みんなが尊重し合い活躍できる会社と社会を作ろう!
アドビの社員ネットワーク活動とは?

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アドビには、ジェンダーや身体特性その他のバックグラウンドによらず、誰もが自分らしくあり、互いを尊重し良い影響を与え合える企業文化の実現を目指す「Adobe for All」という理念があります。この理念の実現に向け、同社が中核に据えているのがDE&I(Diversity, Equity & Inclusion)の考え方と活動。DE&Iのカルチャーの社内浸透を促すべく、ボランティア社員を中心に活動が活発化しているのが社員ネットワークである「Women at Adobe」と「Pride at Adobe」です。この2つのネットワークが何を目指し、どのような活動を行っているのか、そしてそれがアドビという会社や参加する社員自身のキャリアに何をもたらすのか、Women at Adobeリーダーの礒貝 美希さん、Pride at Adobeのリーダーの郡山 真美さんに伺いました。

誰もが公平、平等で能力を発揮できる場づくりを目指すネットワーク

——Women at Adobe、Pride at Adobeはどのようなネットワークなのでしょうか。

礒貝:Adobe for Allの理念に基づく社員ネットワークは現在グローバルで8つあります。これまでの社会環境や歴史上、過小評価されたり不利益を被ったりしがちである層に光を当て、 全員が尊重し合う社会の実現をまずは社内を軸足に考え、行動するネットワークです。日本では女性活躍支援 のWomen at Adobe、 LGBTQIA+ の方への理解促進支援のPride at Adobe、障がいのある方の活躍支援の Access at Adobe の3つが活動しています。

Women at Adobeのリーダーのひとりである礒貝 美希さん

——Women at Adobeはどのような目的の下に活動しているのでしょうか?

礒貝:このネットワークでは「すべての女性が自分の“成功”を定義し、それを実現できる環境を作る」ことを目的に世界各国のアドビで連携しながら活動しており、日本では2023年1月から本格スタートしました。Womenという名称ではありますが、当事者としての女性だけではなく、ネットワークの目的に共感し支援をしてくれる方々と広く活動していくことを目指しています。そしてそうした理解者ともネットワーキングし、学びや議論する機会を提供することで1人ひとりが設定した成功に向け、お互いに支え合い、刺激を受けながら生きていく会社と社会づくりに貢献したいと考えています。

現在企画立案やイベントの実行に関わるコアメンバーは約20名おり、社内勉強会 の開催のほか、社内チャットツールを活用した情報発信に努めています。勉強会やイベントはオープンなので、興味があれば誰でもいつでも参加できますが、できるだけ多くの方に興味を持って参加してもらうことが当面の目標です。

——ありがとうございます。Pride at Adobeはどのようなネットワークなのか教えてください。

Pride at Adobeの活動を3人で率いる郡山 真美さん

郡山:LGBTQIA+(Lesbian、Gay、Bisexual、Transgender、Queer/Questioning、Intersex、Asexual、その他のセクシャルマイノリティ)の方たちへの理解促進をテーマにしたネットワークです。アドビが謳うAdobe for Allでは、多様な人々が尊重し合い、みんなが受け入れられることで創造性やイノベーション生まれ、結果的に企業も成長・成功できるという考え方があり、それが行動規範になり、さらにDE&Iにつながっています。Pride at Adobeもそうした理念に立っています。

Pride at Adobeは米国では2015年ごろからネットワーク活動を行っており、日本では2020年ごろにスタートしました。でも、この数年はコロナ禍でなかなか活動できず、リードするメンバーも不在になってしまっていたので、私を含めた3人の有志が集まり、再び今年から活発化し始めたところです。

あらゆる立場の人々が相互に理解・リスペクトし合える社会に

——おふたりは、それぞれどのような問題意識を持ってこのネットワークをリードしようと考えたのでしょうか?

礒貝:私は2015年にアドビに入社し、これまでに産休・育休を2回取得しました。もともとアドビの産休・育休制度は非常に手厚いのですが、何よりも周囲の皆さんがとても協力的で、復職後の仕事の現場でもあらゆる場面でサポートいただきました。私も仕事にやりがいや手応えを感じましたし、今も仕事に対して高いモチベーションがあります。

とはいえキャリアや働き方を考えるうえで、「女性=仕事と家事・育児の両立」だけが正解ではありません。コロナ禍で働き方も大きく変わり、「自分らしく働くこと」「自分の能力が最大限発揮できる環境とは」ということに目が向けられるようになりました。そうしたことを議論し、誰もが自分らしく働ける環境を実現することが未来に向けて大切なことだと考えています。そしてそれが、アドビだけでなく、ほかの企業や組織にも波及することが、これからの社会がより前に進む一歩になると思います。そのため社員ネットワークだけでなく、企業や組織の垣根を超えてより大きなネットワークをつくっていきたいと考えています。

郡山:私がセクシャルマイノリティに寄り添う活動に関心を持ったのは、礒貝さんと同じく出産・復職がきっかけです。7年前のことですが、やはり当時私も母親としての働き方に悩んでいました。その時に私のことを最も理解してサポートしてくれたのが、LGBTQIA+の上司だったんです。その上司はワーキングマザーの実体験がある方ではありませんが、私の状況に細やかに気を配っていただきました。私はそれまで「ワーキングマザーの事情は、同じワーキングマザーでないとなかなか理解できないのではないか」と思っていたのですが、当事者ではない人から共感が得られた時の嬉しさ、喜びを実感しました。

だれでも皆さまざまな事情があります。でもその事情が「当事者ではないからわからない」と思考停止してしまったら、分断にしかなりません。当事者以外に理解者・支援者の輪を広げて巻き込んでいかなければいけないのです。

幸いアドビはAdobe for Allの理念を始め、DE&Iを実現していく体制やカルチャーが整っています。Pride at Adobeの活動も今後より積極的に展開していきたいです。

社内外で積極的な活動を展開

——具体的な活動内容を教えてください。

礒貝:Women at Adobeの日本での活動は今年からだったので、まず1月に全社会議で活動のスタートをアナウンスしました。それに合わせ、どんな活動を期待しているのか社員アンケートを取り、その集計を行ったんです。本当にさまざまな意見や想い があることを実感しました。その結果、「女性のキャリアデベロップメント」「ワークライフバランス」「女性のヘルスケア」といったリアリティのあるテーマが集まり、それに関して生の声を聞くために2月にディスカッションの場を設けました。

テーブルを囲んで座っている女性 自動的に生成された説明

ディスカッションイベントの様子

ディスカッションはとても盛り上がりました。「キャリアや働き方も多様でいいんじゃない?」「成功の定義もいろいろだよね」「目指すものが違ってもお互いがリスペクトし合えればいい」などさまざまな意見が出て。この想いを組んで、では横のつながりをどうつくっていくべきか、会社からはどのような実現するためのサポートを提供してほしいかなどを継続的にリードメンバーで話し合っています。

3月はWomen's History Monthであり、8日に国際女性デーがあることから「アドビの女性社員の多彩な 活躍を振り返ろう」「女性のヘルスケアを考えよう」ということで、さまざまな企画を展開しました。ヨガインストラクターの資格を持つ社員によるヘルスケアをテーマにしたセッションを開催したり、20年以上の社歴のある社員のキャリアの歩みをインタビューして配信したり。クリエイティビティを発揮して活躍する女性のビジネスパーソンを紹介するブログ記事も3本掲載しました。

立て続けに多くの企画を実施したので4-5月はイベントはいったんお休みして、リードメンバーは女性向けメディアの勉強会に出たり、他社とのネットワーキングを進めたり、次の企画の構想に充ててきました。

——スタートしてから盛りだくさんの企画ですね。

礒貝:はい。ですが、まだまだできることはたくさんあると考え、次の企画を考えています。

郡山:Pride at Adobeはこれまで大きく2つの活動を企画しました。1つは昨年(2022年)の10月に開催された「Adobe for All Week」でのセッションです。Adobe for All Weekは毎年開催されるグローバルイベントで、1週間にわたりDE&I関係のセッションを展開します。Pride at Adobeでは、セクシャルマイノリティの方に向けた求人情報サイト「JobRainbow」を運営する代表の星賢人さんをお招きし、「LGBTQIA+とクリエイティブ」というテーマで講演していただきました。

この講演では、LGBTQIA+の方々が社会的に置かれている状況などをわかりやすくお話しいただき、またそうした方々に関するメディアやクリエイティブの表現の変化など、アドビの事業に関わる視点からLGBTQIA+を取り巻く環境についてお話しいただきました。

もう1つは今年の4月22日〜24日に開催された「東京レインボープライド2023」の協賛とブース出展です。ブースでは、手軽に利用できるデザインツール「Adobe Express」を利用し、その場で撮影した参加者の方々の写真を加工して「自分自身を表現する」ことをお手伝いしました。

ポーズをとる男女のグループ 自動的に生成された説明

Pride at Adobeのイベント活動の1シーン

——2つのイベントを通じてどんな発見がありましたか?

郡山:講演をお願いした星さんが「誰もが何らかの形でマイノリティ」とおっしゃっていましたが、まさにそのとおりだと思いました。たとえば私も会社ではワーキングマザーですが、暮らす地域では「子どもの母親」という役割のほうが大きい。属するコミュニティによって立場も違ってくるので、何らかの誰もがマイノリティなんです。

東京レインボープライドはとても楽しかったです。本当にいろんな形の愛があるな、と感じるハッピーな体験でした。イベント当日は、40名弱の社員がボランティアとして運営に携わり、従業員間のエンゲージメントが深まったことも、Prideへのアライシップへの関心を頂いたことも素晴らしいと思います。

ネットワーキング活動を通して会社、キャリア、社会に貢献する

——このネットワークの活動は、ご自身のキャリアやアドビという会社にどのように貢献するとお考えですか?

机の上に座っている人たち 低い精度で自動的に生成された説明

今後のネットワーキング活動を社会や仕事にどう還元するかについて語る

礒貝:アドビでは社員1人ひとりが協力的で、何かあるとすぐに手を差し伸べてくれるカルチャーがあります。もともと寛容な社風なので、アドビ自身が「女性を特別に応援しよう」ということをことさら意識はしていないと思います。

ただ、社会やビジネスの進化が加速するなか、アドビのソリューションもどんどん進化しています。この進化に追随するにはさまざまな世代の叡智を結集しないと生き残れなくなるでしょう。世代を超え、ジェンダーを超え、誰もが尊重し合いながら自分の能力を最大限活かせる環境を今こそしっかり構築するべきだと考えています。もちろん会社として女性社員の割合や女性管理職を増やすという目標もありますが、Women at Adobeが目指しているのは、その先にある「次世代を担う人々全員が活躍できる場」です。

活躍の仕方は人それぞれです。これまでの社会慣例や価値観に縛られることなく、いろんなことに挑戦していい。たとえば管理職はとても面白い仕事ですが、残念なことに日本社会全体で見ると「管理職になったら大変」「子どもがいるから無理」と懸念する若手が増えていると見聞きします。でも私は、実は管理職はクリエイティビティを発揮できる面白い仕事だと思っています。Women at Adobeの活動を通じてその面白さや奥深さを伝えていけたら、会社も社会も大きく変わると思うので、そんなアプローチをしていきたいですね。

郡山:私からも2つ、お話ししたいことがあります。1つは採用という観点からの話です。私は採用担当なので、女性管理職や女性社員の採用を行う当事者に当たります。女性社員比率を上げていくには採用を増やすことは大前提ですが、採用して終わりではなく、受け入れ側の体制も変えていかなければなりません。そのため採用を増やしつつ、さまざまなギャップを減らし、活躍しつづけられる体制をどう作っていくかを意識しています。

もう1つは個人スキルの話です。このPride at Adobeの活動を機に考えるようになったのは、人を傷つけない話し方や表現、インクルーシブな話し方の大切さです。「みんなの意見を聞くためには、この話し方が適切なのか」「どんな表現に気を付ければ良いのか」ということに意識を向けるようになりました。それは私のソフトスキルの向上にとても役立っていると思います。このスキルは、将来リーダーとなってマイノリティの方を含め全員が心穏やかに働ける心理的安全性を築いていく時にも貢献してくれると信じています。

礒貝:表現は難しいですよね。Women at Adobe では「女性の活躍」や「女性の働き方」と言うことが多くなりますが、この表現が無意識に人を傷付けたり過剰に違和感を与えたりしないように心がけています。私自身は、ジェンダーによらず誰もが自分らしく能力を発揮できる環境や社会を作ることを目指しているので——、根底にあるものはPride at Adobeと同じだと思います。

郡山:そうですね、目指すものは同じだと思います。

礒貝:将来的には、特定の属性にわざわざ光をあてる必要はなくなって、いろいろなバックグラウンドの人がいて当たり前と誰もが自然に感じている世の中になればいいですね。

郡山:まさにそれが最終ゴールです。誰もが自分らしく、そのままの存在として尊重し合い、創造性を発揮できるように。

——ありがとうございました。