Adobe Stock コントリビューターから学ぶ - シネマ風の売れるビデオ素材を作るコツ

レストランのテーブルに座っている女性 中程度の精度で自動的に生成された説明

クレジット:Adobe Stock/SouthWorks

「ドラマティックでインパクトのある映像を作りたい」、「もっとシネマティックな雰囲気の映像にしたい」・・・ビデオ制作を始めたばかりの方でも大丈夫。これまで写真を制作してきたけどビデオも始めたいという方へ、シネマティックな映像を作るための秘訣をご紹介します。

写真からビデオの世界へ足を踏み入れようとするとき、どうすればシネマティックな映像を作ることができるでしょうか。以下では、テクニックの例をいくつかお伝えします。

この例では、車両押収所のすぐ外での車の衝突シーンを撮影していました。タイトなスケジュールで、撮影できるのは日中しかありませんでした。そのため、①太陽が最も高く明るい時間帯であるため、ビデオ撮影に適切な露出に設定するのが難しい、②商標登録されているもの(車のブランド)を撮影するため、被写界深度を浅くして、商標を隠しつつぼかして撮る必要がある、という課題が生じました。この2つの課題を解決するために、カメラにNDフィルター(減光フィルター)を装着して光量をおさえつつ、F2-F3.2程度に絞りを開けて撮影することにしました。そうすることで、シネマティックのような雰囲気のあるビデオに仕上げることもできました。

被写界深度を浅くすることは、魅力的な映像を撮るための技の一つです。NDフィルターを使ってセンサーに届く光の量をおさえれば、明るい環境でも絞りを開けて、フレーム内の被写体に観客の目を引きつけることができます。

また、適切なフレームレートで撮影することで、映像の見え方が大きく変わります。このテクニックについては、最初のブログ(リンクを挿入)で紹介しました。ほとんどの映画は1秒間あたり24フレームが標準で、このフレームレートが映画っぽいと感じられるように、人の脳は「訓練」されていると言えます。

バラエティに富んだポートフォリオをつくるには、カメラワークも大切です。ジンバルを使ってステディカムを使用したかのようなトラッキングショットを撮ったり、スライダーを使ってドリーショットを再現したりと、簡単なカメラワークや機材によってドラマティックな映像にすることやナラティブを形成することができます。こうしたテクニックにより作品の価値を高めて、売り上げを狙うことが期待できます。

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セットにおける光の当て方は、映像のトーンやスタイルを大きく左右します。シネマティックに仕上げるための簡単で抜群の効果を得られるテクニックの一つは、被写体の影の方から撮影することです。ライティングについては、次のブログで詳しくご説明します。

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クレジット:Adobe Stock / SouthWorks

撮影の計画を立てましょう。これは基本的なステップのように感じられるかもしれませんが、成功するための準備としてとても効果的です。現場は自然光だけでも十分に明るいでしょうか? 求めるルックを実現するためにジンバルや三脚は必要でしょうか? 日没の時間と場所は? 被写界深度を浅くするためにNDフィルターは必要でしょうか? 特定の時間帯に光が当たる場所を事前に考えたり、あるいはジンバルを必要な時にすぐ使えるように用意したりするだけでも、映画のようにクリエイティブなショットを撮れる可能性が高まります。こうした単純なことの積み重ねが、撮影の成功につながります。

ストック映像のグレーディング

購入者の気を引き付け、購入後すぐに使えるようにするためにphotoshopやlightroomで画像を編集したことがあるかもしれません。しかし、ストック映像のグレーディングの場合、顧客のニーズは少し異なることが多いです。

ストック映像のグレーディングで目指すべきことは、購入客が自分でグレーディングできるように柔軟性を持たせることです。というのも顧客は、制作者の映像をほかのクリップにマッチさせる必要があるからです。したがって、まずは映像の基本的な色補正を行い(Log/フラットプロファイルで撮影した場合)、適切なホワイトバランスに調整してから、Rec.709のカラースペースに変換し、コントラストは基本的なSカーブにします。

コントラストや彩度の低いフラットな映像と、過度なグレーディングを施された映像の間でバランスをとることが必要です。

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クレジット:SouthWorks

名作映画のようなティール&オレンジのグレーディングに仕上げたいと思うかもしれませんが、ストック素材としては意見が分かれるところです。顧客が独自のスタイルやグレーディングを映像に適用し、既存のショットにマッチさせることができるよう、編集の余地を残すほうが重宝されることが多いです。基本的な色補正にとどめておけば、こうした選択肢を残し、使う側の判断に委ねることが可能になります。

ポイント

いかがだったでしょうか? Adobe Stockでは写真やイラストといった通常アセットに加え、HDビデオの素材も利用いただけるサブスクリプションプランも提供しています。現在、年間サブスクリプションが初月無料となるキャンペーンを実施中ですのでお試しください。

また、 Adobe Stockにアーティストとして参加されたい方は、こちらからコントリビューター登録をしてください。取り扱われる素材の種類については、各種ガイドラインをご覧ください。皆さんの作品をおまちしています。

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