DX道場 ~セグメント・計算指標の基本編~ ①セグメントとは

アドビのカスタマーサクセスチームは、Adobe AnalyticsやAdobe Targetをはじめとした、Adobe Experience Cloud 各種製品を使い始めた方向けのコースを中心とした無償オンラインセミナー『DX道場』を定期的に開催しております。このシリーズでは、DX道場の内容を各テーマに沿ってご紹介します。今回は『セグメント・計算指標の基本』コースより、「セグメント」とは何か、そしてセグメントを作成する際に必ず覚える必要のある「コンテナ」についてご紹介します。

セグメントとは

Webサイトには、一口に「訪問者」と言っても多種多様な訪問者がアクセスしてきます。例えば、どのような目的でサイトに訪問しているかであったり、何に興味があってサイトにアクセスしたかは訪問者ごとに違います。また年代や性別などの属性、サイトの通算訪問回数もユーザー毎に異なります。サイトに初めて訪問してきたユーザーもいれば、過去にサイトに訪問したことのあるユーザーもいます。

セグメントとは、こういった多種多様なユーザーの行動を収集し、ある特定の任意の条件でグループ分けをすることを指します。Adobe Analyticsのセグメント機能では、サイト訪問者の行動パターンからユーザーをセグメントで絞り込み、各施策実施のためのターゲティンググループを設計して分析に利用することが可能です。

上図は、2つのセグメント(※セグメントの内容は以下参照)をフリーフォームテーブル上に適用させ、ユニーク訪問者数の数値がそれぞれのセグメント毎にどの程度違うのかを比較したレポートになります。この例の様にAdobe Analytics のセグメント機能では、セグメントをレポートに適用させることによって、その結果から新たなインサイトを得ることもできるようになっています。

※『初回訪問』⇒サイトに初めてアクセスしてきたユーザー / 『リピート訪問』⇒過去にもサイトにアクセスした履歴のあるユーザー(2回目以降の訪問ユーザー)

なぜセグメントを使うのか

分析においてセグメントを使用することで、ビジネスゴールに対する人を軸とした分析ができるようになります。ユーザーによって目的や関心、緊急度がどのように違うのかの把握や、コンバージョンにつながりやすいセグメントの発見といったことも、セグメントを用いて比較・分析することで可能となります。例えば、「ロイヤルカスタマーの行動特性を分析し、売り上げを向上させたい」という分析における課題があった場合、「購入に至るまでの平均訪問回数」ごとにセグメントを作成してみたり、世代別・年代別にグループ分けをして、それぞれのグループで購入金額がどれくらい違うのかを見ていくことによって、ロイヤルカスタマーにはどういう行動特性や属性の特徴があるのかを把握し、それをさらに細かく分析することによって、さらなる売り上げの向上につなげていくことができます。

Adobe Analyticsのセグメントの基本用語

Adobe Analyticsでセグメントを作成する際、必ず覚える必要のある用語が「コンテナ」というものになります。

この画面上の真ん中のあたりに、作成するセグメントの条件を指定するエリアがあります。このエリアが「コンテナ」です。「コンテナ」は3種類存在しており、どのコンテナでセグメントを作成するかによってそのセグメントが指定する範囲が変わってきます。

①訪問者コンテナ

最も広い範囲を指定するコンテナです。対象期間は「ユーザーの初回訪問からすべて」で、指定した条件を行った訪問者の行動の全てがカウントの対象になります。「人」軸で分類した最も範囲の広いコンテナであり、具体例としては『会員』『非会員』『リピーター』『購入者』などがあります。

②訪問コンテナ

二番目に広い範囲を指定するコンテナです。対象期間は「ユーザーの各訪問の開始から離脱まで」で、指定した条件を行った訪問中の行動がカウントの対象となります。特定の期間内の訪問などに絞った分析が可能なコンテナであり、具体例としては『初回訪問』『PCからの訪問』などがあります。

③ヒットコンテナ

最も狭い範囲を指定する、考え方としては最もシンプルなコンテナです。指定した条件のみがカウントの対象となり、特定のページビューやイベントなどの詳細なアクションに絞ったセグメントを作成したい場合はこのヒットコンテナが最も適しています。具体例としては、『初回購入』『Page Aの閲覧』などがあります。

それぞれのコンテナの違いを、より具体的な例でご説明します。上の図は、ある訪問者が行った3回の訪問内でそれぞれとった行動を表しています。このケースにおいて、「申込」をしたという条件のもと、各コンテナでセグメントを作成した際にカウントされるPVを考えてみましょう。

まず訪問者コンテナでセグメントを作成した場合はどうでしょうか。訪問者コンテナの場合、指定された条件を行った訪問者の行動全てがカウントの対象 となりますが、このケースにおける訪問者は「申込」を1回目及び3回目の訪問にて行っていますので、この訪問者が行った行動は全てカウントの対象となり、PVとしては9PVとなります。

続いて、訪問コンテナでセグメントを作成した場合を考えてみましょう。訪問コンテナの場合、指定された条件を含む訪問内の行動全てがカウントの対象 となりますので、このケースでは「申込」が行われた訪問、つまり1回目と3回目の訪問内での行動が全て対象となり、PVとしては6PVとなります。

最後にヒットコンテナの場合です。ヒットコンテナは指定した条件のみがカウントの対象 となるコンテナなので、シンプルにこのケースでは「申込」が行われた回数がカウントされることとなり、PVとしては2PVとなります。

まとめ ~セグメントとは~

この記事では、「セグメント」の概要、そしてセグメントを作成する際に必ず覚えていただく必要のある「コンテナ」の種類についてご紹介しました。

ユーザーをある特定の条件でグループ分けをし、それを使ってレポートを作成することで、人を軸とした分析が可能となり、施策実施などにつながるインサイトを得ることができます。

次回の記事では、セグメントビルダーを使用し、基本的なセグメントを作成する方法についてご紹介します。

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