生成 AI と著作権?アニメーションで楽しく学ぼう Adobe Firefly の安全性への取り組み
Adobe Firefly と一般的な生成 AI との一番の違いは、学習に使われるデータにあります。Firefly は、インターネットから、画像やイラストや動画を収集して学習することはありません。生成 AI の生成物が無断で学習した著作物に類似していた場合、その生成物の利用者は、著作権侵害を問われるリスクがあるためです。
Firefly が学習に使用しているデータは、基本的に、AI に学習させる許可を事前に得た作品か、著作権の無い作品です。このアプローチは、AI 生成物の利用者の安全性を格段に高めます。
とはいえ、実際に学習に使用されているデータを確認できないとしたら、Firefly の利用者が、自らリスクを評価することはできません。そのためアドビは、Firefly の学習データの出自を公にしています。Firefly が学習している著作物は Adobe Stock に公開されているため、誰でも直接見て確認することが可能です。
学習データの透明性は Adobe Firefly の特徴の一つ(下の動画のワンシーン)
こうした Firefly の商用利用における安全性確保の取り組みを説明しようとすると、どうしても理屈っぽくて堅い話になりがちですし、文字を読んでもなかなか頭に入りにくいものです。そこで公開されたのが、登場するキャラクターたちが楽しくわかりやすく 5 分でこのトピックを紹介してくれるアニメーション動画です。
Firefly を活用した機能やサービスが次々に登場していて便利そうではあるけれど、仕事で使うのはなんだか不安という方は、是非一度ご覧になってみてください。
上の動画で紹介されている内容は、アドビの「AI 倫理」に対する取り組みの成果とも言えます。アドビは、「説明責任」「社会的責任」「透明性」という 3 つの基本理念を掲げ、それらを実行可能なガイドラインへと落とし込んで、AI 機能の設計、開発、そして市場への展開まで網羅する標準化されたプロセスに組み込みました。
この取り組みはアドビが本格的に AI を前面に打ち出した 2019 年に始まったものです。それから 5 年間でアドビ製品に搭載された数百の AI 機能に対し、開発の各局面において AI 倫理のガイドラインが反映されてきました。その一例が、ユーザーの安全性に配慮した Firefly の学習データに関するポリシーと考えられます。いまでは「責任あるイノベーション」は、アドビが掲げるスローガンの一つになっているようです。
アドビ製品に搭載された Firefly 機能の一例(上の動画のワンシーン)
生成 AI に関して、アドビはクリエイターに 9 つの約束をしています。以下はその抜粋です。詳細はこちらのページからご確認いただけます。
- Firefly の学習にユーザーのコンテンツが使用されることはない
- Firefly を使って作成したコンテンツの所有権をアドビが主張することはない
- アドビは、Firefly の学習にコンテンツが使用された Adobe Stock コントリビューターに対して報酬を支払う
- https://blog.adobe.com/jp/publish/2024/04/09/cc-firefly-camp-vol1-generative-ai-and-copyright
- https://blog.adobe.com/jp/publish/2024/06/03/cc-firefly-generative-ai-and-copyright-risks-and-usecases
- https://blog.adobe.com/jp/publish/2024/05/07/cc-firefly-generative-ai-and-copyright-authenticity-of-ai-generated-content