Adobe Stock コントリビューターから学ぶ – ビデオ素材制作のススメ

建物の前に立っている女性たち 中程度の精度で自動的に生成された説明

クレジット:Adobe Stock / SouthWorks

ソーシャルメディア、モバイル広告、ウェブサイトの背景など、ストック素材はあらゆるところで使用されています。そして、ブランドやインフルエンサーなどのメディアクリエイターがストーリーを伝え、視聴者とつながるための新たな方法を求める中で、ビデオのニーズは増え続けています。写真家として、またStockのクリエイターとして、制作の範囲をビデオまで広げるべきかどうか、悩んでいる方もいるかもしれません。

私たちの考えでは、間違いなく今がその時です! ストックフォトを必要としているお客様の多くは、ビデオ素材も求めています。また、潜在的なコミッション撮影を期待するお客様に、写真に加えてビデオも提供できると伝えられれば、仕事を受注できるチャンスもぐっと高まります。更に、写真撮影と同時にビデオも撮影すれば、セットやモデル、制作時間に対する費用対効果を最大化することも可能でしょう。これまで繰り返し見てきたように、写真でもビデオでも、より質の高いコンテンツを制作するために全力を尽くすことが、ストック素材のビジネスにおける持続的な成功の可能性を高めることにつながるように思えます。

では、ビデオの初心者は、何から始めるべきでしょうか? 写真とビデオの両方を手掛けるSouthWorksは、ビデオを始めるときのヒントを知っています。以下のアドバイスをぜひチェックしてください。また、Adobe Stockチームにコンテンツが受け入れられるよう、ベストプラクティスに従うこともお忘れなく。

台の上にあるカメラ 低い精度で自動的に生成された説明

クレジット:SouthWorks

1. ビデオにおけるシャッタースピード、絞り、ISOの考え方を理解する

静止画とビデオの撮影にはいくつかの重要な違いがあり、カメラの設定次第で、映像の仕上がりが大きく変わります。

まずは、シャッタースピードについて説明しましょう。一般的に静止画を撮るときは、動きを止めてブレのないシャープな写真を撮るため、シャッタースピードは1/200~1/8000以上の高速に設定します。一方ビデオでは、自然でシネマティックな映像にすることが主な狙いなので、ある程度のブレが必要になります。(自然な映像の例は、Adobe Stockの「Food」と「Water」のインスピレーションギャラリーをご覧ください。) このように、シャッタースピードを速くすると、ブレがなくなり、映像がぎこちなく不自然に見えることがあります。

自然な被写体ブレを実現するには、「180度シャッターの法則」を使います。これは、シャッタースピードをフレームレートの2倍に設定するというものです。つまり、30fpsで撮影するならシャッタースピードは1/60、60fpsでスローモーション映像を撮影するならシャッタースピードは1/120となります。Blackmagic Pocketなどの一部のビデオカメラにはシャッタースピードを180度に設定できるオプションがあるので、毎回調整する必要はありませんが、デジタル一眼レフなどでは手動で設定する必要があります。

大抵のルールに言えることですが、「180度シャッターの法則」を破ることで、さまざまなクリエイティブな結果を得ることもできます。例えば、動きの速いアクションシーンでは、シャッタースピードを速くするのが効果的です。ボクサーがサンドバッグをパンチするシーンを撮るときに、シャッタースピードを速くすれば、ブレが少なくより鮮明な映像にすることができます。

続いては、絞りとISOです。これらの仕組みは写真でもビデオでも同じです。ただし、明るい環境で絞りをf2.8に開いて撮影したいこともあるでしょう。このとき、180度のシャッタースピードにこだわってしまうと、露出オーバーになります。これを避けるには、レンズに減光フィルター(NDフィルター)を取り付ければ、センサーに届く光の量を減らせます。Adobe Stockの「Localists」のインスピレーションギャラリーでは、屋外で撮影された美しい露出の映像を見ることができます。

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2. カラースペースとカラープロファイルを選ぶ

ビデオを撮るときは、カラースペース(色空間)とカラープロファイルを選ぶ必要があります。カラースペースとは、ビデオ出力において表現できる色や輝度の値の範囲のことです。難しそうに聞こえますが、大切なのは、ビデオを処理するときに1つのカラースペースにとどまる必要があるということです。ストック映像の場合は、Rec.709を選ぶと良いでしょう。

また、撮影時にはログ(フラット)カラープロファイルを選ぶことをおすすめします。そうすれば、非圧縮データがカメラに記録されるので、映像のカラーグレーディングを行うときに、色味を微調整したりダイナミックレンジを広げたりする余地が広がります。これは、ビデオ初心者にとって必須の知識ではありませんが、最終的なアウトプットを大きく左右することがあります。ただし、Adobe Stockではログ(フラット)カラープロファイルのままではお預かりできないため、色補正したファイルを提出いただく必要があります。

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3. 露出とフォーカスを管理する

ヒストグラムや波形、フォルスカラー、ゼブラパターンといったビデオカメラの機能を使えば、簡単に露出を調整することができます。自分のカメラでどのオプションが使えるかを確認しましょう。カスタムボタンとして追加しておけば、簡単にオンとオフを切り替えられます。

フォーカスについては、オートとマニュアルのどちらを選ぶべきでしょうか? オートフォーカス機能のある新しいビデオカメラを持っているなら、被写体にフォーカスを合わせて、あとはカメラにお任せするのがおすすめです。一方で、もし古いカメラを使っているなら、マニュアルフォーカスを使うときには以下のヒントを参考にしてください。

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4. 最適なビデオ周辺グッズや設定を選ぶ

多くの写真家が三脚をお持ちですが、ビデオ撮影には、三脚に流体ヘッドを追加することを検討しましょう。そうすれば、動きをコントロールしやすくなり、パンやチルトの撮影をスムーズに行えます。

また、ビデオは写真よりもはるかに多くの消費電力を使うため、予備のバッテリーを用意しておきましょう。そして、4K映像や高ビットレート、広いカラースペースにも対応できる超高速メモリーカードを少なくとも1枚用意すると安心です。

カメラの設定では、どのビデオモードを選ぶべきでしょうか? 写真と同じように、できるだけ高画質で撮影したいものです。カメラに4K HQモードがあれば、それを選択しましょう。4K設定がない場合は、HDモードを選びます。HDのストック映像の需要はまだ根強いためです。

ハイフレームレートに対応したカメラなら、その設定を使ったコンテンツ(スローモーションビデオ)を撮影して、ストック素材のポートフォリオにバラエティを加えましょう。その際、180度シャッタールール(ヒント1を参照)をお忘れなく。Adobe Stockビデオコンテンツの解像度とフレームレートの要件については、こちらをご覧ください。

カメラを構えている男性 中程度の精度で自動的に生成された説明

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5. 参考資料やガイドのご紹介

最後に、ビデオ制作を行う際に役立ちそうな技術面での参考資料やガイドをいくつかご紹介します。

写真家として経験のあるあなたは、すでに撮影構図を見る目を持ち、適切な瞬間を捉える直感を養い、カメラの扱い方を熟知しています。こうしたスキルを活かしてビデオグラファーとしてもスキルを磨き、ストック素材ポートフォリオにビデオを加えることで、間違いなくビジネスを成長させられることでしょう。

いかがだったでしょうか? 作品を販売開始されたら、お知り合いのクリエイターにその旨をお知らせしましょう。写真やイラストといった通常アセットに加え、HDビデオの素材も利用いただけるサブスクリプションプランも提供しています。現在、年間サブスクリプションが初月無料となるキャンペーンを実施中ですのでお試しいただけます。

これからAdobe Stockにアーティストとして参加されたい方は、こちらからコントリビューター登録をしてください。取り扱われる素材の種類については、各種ガイドラインをご覧ください。皆さんの作品をお待ちしています。

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