Substance 3D 製品 2023 年 7 月のアップデート情報
Substance 3D Assets ガーデンコレクションを使用して作成
クリエイターが Substance 3D を最大限に活用できるように、この夏 Substance 3D チームはあらゆる努力を行ってきました。
また、Substance 3D チームは 8 月に開催される SIGGRAPH に参加し、Substance 3D 最新アップデートの紹介、研究成果の発表、そして Substance 3D ツールに搭載される予定のエキサイティングな新機能を披露する予定です。
この記事は、Painter のパスツールを使いやすくし、素晴らしい外観をつくることができる、ユニークで多彩なツールプリセットを深く掘り下げます。また、Substance 3D Stager の新しい GPU ノイズ除去を使って判明した驚くべきベンチマークも公開します。さらに、Substance 3D Assets チームによる、屋外のシーンを生き生きとさせる新しいガーデンコレクションをご紹介します。
パスのツールプリセットを活用したディテール
ツールプリセットを使うとパスにディテールを簡単に追加できる
Substance 3D Painter の新しいパスツールは、6 月の主要なアップデートの一つです。反響はとても大きなものでした。すでにアーティストたちは、ワークフローの中でパスを使うことの恩恵を受けています。この新しいツールを使い、ディテールを適用したい場所に、パスを 3D オブジェクトに沿って正確に配置すれば、かつてないほど簡単に 3D アセットに精密なディテールを加えることができます。パスツールは、すべてのブラシとブラシのプリセットを駆動します。また、ブラシと 3D パスのあらゆるプロパティは非破壊で、いつでも編集できます。
ツールプリセットを使うとディテールの追加を即座に始められます。そのため、誰でも簡単に Painter のパスツールを試してみることができます。
布や有機的なディテールを作成するなら、ペンツールのステッチプリセットは本当に便利です。単純にモデル上にパスを描いたら、ライブラリからツールプリセットを選択し、ステッチの種類を変更するだけです。
金属の建具を表現する溶接ツールプリセットもあります。ステッチ、縫い目、パッカリング、溶接のプリセットを含め、これらすべてのツールプリセットが Painter から提供されます。
ツールプリセットの使い方をさらに学ぶには、ツールプリセットのチュートリアルをご覧ください。
カスタム仕様のツールプリセット
ワークフローに特定のニーズがある場合、パスのツールプリセットを独自につくることも可能です。このツールプリセットは、ブラシ、アルファ、マテリアルを組み合わせた特別仕様ののスクリプトです。自分だけのプリセットを作成して、特定のディテールの表現や、クリエイティブな実験に利用することができます。
シニア Substance 3D テクニカルエバンジェリスト Vince Gault は、自動車のような金属加工のディテールに使用できる parting shut line ツールを作成しました。ツールをカスタマイズできることの本当のメリットは、制作パイプラインに合わせた独自ツールのライブラリを構築したり、Painter アーティスト達が作成したツールを共有してダウンロードしたりできることです。Vince のツールはここから無料でダウンロードできます。
Painter の更新についてより詳しい情報はこちらの記事(英語)をご覧ください。
GPU ノイズ除去のベンチマーク
6 月に公開された Stager 2.1 には様々な改良が加えられました。その中の主要な機能のひとつは、機械学習を活用した新しい GPU ノイズ除去です。このノイズ除去機能の目的は、レンダリング画像の品質に妥協することなく、レンダリング時間を大幅に短縮することです。
GPU ノイズ除去は、新しくて革新的なテクノロジーを開発するべく、Adobe Substance 3D Tech Transfer チームが、Adobe Research および Substance 3D 製品チームと構築したパートナーシップの成果です。彼らが目指しているのは、ツールをより使いやすく、楽しく、強力なものにすることです。
ベンチマーク
Stager が初めての人も、すでに使用していたユーザーも、GPU ノイズ除去のスピードははっきり体感できるものです。これを明らかにするために、Adobe Research と Substance 3D チームは、GPU ノイズ除去を使用したときの利点を説明するための一連のベンチマークを実行しました。
Mac と Windows 上で Stager の旧バージョンと最新バージョンを使って、アニメーションのシーケンスをレンダリングし、各条件でのレンダリング時間とエネルギー消費量を比較しました。Stager 2.1 の新しい GPU ノイズ除去機能を使うと「ドラフト」でのレンダリング速度は 70% から 93% 向上しました。「高」でレンダリングした場合のレンダリング速度は 33% から 52% 向上しました。レンダリング速度は、作業環境が Mac か Windows かによって異なりますが、どちらの場合もパフォーマンス上の利点は明確でした。速度はシーンの複雑さにも依存しますが、Stager 2.1 でレンダリングする場合は、似たような数値が期待できます。
スピードの向上に加え、GPU ノイズ除去は、Stager 2.1 の「ドラフト」と「中」のレンダリング品質を大幅に向上します。これは、全体的なレンダリング時間の短縮に貢献します。
「中」画質でノイズ除去を利用してレンダリングされた画像 - 左: Stager 2.0.2、右: Stager 2.1
Stager 2.1 の GPU ノイズ除去を使用すると、レンダリングで消費するエネルギーがずっと少なくなります。テストによると、平均では、エネルギー消費量が半分になることが示されました。これは、ノイズ除去がより高速であるだけでなく、よりノイズの多い画像も許容するためです。
GPU ノイズ除去活用のベストプラクティス
GPU ノイズ除去を最大限に活用
ここでは、Stager の GPU ノイズ除去を最大限に活用するためのベストプラクティスをいくつかご紹介します。
まず、Stager 2.1 で新規プロジェクトを作成する際、Windows では GPU ドライバが最新バージョンにアップデートされていることを確認しましょう。
「ノイズ除去書き出し」を有効にした「ドラフト」品質は、ほとんどのシーンに、高速で良質な結果を提供するでしょう。最終的な品質のレンダリングが必要な場合、品質を「中」に上げるだけで通常は十分です。「高」の品質設定は、特に難しいレンダリング用です。
古いプロジェクトを Stager 2.1 で開く場合は、レンダリングプリセットを適用し直して、より低い SPP の恩恵を得られるようにすることが重要です。例えば、プリセットが「中」に設定されていたなら、「ドラフト」に切り替えます。すると、「サンプル」フィールドの数値が減少することに気づくでしょう。これはレンダリング速度の向上に役立ちます。GPU ノイズ除去を活用するために、「ノイズ除去書き出し」をオンにすることを忘れないようにしましょう。そうすれば、短時間で見栄えの良いレンダリングを手にしているはずです。
Stager の更新についてより詳しい情報はこちらの記事(英語)をご覧ください。
Substance 3D Assets
Substance 3D Assets のガーデンコレクション
Substance 3D Assets は、18,000 以上の高品質な 3D アセットを収録したライブラリで、Substance 3D の一部として提供されています。あらゆる種類の 3D プロジェクトの効率向上に役立つ、すぐに使えるプロが制作した 3D アセットが、継続的に追加されています。
3D モデルやパラメトリックマテリアルなど
7 月に追加された 3D アセットのガーデンコレクションを調査すれば、夢のアウトドア空間の構築に役立つ様々なモデル、スキャンされたテクスチャ、マテリアルを発見できます。まずは、庭のベースとして使用できる、土壌などの様々な地面のテクスチャから始めるとよいでしょう。さらに、地面をさまざまなパラメトリックマテリアルと組み合わせれば、ユニークな外観へと発展させることができます。
この高品質のアセットがあれば、庭を思い通りにカスタマイズすることが可能です。その上、ガーデンコレクションは、ヒーローグッズのシーン設定や、商品パッケージを美しく仕上げるためにも使用できます。想像力を発揮して、個性的な庭をつくり上げましょう!
今すぐ Substance 3D Assets をチェックして、素晴らしい 3D コンテンツを入手しましょう。
この記事は Substance 3D: July release news(著者: Grant Kay)の抄訳です