さらに高速、高精度、高機能に。Adobe IllustratorとAdobe InDesignのクリエイティブプロフェッショナル向け最新機能

Adobe MAXが始まりました!つまり、Adobe IllustratorAdobe InDesignの新しいイノベーションとコア機能の強化をついに公開できます。これらの機能はクリエイティブなワークフローを最適化し、より高度なコントロールを提供することで、クリエイターは最も重要なタスクである「デザイン」により多くの時間を費やすことができようになります。

この開発プロセスには、世界中のクリエイターの皆様、そして皆様からいただいたフィードバックが欠かせませんでした。Adobe Live、Create NowCreative Jamといったイベントや、Adobe IllustratorAdobe InDesignのコミュニティなどで、オンラインあるいは対面で皆さんの意見に耳を傾けることをアドビは大切にしています。ワークフローの進化に伴うユーザーニーズをヒアリングすることは非常に重要であり、それにより、ユーザーの作業をより簡単にできる最適なツールを提供することができます。

それでは、Adobe IllustratorとAdobe InDesignの新機能をご紹介します。アプリケーションを最新バージョンにアップデートして、これらの機能をお試しください!

Adobe Illustratorの新機能

私たちは、UserVoiceSNSAdobe Illustratorコミュニティフォーラムに寄せられたご意見に耳を傾け、最も差し迫ったニーズが何か、そしてAdobe Illustratorの最も一般的なワークフローをどう改善すべきかについて、さらに詳しく調査しました。オブジェクトを整列、配置、移動する新しい方法から、画像トレースやモックアップ機能の改善まで、今日から使える数々の新機能をご紹介しましょう。

創作の新たな可能性をひらく「パス上オブジェクト」

Adobe Illustratorで頻繁に行う作業のひとつがオブジェクトの整列ですが、これまでは線形の整列のみに限られていました。オブジェクトをもっと柔軟に扱い、より多くの試行を通じてユニークなデザインを作成したいとの声がありました。 そこで、あらゆる形状のパスに沿ってあらゆる種類のオブジェクトを素早く取り付け、配置し、移動できる新機能「パス上オブジェクト」を開発しました。これにより、Adobe Illustratorに新しいデザイン手法が加わります。

「ポスターのイラストレーションで『パス上オブジェクト』を試してみて、今後は自分のレイアウトでこのツールを大いに活用できそうだと感じました。オブジェクトを並べ替えたり、レイアウト全体のバランスを調整できる点が気に入っています。Adobe Illustratorをアート制作に最適なアプリケーションにしてくれたことに感謝します。」

- 2Dイラストレーターのダン DTM フローレンス氏(Dan DTM Flores)

パス上オブジェクトにより、直線、円、長方形、曲線を含む直線など、任意のパスに沿ってオブジェクトを配置できるようになりました。オブジェクトはパスに吸着し、パスが移動するとあわせて移動します。また、オブジェクトの配置場所、オブジェクト間の間隔、回転角度も簡単に変更でき、ワークフローにおけるオブジェクトの扱い方が一新されます。

強化された「画像トレース」でラスター画像をより正確に変換

画像トレースは、Adobe Illustratorで最もよく使用される機能の1つです。クリエイターは、紙に描いたスケッチや、Adobe PhotoshopやAdobe Frescoなどのアプリケーションで作成したドローイングをベクターグラフィックに変換し、精度を保ちながら拡大縮小できるようにすることがよくあります。しかし、これまでは実際にAdobe Photoshopから持ってきた画像は、修正なしでパンフレットの印刷用に使えるほど正確ではありませんでした。アドビはこの点を考慮し、このワークフローをより簡単で高速なものにし、そして何よりも、変換後の編集やカスタマイズをする際に正確性を高められるように画像トレースを改善しました。

「今回の画像トレースのアップデートは出力品質の向上と機能の拡張が目的で、これによりユーザーはより優れた成果が得られるようになります。画像トレースのような長年にわたり提供されてきた機能の改良には特有の課題がありますが、ユーザーの皆様からの貴重なフィードバックが、コミュニティのニーズを満たす改善に向けた指針となっています。」

- Adobe Illustrator プロダクトマネージャー アーキットマサー(Archit Mathur)

最新バージョンの画像トレース機能では、新たに加わったグラデーションのサポートを含め、オリジナル画像により正確な、よりクリーンな線で鮮明なベクター出力を作成できます。出力されるベクターのアンカーポイントの数も減り、レイヤーパネルでパスをグループ化するオプションや、透明な背景をトレースしないオプションも追加され、編集性が向上しました。

「モックアップ」でリアルなプロトタイプを作成

多くのデザイナーが、製品パッケージ、アパレル、サインパネルなどの物理的なオブジェクトにアートを施した高品質なビジュアルプロトタイプを簡単に作成できる機能を求めていました。このリクエストに応えるため、Adobe Illustratorに「モックアップ」ツールを搭載しました。また、数か月前にこのツールをリリースして以降も皆様からのフィードバックを参考にさらに改良を重ねてきました。

そして本日、強化されたモックアップツールがベータ版を終了して正式リリースされました。最新バージョンではUXの合理化(例えば、直接ドラッグ&ドロップやダブルクリックでアートボード上にモックアップを配置可能)や、任意のラスター画像を取り込んで頻繁に使う画像のテンプレートとして保存し、ワークフローを高速化する機能が追加されています。

また、オブジェクトのエッジの回り込みが改善されたことで、ベクターアートがラスター画像により正確に、自動的にフィットするようになりました。特にファブリックのカーブとの整合性が改善されたことがユーザーに高く評価されています。

生産性とパフォーマンスのさらなる向上

私たちは、Adobe Illustratorのワークフローをより高速かつスムーズにして、ユーザーの生産性と創造性を向上させるための方法を常に模索しています。生産性をさらに向上させるヒントとしてAdobe IllustratorとAdobe InDesign向けの要望の多かった新機能10選をご覧ください。

スピードアップを実現する主な機能強化は以下の通りです。

Adobe InDesignの新機能

Adobe InDesignにも多くの機能が追加されています。ユーザーからのフィードバックやリクエストを直接反映したAdobe InDesignの新機能により、ワークフローの強化、一般的な操作の簡素化、コラボレーションの強化が実現し、貴重な時間を節約できます。

「生成拡張」で画像を拡張

サイズが合わない画像のレイアウトを調整したり、最適な画像を新たに探したりすることは、非常に時間がかかり、デザイナーにとって最大のフラストレーションの一つです。アドビは、たびたび耳にするこの悩みを解決するために、Adobe Fireflyを搭載した「生成拡張」を開発しました。既存の画像をお望みのレイアウトに合わせて拡張する作業が数秒で完了します。

数か月前に生成拡張を導入して以来、私たちはこの機能のさらなる改良に取り組んできましたが、本日ベータ版を終了して正式リリースできる運びとなりました。さらに使いやすく、より正確な結果が得られるようになっています。既存のグラフィックやドキュメントを、オリジナルの境界を越えて新しい寸法にフィットするように素早くリサイズし、膨大な手作業を削減します。生成されたアートワークはオリジナルのアートワークとシームレスに統合され、生成画像をAdobe Photoshopで開いてさらに微調整することもできます。

新しい画像を用意したり、既存の画像を手動で調整したりサイズ変更したりする必要はもうありません。Adobe InDesignから離れることなく、「生成」ボタンをクリックするだけで、またはテキストプロンプトで画像の拡張方法を指定することで、画像をレイアウトに合わせて拡張できます。

注意事項:生成拡張は現在、アドビがサービスを提供している地域で提供されており、安全に商用利用できるよう設計されています。なお、中国本土のユーザーには提供されていません。

Adobe ExpressでAdobe InDesignファイルを開いて編集

マーケティングや営業チームのメンバーなど非デザイナーから小さな変更を依頼されるたびにドキュメントを個別に変更するのは、デザイナーにとって時間がかかりフラストレーションがたまる作業です。この問題を解決するため、アドビはシームレスなAdobe ExpressとAdobe InDesignの連携を実現しました。これにより、コンテンツの編集用に標準テンプレートを1つ作成するだけで個別対応が可能となります。

Adobe InDesignでドキュメントをセットアップし、ワンクリックでAdobe Expressに書き出せば、デザイナーでなくても各自のニーズに合わせて必要な編集(価格や連絡先情報の更新など)を行えます。また、Adobe InDesignドキュメント内の重要な要素をロックして、他のAdobe Expressユーザーと共有するときでもブランドの一貫性を確保することができます。

テキストプロンプトから画像を作成する「テキストから画像生成」

作業中のドキュメントに使う画像を検索したり、調達したりするのも時間がかかる作業です。そこで、ワークフローのスピードアップのために、Adobe Fireflyのもう1つの機能である「テキストから画像生成」を導入しました。この機能を使用すると、シンプルなテキストプロンプトで画像を手軽に作成してプロジェクトに追加できます。すべてがAdobe InDesign内で、数秒で完了します。

4月に開催されたAdobe MAX Londonでベータ版をリリースして以来、特にブレインストーミングやレイアウトのアイデアを練るのに役立つとのご意見をいただいているこの機能がベータ期間を終え、本日正式リリースできることを嬉しく思います。生成したい写真やアートワークの簡単な説明を入力すると、Adobe InDesignが複数のバリエーションを迅速に生成します。バリエーション生成を何度か実行してレイアウトに適したものを選んでください。

注意事項:テキストから画像生成は現在、アドビがサービスを提供している地域で提供されており、安全に商用利用できるように設計されています。なお、中国本土のユーザーには提供されていません。

Adobe InDesignにMathML(数式)を挿入する

技術文書、教科書、マニュアルなどのレイアウトで数式を扱うのは複雑な作業です。ベースラインを手動で操作する必要があり、調整には多くの時間と労力がかかります。これまでは、高価なサードパーティ製プラグインを使うか、スクリーンショットや他の回避策に頼らざるを得ませんでした。

しかし、もうそのような必要はありません。このワークフローを簡素化するために、私たちは、Adobe InDesignで直接SVGとしてMathMLを挿入できる新機能を開発しました。数式スタイルは、フォントサイズやカラーを調整することで、ドキュメントのデザインに合わせることも可能です。これにより、視覚的な品質が向上し、アクセシビリティも改善されます。MathMLは数式をテキストとして構造化するため、レイアウト上で確認することができます。

Adobe InDesignで「エフェクトを生成(ベータ)」機能

Adobe InDesignドキュメントは、テキストが多くなりやすく、ユーザーからはレイアウトにより視覚的に魅力的なものにするための素早く手軽な方法を求める声がありました。

Adobe Fireflyのエフェクト生成(ベータ)機能を使えば、テクスチャ、グラフィック、パターン、イメージなどのエフェクトを、シェイプ、ベクター、文字のなかに追加できます。この新機能はAdobe InDesignのベータ版アプリでお試しいただけます。ぜひCreative Cloud Desktop (CCD)アプリのベータセクションからダウンロードしてください。

さらに生産性を向上させる機能群

最近、ユーザーからの要望が最も多かった以下の機能も追加しました。これにより、作業がさらにスピードアップします。

新機能でワークフローを最適化しましょう

Adobe IllustratorとAdobe InDesignを皆様のワークフローにフィットするように改善し、日々の作業をより快適なものにするには、双方向の対話が必要です。皆様からのフィードバックは、私たちのアプリケーションの将来をかたちづくる重要な要素であり、製品、デザイン、エンジニアリングの各チームは、そうした要望に常に目を配り、可能な限り迅速に対応できるよう努めています。

私たちの仕事に終わりはありません。皆様のご意見をいつでもお待ちしています。 アプリに関するご意見をお持ちの方は、ソーシャルメディアへの投稿に #AdobeIllustratorまたは#AdobeInDesignのタグを付けるか、illustrator.uservoice.com またはindesign.uservoice.com にアイデアを追加してください。

ユーザーの皆様の日頃からのご協力に感謝します。引き続き、ワークフローで解決したい課題やアイデアをお寄せください。そしてこのブログでご紹介した新機能をお試しいただき、ご意見をお寄せください。Adobe IllustratorとAdobe InDesignの両方を最新バージョンにアップデートして、すべての新機能をお試しください。Adobe MAXでのさらなる発表にもご期待ください。

この記事は2024年10月14日(米国時間)に公開された Even more speed, precision, and power: Get started with the latest Illustrator and InDesign features for creative professionals の抄訳です。