Adobe Stock コントリビューターから学ぶ -ベクター作品制作の可能性を最大限に引き出す
クレジット:Adobe Stock / roman3d
ベクターアーティストにとって大切なポートフォリオの拡充
ベクターやイラストなどのグラフィックをAdobe Stockに投稿するときは、作成したポートフォリオを最大限に活用したいものです。しかし、品質やクリエイティビティ、バイヤーの関心を損なうことなくポートフォリオを充実させるには、どうすればよいのでしょうか。
継続的に作品を投稿し、コレクションを拡充することは検索順位を上げる大切な要素となります。その際、もっとも効率的な方法は、すでに作成したものを新しい形で再利用することです。つまり、過去に描いた作品の中の人物、場所、小物といったパーツを切り出し、別のストーリーを新たに構築するのです。パーツは何百万通りもの使い道が考えられます。バラエティに富みつつも、一貫したスタイルのあるコレクションは、イメージバイヤーに重宝されます。
クレジット:Adobe Stock / Antonio Rodriguez
要素の量と質を変える
ストックアーティストのAntonio Rodriguezさんによる上の作例では、パーツ自体は使いまわされていますが、それぞれが個性ある作品として際立つよう十分に手が加えられています。
上の2つの作品では、要素の数が変わることでストーリー全体がいかに変化するかがわかります。小瓶の数が増えることで、製薬研究やヘルスケア領域における医薬品に関するストーリーを伝えるのに活用できそうです。
また、イラストの視覚的な特徴を変えることで、提示する情報に変化をつけることもできます。例えば、カラーパレットを変えることで、雰囲気やシーンを新しくすることができます。
階調やテクスチャを調整したり、ライティングを変えても、新しいユニークな価値を加えられます。同じように、ストロークや塗りつぶし、背景を変えることもできます。ひとつひとつの些細な変更自体は特別ユニークなものではありませんが、シーン全体に対してこのような変更をいくつか加えれば、スタイル全体に影響を与え、新鮮な印象の作品に仕上がります。
その下の2点の作品では、キャラクターのディテールを少し変えただけですが、1つめのシーンは職場のチームビルディングに関するストーリーを、2つめは友人同士の集まりや多様性、あるいは感情的なサポートの大切さを伝えていると読み取れます。作品を並べてみると、アーティストが素材を使いまわしていることがわかりますが、まったく同じものには見えない程度に手が加えられています。
フレーミングも大切です。キャラクターやパーツの使い道を示すため、イメージバイヤーの視点で、メタデータの記載も工夫しましょう。具体的にコンセプトを言語化することで使う人にヒントを与えることができます。
クレジット:Adobe Stock / Nadia Snopek
別の構図で、新鮮なストーリーを伝える
撮影の小道具や役者のキャスティングに見立てて、オブジェクトやキャラクターで遊んでみましょう。構図を変えれば、作品の主題が変わります。また、アングルを変えたり、素材の配置やスケールを変えたりするなど、同じシーンの中でもオブジェクトやキャラクターの両方に変化を加えれば、新しい作品として個性や新鮮味がもたらされます。広告物だけではなく、各種メディアやニュースレターのようなエディトリアル記事など、さまざまな用途に向けて作品を充実させることができます。
Nadia Snopekさんによる上の4点では、一部の要素は明らかに再利用されていますが、隣同士に並べてみても同じものには見えないくらいに手が加えられています。下の2点は特に素晴らしく、ブランケットを掛けて椅子に座っている疲れた若者をまったく違う場面に置いており、Snopekさんの優れたクリエイティビティを感じさせます。この人物はどこにいて、何を考えているのでしょうか。
クレジット:Adobe Stock / Biruoh
あらゆるディテールが新たなストーリーを物語る
新しいオーディエンスのためになると思うなら、作品のどの部分をアップデートしても構いません。
上の例では、Biruohさんは要素、色、キャラクターの特徴に変化をつけることで、異なるオーディエンスに訴求できるよう各作品に十分な個性を持たせつつ、2点を一緒に使いたい人にも対応できるような一貫性を持たせるという技を見せています。
2つの作品はゴージャスで非常にクリエイティブであり、スタイルを調整することで、それぞれの印象を大きく変えています。左はグラデーションで、右は格子柄。軽そうな額縁と重そうな額縁。一方のキャラクターは明るいロングヘアで、もう一方は黒いショートヘア。さらにシャツの色も、このキャラクターに大きな変化を与えています。
両者はまったく異なる雰囲気を持ち、まったく違うオーディエンスを引き付ける、まるで異なるストーリーを語っています。そうすることで、顧客ベースを拡張でき、収入を増やすチャンスを高まります。また、一貫性もこれらの作品に付加価値を与えています。スタイルの選択肢があることで、イメージバイヤーは一貫したビジュアルナラティブのために複数の作品のライセンスを購入することができます。
クレジット:Adobe Stock / Dariia
異なるテーマで、雰囲気をつくる
テーマを変えるのも、パーツをうまく使いまわす方法の1つです。テーマや季節を変えながらパーツを効果的に活用している作品は、見る人を楽しませてくれます。
ビジネスやヘルスケア、旅行といったいつの時代も変わらないテーマや、さまざまな季節や祝祭を通して自分のスタイルを進化させられるのは素晴らしいことです。
下のArdea-Studioさんの例では、木のパーツ自体は非常によく似ていますが、色を変えたり、葉を調整したり、配置を工夫したりすることで、オリジナルの木から多くの作品を生み出すことに成功しています。
記念日や誕生日、家族の集まりなどのお祝い事には、作品のアップデートのヒントがたくさんあるので、いろいろ試してみるとよいでしょう。特に、人々がバーチャルで集まって交流することが多くなった今、そうした場の重要性がこれまで以上に増しています。
クレジット:Adobe Stock / Ardea-Studio
自分の作品を見返してみる
ベクターやイラスト作品のポートフォリオを拡充するために、どこから手を付けるとよいでしょうか。おすすめは、これまでの作品の全体を眺めて、どの要素やパーツがお気に入りか、どれをアップデートできるのか、またアップデートしたときにもっと可能性が広がるのはどれかを考えてみることです。
そして、作品のシリーズやセットのブレインストーミングを始めて、あなたのデザインで1つの世界を作り出すのです。
Venimoさんによる下の作品は、セットとして優れた例です。これらの作品は個別に購入することもできますが、運営しているキャンペーンやウェブサイト上で語るストーリーのためにまとめて購入したい人もいるかもしれません。
こうしたベストプラクティスに従っていれば、このようなセット作品はおおいにユニークな価値をもたらし、あなたのポートフォリオの中で魅力的に見えるはずです。
クレジット:Adobe Stock / Venimo
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