆に凝り固まってしまうというリスクもあるからです。チームメンバーとは「新しい風が入ることで、サービスの幅が広がったり、何か良い変化が起きるのではないか」と話す機会を設け、双方に良い成果となるようにフォローしました。

インターナルモビリティの勧め

——いま岩野さんはどんな業務を担当しているのでしょうか。

岩野氏:Adobe Experience Cloudを担当するマーケティングチームで、製品のナーチャリング全般に関わっています。主にメール施策やコンテンツ系の施策を担当しています。

——異動されたばかりですが、今後どのようなキャリアを築いていきたいですか。

岩野氏:まずは現在の部署で成果を出していくことが目標です。ただマーケティングチームにジョインしたことで、グローバルチームとの接点が大きくなり、今後はグローバルとの繋がりを深め、海外のオフィスにも行ってみたという小さな夢はあります。

——2度のインターナルモビリティを経て山本さんの今後の目標もお聞かせください。

山本氏:ポストセールスでの経験を踏まえてプリセールスに異動した時のことですが、導入後の運用や利活用を含めた提案を出し、お客様から高い評価をいただいたんです。バックグラウンドが異なる人が一緒に働いている環境は組織にとって力強いと実感しました。私は異動していい成果を出せましたし、組織にとって特異な人材になったと思います。

ただそれは自分ひとりだけのものではなく、掛け算していくにはやはり異動前のスキルやチームを“捨てる”のではなく、つながりを持ち続けて会社のために生かしていくことが大切です。そんな挑戦をする人を応援していくチーム作りをしていきたいですね。

——最後に、インターナルモビリティを考えている人にアドバイスをお願いします。

岩野氏:新しい環境や仕事に挑戦したいけど、やはりハードルを感じる人もいると思います。でもアドビの社員は概してオープンで壁がないので、新しい関係性を築くことは問題ないと思いますし、躊躇せずにチャレンジしてみるのは良い経験になるはずです。

山本氏:インターナルモビリティは、社内異動とはいえ「半分は転職みたいなもの」と捉えたほうがいいでしょう。思いつきの行動は誰も幸せにならないので、自分のキャリアと会社に対してどのように貢献できるかという点をしっかり考えることが必要です。

アドビのインターナルモビリティはとても充実していますし、貴重な優秀な人材が新たな領域で活躍していけるというのは会社としても大歓迎なので、挑戦してください。