#507 前例のない企画を加速させる生成AI活用術 - クドウナオヤ

クリエイティブ・ディレクター / CMプランナーのクドウナオヤさんがゲスト。
Adobe Fireflyを始めとした生成AIは、ビジュアルアウトプットを作るだけでなく、その前段階の「企画プロセス」においても有用。企画者として目指すべき、実現難易度の高い“前例のない企画”を生み出す発想法と、それを実現に向けて加速させる生成AIの活用術を実践を交えてお送りします。

前例のない数々の実績

TV CMやミュージックビデオなどの映像を中心に、様々な企画をプラン・実現しているクドウナオヤさん、先ずはまさに“前例のない”実績をいくつか紹介していただきました。

写真, テーブル, 項目, 食品 が含まれている画像 AI によって生成されたコンテンツは間違っている可能性があります。

最近の“前例のない”実績

群馬の山の中に海の家、デコトラをADトラックにしてみたら、秋田犬でアイドル、こたつの上でホッケー、音楽に合わせてミックスジュースを作るマシン、等、どのように思いついたのか想像が出来ない数々の事例を解説していただきました。

案件ではなくパーソナルな企画として、「実のおじいさんにクドウナオヤさんの服を着せたら?」というSLVR. TETUYAは大きな話題となりました。

おもしろい企画とは?

「おもしろい」企画を考えるのがお仕事のクドウナオヤさんですが、「おもしろい」というのは極めて主観的なものであり、クドウさん自身も「おもしろい」を考えるということを止めてしまったとのこと。

テキスト AI によって生成されたコンテンツは間違っている可能性があります。

目指すべきは「あたらしい企画」

「おもしろい」を「あたらしい」と置き換えることで、誰でも相対的な判断ができるようになり、あたる確率も上がり、コンセンサスが得られやすいということです。「あたらしい企画」つまり「前例のない企画」というのがクドウさんの企画の基礎となっています。

テキスト AI によって生成されたコンテンツは間違っている可能性があります。

前例のない企画の問題点

仕事として進めていく上において、あたらしいことに対してクライアントさんは慎重です。それを打破するためにクドウナオヤさんは生成AIを積極的に活用しています。

グラフィカル ユーザー インターフェイス, アプリケーション AI によって生成されたコンテンツは間違っている可能性があります。

ビジュアル化することでクライアントも安心

これまで見たことのないアイディアも、ビジュアル化することで共感を得やすくなり、結果としてコンセンサスに繋がります。でも従来このビジュアル化には非常に多くのリソースが必要でした。生成AIを活用することで、企画を言語化したクリエイティブディレクターが自らビジュアル化することができるようになります。また、自身が見えていなかった問題点に気付く事もでき、企画の精度を上げていくことができます。

前例のない企画演習

前例のない企画を「思いつき」でなく方法論で考えてみる、と題して「バナナをいろんな『視点』で見て『Break the bias』して新しいバナナを企画」という演習を紹介していただきました。

ダイアグラム AI によって生成されたコンテンツは間違っている可能性があります。

Break the bias

一般的に「バナナ」から連想される視点を列挙した後、それぞれに対して逆の概念を当てはめる、つまり「Break the bias」していきます。その中からアイディアを膨らませてビジュアル化していきます。

グラフィカル ユーザー インターフェイス, Web サイト AI によって生成されたコンテンツは間違っている可能性があります。

手で持たない > ウェアラブルバナナ

番組では視聴者からいただいたお題「サンタクロース」で、Break the bias演習を実施、前例のないサンタクロースをAdobe Fireflyでビジュアル化してみました。

グラフィカル ユーザー インターフェイス, アプリケーション AI によって生成されたコンテンツは間違っている可能性があります。

脱毛、泥棒といったキーワードから生まれる前例のないサンタクロース

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クドウナオヤ

クリエーティブ・ディレクター、 CMプランナー
テレビCMやデジタルキャンペーン、アーティストのクリエーティブディレクションなど様々な領域を越境して企画を行う。New Yorkの国際広告コンペで世界一位になるなど、国内外の広告賞を数多く受賞。国内外の大学での客員講師も務める。近年では、孫の服を着たら一夜にして世界が注目するファッションアイコンとなった秋田の元教師「シルバーテツヤ」の“生みの孫”としても注目も集める。著作:「テツヤ85歳、孫の服を着てみたら思ったよりイケてた。」(KADOKAWA) など

番組のアーカイブ映像

ゲスト: クドウナオヤ/クリエーティブ・ディレクター、 CMプランナー

目次:
・クドウナオヤさんの活動
・”おもしろい”企画って?
・企画のざっくりプロセス
・企画の言語化 - ビジュアル化でAdobe Fireflyを活用
・CM/MVのような映像企画においてのAdobe Fireflyの活用法
・事例:「ano x Lilas Ikuta 絶絶絶絶対聖域」MV企画書
・前例のない企画を加速させるため、画像生成AIが有用なポイント
・ショートコーナー:DYNAMIC KITCH
・前例のない企画演習
・お題を視聴者から募集して「Break the bias」実践
・Adobe Fireflyでビジュアル化
・抽選会「今年初体験したあなたにとって前例のないできこと」結果発表
・エンディング(Creator's しりとりリレー:クドウナオヤ)