2015 年のことです。7 歳の Alex は、半袖の黒いシャツに赤い蝶ネクタイの粋な服装で、謎めいた廊下を案内されていました。スーパーヒーローと自転車に乗ることが大好きな Alex は、生まれつき右腕の一部が未発達で、世界屈指の生体工学の専門家、アイアンマンこと Robert Downey Jr. の助けを借りようとしていたのです。
私たちにとって、重要なのは義手だけではありません。それを身に着ける人々の背景にあるストーリーが重要なのです - Matt Dombrowski, Limbitless
AI を活用したストーリーテリング
Limbitless のオープンな精神は、3D デザインや生成 AI のような新しいテクノロジーに対するアプローチにも表れています。Manero は、3D プリントを早期に取り入れた人物の一人で、それは義肢の設計と製造のプロセスを限りなく安価でスケーラブルなものにしました。その結果、日々の暮らしを変えるテクノロジーが、これまで以上に多くの人に入手可能なものになりました。
AI に関しては、Limbitless は、クリエイティブワークフロー全体にこの技術を適用し、さまざまなマーケティングチャネルに向けたコンテンツの強化や適応を行っています。Dombrowski は、彼のチームが Adobe Creative Cloud の AI 機能を使い、数年前に撮影した彼と義手の子供が写っている横長の写真を、インスタグラムに適した縦長のデザインに再構成したことを詳述しました。
Dombrowski は、特に生成 AI の可能性に期待しています。Adobe Firefly に含まれる生成 AI のアルゴリズムは、Limbitless のインターンからのデータや入力を組み合わせて、美しく感情的な、まったく新しいコンテンツに変換することができます。
「デジタルコンテンツ制作に関しては、多くの場合に、つくり方にエネルギーが費やされます。どのようにこのアセットを制作するのか?どのように異なるフォーマットに対応させるのか?ストーリーを伝えるユニークな色の組み合わせをどのようにつくるのか?」と Dombrowski は言います。「生成 AI は、つくり方を考慮する必要を排除して、なぜストーリーを伝えようとしているかという問いに集中させてくれます。これは本当に重要なことです」
ポジティブ思考がポジティブな結果を生む
世界に多くのポジティブな感情をもたらす非営利団体として、Limbitless は、AI が社会に与え得る価値に対する独自の視点を持っています。Dombrowski は、偏見から盗作まで、人々の AI の使い方についてもっともな懸念があることに同意しつつ、オープンかつ前向きな考え方で、このテクノロジーと向き合うよう生徒に教えています。
この任務には、Firefly の開発における、アドビの倫理的なアプローチが助けになります。このアプローチに含まれるものは、厳格な AI アルゴリズム、継続的なテストによる無意識の偏見や固定観念の回避、すべての AI イノベーションが倫理的な慣行に基づき責任ある結果を提供することを保証するための影響評価などです。
Limbitless はオープンかつ前向きな考え方で AI と向き合うよう学生に教えている
「Limbitless では、開かれた議論を好みます。学生達には、独自の倫理的な疑問を形成して私たちに指導を求めることを奨励しています。Firefly の AI に対する責任あるアプローチは、このような議論に合致しています」と Dombrowski は付け加えました。
あらゆる組織にとって、特に技術的な製品を開発する組織にとっての最大の課題のひとつは、技術者ではない人々の心に響くようにストーリーを伝えることです。Dombrowski にとって、生成 AI の素晴らしさのひとつは、この障壁を取り払ってくれることです。アーティスト、エンジニア、科学者が、それぞれの知識を共通のプラットフォームに提供して、個々の専門知識と視点を組み合わせた何かをつくり出すことができます。
垣根を破るという点に関して、Dombrowski は AI が NPO の存在を世間に伝える大きな存在になると考えています。従来、非営利団体では、中核となる業務に加えて、コンテンツやマーケティングに注力するには、時間もリソースも不足していました。Limbitless はここでも模範を示し、クリエイティブな活動を支援する AI の力を示しています。
「生成 AI の素晴らしさは、想像と創造の間にある垣根を取り払うことです。思いついたことは何でも、Firefly に渡すと、多くの場合に驚くような方法で、命を吹き込むことができます」と Dombrowski は言います。「このレベルの創造力は、リーチとインパクトを拡大するために、可能な限りのアドバンテージを必要とする非営利団体にとって、実にかけがえのないものです」