DX道場 ~セグメント・計算指標の基本編~ ③セグメントの条件と演算子

アドビのカスタマーサクセスチームは、Adobe AnalyticsやAdobe Targetをはじめとした、Adobe Experience Cloud 各種製品を使い始めた方向けのコースを中心とした無償オンラインセミナー『DX道場』を定期的に開催しております。このシリーズでは、DX道場の内容を各テーマに沿ってご紹介します。今回は『セグメント・計算指標の基本』コースより、セグメント作成にあたり設定することが出来る「条件」や「比較演算子」についてご紹介します。

セグメントの「条件」とは

セグメントビルダーでは、コンテナに複数の定義を適用させてセグメントを作成することができます。その際、それぞれの定義をどの様に組み合わせるかを指定することができるのが、セグメントの『条件』というものになります。選択できるセグメントの条件は以下の3種類です。

・「および(and)」:すべての条件を満たす場合にデータがフィルタリングされます。

・「または(or)」:いずれかの条件を満たす場合にデータがフィルタリングされます。

・「その後(then)」:連続した行動を条件として設定することができます。

各条件の違いについて

先ほどの3つの条件のうち、どれを適用させてセグメントを作成するかによって、そのセグメントで取得できるデータの内容は変わってきます。それぞれの条件の違いを、「モバイルデバイスタイプ=携帯電話」「モバイルデバイスタイプ=タブレット」という二つの定義を使ってセグメントを作成するケースを例にご説明します。

および(and)を適用させた場合

「および(and)」の条件を適用させた場合、それぞれの定義をすべて満たしているデータがフィルタリングされます。例えばこのケースでは、「携帯電話」と「タブレット」両方からのアクセスが発生した、という定義のセグメントが作成されます。

「または(or)」を適用させた場合

「または(or)」の条件を適用させた場合、それぞれの定義の内いずれかを満たしているデータがフィルタリングされます。例えばこのケースでは、「携帯電話」もしくは「タブレット」のいずれかからのアクセスが発生した、という定義のセグメントが作成されます。

その後(then)を適用させた場合

「その後(then)」の条件を適用させた場合、それぞれの定義の行動が連続して発生しているデータがフィルタリングされます。例えばこのケースでは、「携帯電話」からのアクセスがあった後に「タブレット」からのアクセスが発生した、という定義のセグメントが作成されます(「モバイルデバイスタイプ=携帯電話」 then 「モバイルデバイスタイプ=タブレット」という順序の場合)。

セグメントの条件の適用方法

続いて、実際にセグメントビルダー上でセグメントの条件を設定する方法をご紹介します。まず、適用させたい定義をコンテナにドラッグ&ドロップで持っていきます。ここでは、「モバイルデバイスタイプ=携帯電話」と「モバイルデバイスタイプ=タブレット」という2つの定義を適用させます。

すると、各定義の間に自動的に『および』という表示が出てきます(上図赤枠内)。ここをクリックすると、プルダウンで各条件を自由に切り替えることができます。

比較演算子について

次に、セグメント作成時に使用可能な「比較演算子」についてご紹介します。「比較演算子」を使用することで、ディメンションや指標、セグメントを比較したり制限したりすることができます。例えば、『モバイルデバイスタイプ』というディメンションを適用させた場合、適用される定義の真ん中に、下図赤枠内のようなエリアが表示されます。

このエリアでは、プルダウンで『次に等しい』や『存在する』などを選択できますが、これらが「比較演算子」に該当するものになります。どの比較演算子を選択するのかによって、それぞれ異なった定義のセグメントを作成することができます。

また、定義にディメンションを適用させるのか、指標を適用させるのかによって、選択できる演算子が少し異なってきます。

ディメンションを適用させた場合

定義にディメンションを適用させた場合に選択できる演算子は以下の通りです。

(標準)

・次に等しい

・等しくない

・存在する

・存在しない

(個別カウント)

・次に等しい

・等しくない

・次よりも大きい(>)

・次よりも小さい(<)

・次よりも大きいか等しい(≧)

・次よりも小さいか等しい(≦)

※個別カウント:『個別カウント』の演算子を使用した場合、演算子の対象となるのは任意の「数値」になります。例えば『次に等しい(個別カウント)』の演算子を使って、以下のように「一つのデバイスからアクセスしてきている」という定義のセグメントを作成することができます。

指標を適用させた場合

定義に指標を適用させた場合に選択できる演算子は以下の通りです。

・次に等しい

・等しくない

・次よりも大きい(>)

・次よりも小さい(<)

・次よりも大きいか等しい(≧)

・次よりも小さいか等しい(≦)

・存在する

・存在しない

指標で使用できる演算子の対象となるのは、任意の「数値」になります。例えば『次よりも大きいか等しい』の演算子を使って、以下のように「ページビュー数が3以上」という定義のセグメントを作成することができます。

その他:除外オプション

セグメントビルダーでは「除外オプション」というオプションを適用させ、該当する訪問者や訪問、ヒットを完全に除外したセグメントを作成することができます。例えば、「携帯電話からの訪問」という定義のセグメントに除外オプションを適用させることで、「携帯電話以外からの訪問」という真逆の内容のセグメントを作成することができます。

除外オプションの適用方法

デフォルトの状態では、コンテナの左上には下図のように『含む』という表示が出ています。この状態では、このセグメントは「携帯電話からの訪問」という定義になっています。

ここに除外オプションを適用させて、「携帯電話以外からの訪問」という定義のセグメントを作成したい場合は、コンテナ右上の『オプション(歯車アイコン)』を選択し、そこから『除外オプション』のメニューを選択します。

すると、先ほどまで『含む』になっていた部分が『除外』に切り替わり、更にコンテナの左端に赤い線が入ります。これにより、除外オプションが適用されていることを確認することができます。

これで、「携帯電話からの訪問」の値を完全に除外した「携帯電話以外からの訪問」という定義のセグメントを作成することができました。

まとめ ~セグメントの条件と演算子~

この記事では、セグメント作成にあたり設定することが出来る「条件」や「比較演算子」についてご紹介しました。

セグメントを作成する際、どの比較演算子を使うのか、複数の定義をどの条件を使って組み合わせるのかによって、そのセグメントの持つ意味は変わってきます。

次回の記事では、パネル内のデータをまとめてフィルタリングすることのできる「パネルドロップゾーン」の使い方についてご紹介します。

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