ライカ、撮影時に真正性を担保する世界初「コンテンツクレデンシャル機能」内蔵カメラを販売開始
このニューヨークのスカイラインの画像はライカM11-Pで撮影されたもので、画像の真正性を担保するために、撮影時にコンテンツクレデンシャル情報を添付できるようになっています。画像の右上には、名前、日付、変更点、使用したツールなどの情報を含む、コンテンツクレデンシャル機能が確認でき、オンラインコンテンツの信頼性と透明性の向上に欠かせない成分表示ラベルとして機能します
業界をリードするカメラメーカーであるライカが、「コンテンツクレデンシャル機能」を内蔵した世界初のカメラであるM11-Pの販売開始をしたことを嬉しく思います。
これは、コンテンツ認証イニシアチブ(CAI)とフォトジャーナリズムの未来にとって重要なマイルストーンです。フォトジャーナリスト自身やクリエイティブ作品に紐づいた情報は誤報や偽情報への対策として、彼らの作品と消費者に信ぴょう性をもたらす強力な新しいアプローチ方法であるとともに、コンテンツクレデンシャル機能のさらなる普及を促す、先駆けとしての存在でもあります。
改変されたコンテンツや誤った情報が増加の一途を辿る現在、デジタルエコシステムの信頼性の確保はこれまでになく重要な課題となっています。また、生成AIにより、強力で新しいワークフローへのアクセスが拡大し、人々の豊かな想像力やアイディアがより発揮されるようになりました。ライカ M11-Pの発売は、世界中のフォトグラファーが撮影時にコンテンツクレデンシャル情報を画像に添付できるようにすることで、カメラからクラウドまでをカバーする真正性のチェーンを構築し、フォトグラファーが自分のアート、ストーリー、コンテキストを適宜コントロールできるようにするというCAIの目標を前進させるものです。
ライカM11-Pとコンテンツクレデンシャル機能を有効にして撮影した写真
ライカはM-11Pカメラに世界標準であるCoalition for Content Provenance and Authenticity(以下、C2PA)標準を導入しており、撮影した画像に安全なメタデータをそれぞれ添付するようになっています。これにより、写真が撮影された時点でカメラのメーカーやモデル等の情報に加え、誰が、いつ、どのように撮影したかなど、コンテンツ固有の情報(クレデンシャル)が暗号署名とともに記録されます。撮影された画像にはそれぞれデジタル署名が添付されるため、webサイト(https://contentcredentials.org/verify)またはLeica FOTOS アプリで簡単に画像の真正性を確認することができます。
これは、フォトグラファーやクリエイターにとって信頼と透明性の分水嶺となる瞬間で、その意義は計り知れません。コンテンツの信頼性と来歴情報の原則を一般消費者向けのテクノロジーに落とし込むという、CAIとそのメンバーが4年前に初めて打ち出したビジョンが実現したのです。
CAIが提供するフレームワークを統合することで、ライカは誤報や偽情報の課題に取り組み、デジタルコンテンツと情報源の信頼を守ることに貢献します。このほかにも、先日のAdobe MAXで発表されたパートナーシップの数々や、それらを支える無料のオープンソースツールも広く提供されるようになり、フォトジャーナリストや報道機関だけでなく、クリエイティブの専門家から一般消費者、SNSインフルエンサー、アーティストやイノベーターまで、世界中でコンテンツクレデンシャルの普及が加速しています。
アドビは、2019年にCAIを共同設立し、誤報や偽情報の脅威と闘い、クリエイターが自身の作品に対し信頼を得られるよう支援しています。CAIは、ライカ、AFP、AP通信、BBC、Getty Images、Microsoft、ロイター通信、The Wall Street Journalなど、現在は約2,000のメンバーで構成され、コンテンツクレデンシャル機能によるセキュアなメタデータを通じて、オンライン上のコンテンツに「透明性」と「信頼」について検証可能なレイヤーの提供を普及すべく協力しています。
この取り組みへの新メンバーの加入が大きな勢いを示し、さまざまな業界のリーダーたちによるコンテンツクレデンシャル機能の採用も拡大する中、CAIはこのイノベーションが倫理的な基礎の上に展開されるように取り組んでいます。
コンテンツ認証情報の仕組み
- 撮影時の透明性の担保:私たちは、デジタル作品が生まれた瞬間から来歴情報の記録のチェーンが始まるべきだと考えています。画像の出所を検証できるということは、その信ぴょう性の判断の基礎となります。
- 写真作品の帰属元の表明:コンテンツクレデンシャル機能により、フォトジャーナリストやクリエイターは自分の作品にクレジットを添付することが可能になり、作品がどこにどう流通しても、コンテンツの帰属情報がしっかりと関連付けられます。
- デジタルコンテンツに信頼をもたらす成分表示ラベル: コンテンツクレデンシャル機能は、オンラインコンテンツの信頼性と透明性の向上に欠かせない成分表示ラベルとして機能する、あらゆる種類のコンテンツに最も広く採用されている業界標準です。
ライカのカメラM11-Pは、本日よりライカの直営店、オンラインストア、正規販売店にて全国で販売開始しました。詳しくは、ライカカメラジャパン公式サイトをご覧ください。
Adobe Photoshop のコンテンツクレデンシャル機能を有効にし、ライカM11-P の画像をインポートします。コンテンツクレデンシャル情報が入ったライカカメラからの情報を識別して、Adobe Photoshopでプレビューすることができます
次に、Adobe Photoshopの「空の置き換え」機能を使用して大幅に編集を加えました。この編集は、ファイルのコンテンツクレデンシャル情報の一部として記録されます
編集された画像をAdobe Photoshopからエクスポート後、Verify (contentcredentials.org/verify )を使って確認することができます。Verifyは、コンテンツクレデンシャル情報を読み込んで表示するCAIのウェブサイトで、一般消費者はアセットに加えられた変更を検証し、その内容を確認することができます
この記事は2023年10月26日(米国時間)に公開されたLeica Launches World’s First Camera with Content Credentials Built-in – Delivering Authenticity at the Point of Capture の抄訳です。