Adobe Stock 作品販売を始めよう #2 :制作プロセスを最適化する

クレジット: Adobe Stock /Hero Images

このブログシリーズではAdobe Stockで作品販売を始める方に効率的に売り上げアップしていただくための5つの基本的な考え方をご紹介します。第2回目は、Adobe Stockでの売り上げアップと成長についてです。

写真とビデオのベストプラクティス

ご存じのよう、写真やビデオ作品の制作には、コストと時間がかかる傾向があります。無駄なく撮影の機会を活用できるよう、入念な事前準備をおこないましょう。実際の制作プロセスを開始する前に、ロケーション、小道具、モデルをどのように使用するかを考え一日の撮影プランを計画することをお勧めします。

クレジット: Adobe Stock / Santi Nunez/Stocksy

ロケーション

撮影前に撮影場所をチェックしてください。汎用性があり、多彩な撮影が可能な場所を見つけましょう。時刻によって自然光がどのように変化するかも把握します。必要に応じて、太陽が昇る場所と沈む場所も確認しておきましょう。その場所でできるだけ多くのバリエーションを撮影できるよう、モデルや衣装を変更したり、異なるアングルや視点を取り入れましょう。

撮影を開始前には、撮影場所を整える時間を計画にいれましょう。撮影場所の掃除や、画面の中で不要となる要素を除き、目を引くオブジェを追加します。アート作品が映り込まないよう注意したり、ブランドが特定できるアイテムや洋服や靴のロゴを隠したりすることで、知的財産権の問題を回避しましょう。最初に少し時間をかけることが、最終的に大きな効果をもたらします。

モデル

多様性や自然さを考慮し、適切なモデルを丁寧にキャスティングしてください。モデルは必ずしもプロである必要はありません。撮影の前にモデルの立ち位置を整え、時間的や空間的な余裕を与え、カメラを向けられることに慣れてもらいます。

モデルの服装が撮影に合ったものになるよう、撮影テーマを事前にきちんと説明し、用意してもらいたい衣装や小物についてすり合わせをしておきます。モデルがリラックスできる衣装を選び、なおかつ、服装がストック作品にふさわしいことが重要です。制作したコンテンツがすぐに時代遅れならないよう、シンプルでブランドなどのロゴがなく、特定の時代を感じさせない服装を常に目指しましょう。

撮影が始まったらディレクターになったつもりで、モデルが自然に演じられるよう促します。過剰な演技は必要ありません。モデルが特定のシーンで苦労する場合は、同じような状況に遭遇した場合、普段どのように行動しているかを思い出してもらいましょう。対話から信頼関係を構築し、モデルをリラックスさせるよう意識しましょう。

モデルに共感を示す姿勢も重要なポイントです。モデルの民族性、文化的背景、独自性について会話し、できるだけ多くの正確な情報を集め、作品の中にそれらを適切に表現しましょう。このことは、Adobe Stockに作品をアップロードする際、適切なキーワードを制作する際にも役立ちます。

ただし、人種、文化、性別など個人的な事柄について話をするときは、十分な気配りが必要です。これらの事柄について話すことに熱心でオープンなモデルもいますが、そうではない方もいます。多くの場合は、正確に表現しようと努力するクリエイターの姿勢を、モデル側も十分に尊重してくれるので、真摯に向き合ってください。

一方、肌は質感を重視します。被写体によっては、シミや皺が重要な要素になることもありますが、意図しないシミをきれいにする場合もあるでしょう。その場合は、Adobe Lightroomのようなアプリを活用し、審査前にすべての作品を管理、編集、整理し、効率良く作業を行うことが可能になります。

クレジット(左から右): Adobe Stock / Image Source , Adobe Stock / Milou Dirks

ストーリーボード、ショットリスト、およびビジュアルムードボード

繰り返しになりますが、事前の準備がすべての鍵を握ります。あらかじめ十分な計画をおこない、場当たり的な撮影は避けましょう。

おすすめは、きちんとストーリーボードを用意しておくことです。撮影したい作品のテーマと大まかなタイムラインを「ショットリスト」として書き出しておきます。何を撮影したいかをリスト化しておくことで抜け漏れもなくなり、とっさの計画変更にも対応がしやすくなります。

また、Adobe Expressのビジュアルムードボード(英語版)を活用することもお勧めです。参照画像を使用して、自分が目指すものをクリアにしておきます。制作が行き詰まったときは、ムードボードからインスピレーションを得ることができます。参照画像は、再現したい実際のシナリオ、被写体の全体的な雰囲気、あるいは単なる照明の参考情報、ポーズ、アングル、構図など、どのようなものでも構いません。

こういった資料は、撮影メンバーに共有して撮影を開始しましょう。様々な小道具を準備しておき、実際の撮影中に内容変更したい場合は、その場ですぐにショットリストも変更します(後でメタデータを制作する際にとても役に立ちます)。たくさんのバリエーションを一つの撮影から生み出せるように配慮しましょう。ただし、投稿する写真は慎重に選択し、多くの写真の中から最も優れた作品のみを選んでください。

ビデオは、長さが5~60秒になるように意識してください。音声は必須ではありません(環境音が作品の魅力を引き立たせる場合は残しておいてもよいでしょう)。また、ショットディスタンスが異なる様々なバリエーションを用意すると、購入者の選択肢を増やすことができます。目標は、ビジュアルの選択肢を最大限に増やすこと、顧客のストーリー制作における可能性を最大限に高めることです。

ポストプロダクション

撮影した素材を最大限に活用して、様々なバリエーションの作成を検討してください(例えば、撮影時に設定した各コンセプトから縦長、横長、パノラマを制作するなど)。ただし、類似する作品を数多く作りすぎないように注意してください。審査チームによってスパムと認識される場合があり、アカウントのブロックや永久的な閉鎖につながるためご注意ください。

編集はシンプルかつクリーンに仕上げることを心がけましょう。過度のHDRやフィルター、オーバーサチュレーション、またはクリエイティブな意図の感じられない、わざとらしいビンテージ感や、くすみのあるスタイルは避けます。できるだけ自然で、洗練された状態に仕上げます。編集が少ないほど効果的です。作品を購入するクリエイターは、担当しているブランドやキャンペーンの雰囲気にマッチするよう、自分で補正します。そういった補正が難しくならない編集の余地を残しておくことを意識しましょう。

クレジット(左から右) : Adobe Stock / La Cassette Bleue, Adobe Stock / Julia, Adobe Stock / leila_divine

イラストとベクターアートに関するベストプラクティス

多くの購入者は、関連性と統一された美しさのある複数の作品を探します。そういったニーズを満たすバリエーションを制作することは、イラストの場合非常に簡単です。

これまで制作した様々な作品の要素を「再利用」し、異なる組み合わせで新しい作品を生み出しましょう。例えば、カラー、ストローク、背景などの属性を変更します。主要なデザイン要素の向きや配置を変えてみます。1つの要素を、複数の作品や様々なコンテキストに使用することを検討します。これらのオプションを複数組み合わせると、作品のバリエーションを簡単に生み出すことができます。

ただし、Adobe Stockチームは同じ作品のカラー、スタイル、構図が異なるバリエーションを3点までしか承認しないことを理解しておきましょう。投稿する前に、当社のベクターとイラストのスパムに関するガイドライン(英語版)で必ず詳細を確認してください。

クレジット(左から右): Adobe Stock / Davide Angelini, Adobe Stock / Kristin Ellis/Stocksy

許可の取得は必須

当然ですが、作品をAdobe Stockで販売するには、モデルから許諾を得る必要があります。ビデオの場合、声から個人を特定できる場合もあるので、音声だけの登場でもモデルリリースが必要です。実際の人物や体の一部にもとづくイラストまたはベクターアート作品の場合もモデルリリースが必要です。

撮影場所についても同様です。識別できる土地や建物、入場チケットを必要とする施設内で撮影する場合、プロパティリリースが必要になる可能性が高くなります。一部の場所では、商業目的での撮影と画像配布に対する許可が必要ですが、これらを許可しない場所もあります。トラブルが発生するのを避けるために、撮影場所の方針を事前に確認してください。

クレジット: Adobe Stock / VISTA by Westend61

“汎用性”+”独自性”=勝利の公式

Adobe Stock向けのコンテンツには、多様な用途に向けて使える汎用性が非常に重要です。必ず事前に計画を立て、購入者がビジュアルをどのように使用するかを考えてください。どのような用途が考えられるか?どのようなクリエイティブに作品が必要とされそうか?購入者が感じるリアリティとは何かや、どのフォーマットが最適か?・・・といったことを常に意識しましょう。

一方、オリジナリティを加えたり、(他の多くの作品と比較し)ご自身の作品に競争力や差別化のポイントがあるか確認することが重要です。撮影場所やモデルの選択による違いや、新鮮なアングルや視点を試すなど、他にはないスタイルの確立と差別化を目指しましょう。ビジュアル制作に関する検討と準備を入念におこなうほど、商業的可能性が高まります。

いかがだったでしょうか?

Adobe Stockにアーティストとして参加されたい方は、こちらからコントリビューター登録をしてください。取り扱われる素材の種類については、各種ガイドラインをご覧ください。皆さんの作品をおまちしています。

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