初めてのロゴ制作にも!Adobe Fontsおすすめフォント5選

こんにちは、デザイナーのベーコンと申します。

今回から3回にわたってロゴの作り方や、ロゴづくりにまつわるフォントの選び方を解説していきます。


第1回目の今回は、ロゴ制作におすすめのAdobe Fontsを5種類紹介します。フォントの解説に加え、デザイン初心者からよく聞く 「フォントをうまく選べない」という悩みを解決するヒント もお伝えします。

記事の後半には、おすすめフォントへのリンクとIllustratorのサンプルファイルも用意しています ので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

こんな方たちに役立ちます

デザイン初心者や次の方たちに役立つ記事です。

みなさんのお仕事や活動に 今日からすぐに役立つデザインスキル をお伝えします。

目次

  • ロゴ?ロゴマーク?ロゴタイプ?
  • ロゴ制作におけるフォントの重要性
  • Adobe Fontsがロゴ制作に適している理由
  • ロゴ制作に使えるおすすめのAdobe Fonts5選
  • Illustratorでの「フォント選択」に役立つフィルター機能
  • まとめ
  • 次回予告と補足コンテンツのお知らせ

ロゴ?ロゴマーク?ロゴタイプ?

ロゴは大きく分けて、「シンボルマーク」「ロゴタイプ」「ロゴマーク」の3種類に分けられます。

シンボルマーク

「シンボルマーク」は、図形だけで企業や団体、商品などのイメージを象徴的に表現したものです。文字を使用しないため視覚的に印象に残りやすい のが特徴です。例えばスターバックスやナイキのロゴなど、多くの企業がシンボルマークを採用しています。

ロゴタイプ

「ロゴタイプ」は、企業や団体、商品などの名前をデザイン化した文字のみで構成された ものです。ブランドやサービス名を覚えてもらいやすいメリットがあります。例としては、SONYやCANONなどが挙げられます。

ロゴマーク

シンボルマークとロゴタイプを組み合わせたもの を「ロゴマーク」と呼びます。

シンボルマーク、ロゴタイプ、ロゴマークの関係をまとめると次の図のようになります。

ロゴ制作におけるフォントの重要性

企業やブランドのロゴには、ロゴマークを使用している場合、シンボルマークやロゴタイプのみを使用している場合もあります。

特に ロゴタイプのみで構成されるロゴの場合、シンボルマークがなくても成立する力強いデザインが求められます。 そこで重要になるのがフォントの選び方です。

世の中には数えきれないほどのフォントが存在しますが、なんとなく選ぶのではなく、ロゴのコンセプトにあったフォントを、明確な根拠を持って選ぶことが重要 です。そうすることで、クオリティの高いロゴを作ることができます。

ロゴ制作というと、ゼロから文字を作る場合や既存のフォントを大幅に加工する場合が多いように思われますが、フォントの形状をそのまま使用するケースも少なくありません。

Adobe Fontsがロゴ制作に適している理由

Adobe Fontsをおすすめする最大の理由は、商用利用や商標登録に関する規約が明確で、柔軟な点 にあります。

ただし、規約は変更される可能性がありますので、使用前に最新情報を確認してください。以下のページには、Adobe Fontsの規約が「よく寄せられる質問」として詳しく解説されています。ご参照ください。

https://helpx.adobe.com/jp/fonts/using/font-licensing.html

ロゴ制作に使えるおすすめのAdobe Fonts5選

ここからは、文字を入力するだけでロゴのような印象的なデザインに役立つAdobe Fonts を5種類紹介します。文字間や行間を調整したIllustratorで開けるサンプルファイルも用意しています。

1. VDL ロゴJrブラック

その名の通り、文字を入力するだけでロゴのように見えるほどのインパクトを持つ極太フォント です。「Jr(ジュニア)」は、「わんぱく坊やのような、自由奔放でやんちゃさ」をイメージして名付けられたそうです。

「太さの限界」に挑戦したというこのフォントは、力強さやキャッチーさを表現したい時に最適 です。ロゴ制作の経験がない方でも、VDL ロゴJrブラックを使えば、簡単にロゴらしいものが作れるので、ロゴ制作のイメージをつかむことができます。

2. AB J Gu

VDL ロゴJrブラックと同様の太さを持ちながら、丸みを帯びた形状が特徴のフォントです。文字を入力するだけで、アニメの広告のようなポップでかわいらしいイメージ を表現できます。

3. コーポレート・ロゴ ver2 Bold

企業やサービスのロゴによく使われる、シンプルで洗練されたフォントです。縦長のラインとすっきりとしたデザインが特徴で、誠実な印象を与えたいときに最適。また、シンプルな形状は 加工のベースとしても便利 です。漢字部分には「源ノ角ゴシック」が使用されています。

コーポレート・ロゴ ver2 Boldの特徴を他のフォントと比較すると、通常のゴシック体よりシンプルで洗練された印象 と言えます。別の言い方をすると無機質や機械的な印象のフォントです。

4.ABキリギリス

切り文字のような懐かしいフォントですが、絶妙なバランスがありキッズ向け、やさしさの表現として使われているフォントです。

ABキリギリスの特徴を他のフォントと比較すると、丸ゴシックより遊び心を感じる印象です。

5. ABベイビーウォーク

丸みがあり、独特の軽やかさがあるフォントです。

ABベイビーウォークの特徴を他のフォントと比較すると、丸ゴシックをより垢抜けさせた上品な印象 です。別の言い方をすると、丸ゴシックより視認性が低いフォントとも言えます。

サンプルファイルのダウンロード

本記事で紹介したフォントを使ったサンプルロゴのIllustratorファイルを公開します。文字間や行間の参考にできるよう、アウトライン化はせずにデータを作成しています。 ぜひロゴ制作の参考にしてみてください。

フォントの自動アクティベート

サンプルファイルを開くときにおすすめなのが、フォントの自動アクティベートです。[環境設定]→[ファイル管理]→[フォント]セクションの[Adobe Fontsを自動アクティベート]オプションをONにすることで インストールされていないAdobe Fontsが自動的にアクティベート(使用可能な状態)されるようになります。Adobe Fontsを自動アクティベートは、初期設定ではOFFになっているので注意してください。

今回の場合、このサンプルファイルを開くと未インストールのフォントが自動アクティベートされるのでインストールの手間が省けて便利です。

デザイン初心者からよく聞く「フォントを選べない」

デザイン初心者の方が「適切なフォントを選べない」と感じるのは、フォントの種類に関する知識が不足 しているケースが多いです。

すべてのフォントを覚えることは難しいですが、「このフォントはこんなイメージ」という自分なりの感覚を身につけることで フォントを選ぶ判断基準 を手に入れることができます。

例えば、「VDL ロゴJrブラックに似た印象で、もう少し可愛らしいフォントはAB J Gu」のように、フォント同士の関係性を意識して覚えておく ことをおすすめします。

フォントの形を一つずつ覚えるよりも、フォント同士の関係性を把握 することで、ロゴ制作やデザイン制作の際に、必要なフォントをスムーズに選択できるようになります。自分なりのフォントの地図を広げていきましょう。

Illustratorでの「フォント選択」に役立つフィルター機能

新しいフォントを見つけてはインストールしていくうちに、気がつけばフォント数が多くなってしまう ことはみなさん経験があるかと思います。

そこで役に立つのが、フォントを効率的に管理できるフィルター機能です。フィルター機能を使うと、膨大なフォントの中からでも目的のフォントをスムーズに見つけられます。 ただし、一部機能はまだ欧文しか使うことができません。そこで今回は、日本語でも使える便利な機能である「フォントの検索機能」と「お気に入り機能」について、詳しく解説していきます。

フォントの検索機能

使いたいフォント名をなんとなく覚えているときにはフォントの検索機能が便利です。

[文字] パネルの [フォント] にフォント名の一部を入力すると、該当するフォントが表示されます。例えば、「VDL ロゴJrブラック」を探したいときは、「VDL ロゴJr…」のように最初から入力するのではなく、「ロゴ」と入力すれば、フォント名に「ロゴ」を含むフォントがリストアップされます。

普段使い慣れている検索エンジンで行うような、ひらがなとローマ字を区別しない検索(「logo」と入力して「ロゴ」が表示されるような検索)はできないので注意が必要です。

またウエイトの絞り込みも便利です。次の画像の通りクリックしていくと、フォントを太さで絞り込めます。

太さでフォントを絞り込むボタンは、左側が一番細く、右が一番太い です。

フォントの検索機能で「Bold」や「Heavy」と入力して太いフォントを探すこともできますが、フォントによって太さの表記は統一されていません。

そこで便利なのが「太さボタン」です。このボタンを使えば、例えば「Black」「W9」「H」など、様々な表記で表現される太いフォントを一度に表示して見つけることができます。

お気に入り機能

「そもそも検索するためのフォント名を覚えておけない…」そんなときに役立つのがフォントのお気に入り機能です。

Illustratorでは、よく使うフォントを「お気に入り」として登録できます。

[文字]パネルでフォントリストを表示し、お気に入り登録したいフォントにマウスカーソルを乗せると表示される右側の☆をクリックします。

マウスカーソルを乗せないと☆が出現しない ので注意してください。

[フィルター]の★をクリックすると、お気に入り登録したフォントのみが表示されます。

お気に入りに登録できるフォント数には制限がないのですが、たくさん登録しすぎてしまうと使いにくくなってしまいます。

お気に入りに登録したけれど、あまり使わないフォントは★をクリックしてお気に入りから外しましょう(☆に戻ります)

「お気に入り」以外のフォントを使いたいときには、フィルターの★をクリックして「お気に入り」フィルターをOFFにします。

「あのフォントどこだっけ?」と探す時間はわずかかもしれませんが、積み重なると仕事の効率に影響します。

時間を節約するというよりは、目的のフォントが見つからないストレスから解放されるのが一番のメリット です。

まとめ

今回の記事では以下の内容をお伝えしました。

ロゴ制作において、フォント選びは非常に重要になります。なぜなら、フォントを加工せずに既存のフォントをそのまま使用して制作されるロゴも数多く存在するからです。つまり、デザイナーは数あるフォントの中から、そのロゴのコンセプトに最適なものを選び抜く必要があります。

今回紹介したフォントを実際に試して、フォントの印象の違いを体感してみてください。「VDL ロゴJrブラックは力強い印象だけど、AB J Guはもう少し丸みがあってかわいらしい」のように、それぞれのフォントが持つ個性の差を感じることが、最適なフォント選びの第一歩 です

フォントへの理解を深め、フォント同士の差を意識することで、ロゴ制作におけるフォント選びの迷いが少なくなり、より効果的なロゴデザインができるようになるはずです。

次回予告と補足コンテンツのお知らせ

今回紹介したフォントの使い分けについて、さらに詳しく知りたい方は、私のブログ「ベーコンさんの世界ブログ」内の「絶対フォント感より相対フォント感を身につけよう」という記事をご覧ください。楽しく解説していますので、ぜひお読みください。

次回は、今回紹介したフォントを使って実際にロゴを作っていきます。