Adobe Photoshopの35年間にわたるクリエイティビティやコミュニティ、そしてイノベーションを祝して

35年前、Adobe Photoshop 1.0が登場し、クリエイティブ業界を一変させ、デジタルによる画像制作とデザインの新しいアプローチを切り開きました。それ以来、世界中の才能あふれるデザイナーやフォトグラファー、アーティストなどの世界規模のコミュニティが、それぞれのビジョンを形にするために常に創造の限界を押し広げて来ました。並行して、私たちはコミュニティからのフィードバックと刺激を受け、Adobe Photoshopの能力を拡大し続けてきました。この記念すべき日に、祝福とともにこれまでの歴史を振り返り、Adobe Photoshopを今日あるものへと育ててくださった皆さんに感謝の気持ちをお伝えします。

思い出を振り返るとともに、ぜひ2月20日〜2月28日の間に、皆さんがAdobe Photoshopを使って制作した作品をInstagramやXに投稿してください。#Photoshop35周年 を付けて投稿すると、抽選で35名にAdobe Photoshopグッズが当たるキャンペーンを実施しています。詳細はこちらをご覧ください。 また、ちょっとした懐かしさを感じたい方は、Adobe Photoshop(ベータ版)アプリの起動画面をチェックしてみてください。

Adobe Photoshopの数十年を振り返る

1990年:Adobe Photoshopの誕生

1990年2月19日、Adobe Photoshopが誕生し(※)、フォトグラファーたちはかつてないほど多くのツールとコントロールを使って作品を制作できるようになりました。写真の編集と修正のための強力なデジタル画像編集ツールを備えたAdobe Photoshopは、トーマス ノール(Thomas Knoll)氏とジョン ノール(John Knoll)氏によって開発され、当初はスキャンした画像の編集用ツールというニッチな存在だったものの、またたく間にクリエイティブなワークフローに欠かせないものとなりました。

(※)日本での発売開始は翌1991年4月

© Jeff Schewe.

1989〜91:Adobe Photoshopがハリウッドに進出

Adobe Photoshopの初期バージョンは、正式リリースに先駆け、映画『アビス(The Abyss)』(1989年)の視覚効果に使用されました。Adobe Photoshopの共同開発者で、この映画の視覚効果スーパーバイザーを務めたジョン ノール氏は、水が「仮足」に変形する画期的なシーケンスの制作にAdobe Photoshopを活用しました。これがAdobe Photoshopのハリウッド進出の第一歩となり、数年後の『ターミネーター2(Terminator 2)』(1991年)での大活躍への道筋となりました。1994年に導入された「レイヤー」機能や「非破壊編集」機能などのAdobe Photoshopの高度な機能により、映画制作者は視覚効果やポストプロダクション作業をかつてないほど自在にコントロールできるようになりました。

1994年:「レイヤー」機能がデジタルデザインに革命をもたらす

Adobe Photoshop 3.0は、画像のさまざまな要素を個別に分離して操作できる画期的な機能である「レイヤー」を導入しました。 このたった1つの革新が、デジタルデザインのワークフローに新しい常識を打ち立てました。

1995年:非破壊編集が業界標準に

「調整レイヤー」機能、「ブレンドモード」機能、「レイヤーマスク」機能の導入により、アーティストの画像編集方法が変化し、オリジナル画像を変更することなく、カラー、明るさ、コントラストを変更できるようになりました。

© Wayne Palmer.

1998〜99年:誰もが知る存在に

1998年にリリースされたAdobe Photoshop 5.0は、「ヒストリーパネル」機能と「レイヤー効果」機能の導入により、主流派ツールに向けた転換点となりました。これらの機能によって複雑な編集がより手軽に行えるようになり、Adobe Photoshopは、広告、印刷メディア、そして新たに登場したオンラインコンテンツにおいて広く使われるようになりました。1990年代後半には、Adobe Photoshopはプロフェッショナルな分野とクリエイティブな分野の両方で広く認知されたツールとして確立され、デジタルな画像表現とポップカルチャーの両方に影響を与えました。

皆さんと共に歩んだ最初の10年

制作ワークフローを豊かにする新しい方法を模索し、果敢に挑戦してくださった初期からのユーザーとパイオニアの皆さんに感謝いたします。 皆さんは当初からAdobe Photoshopの可能性を見抜き、受け入れてくださいました。皆さんの情熱、才能、クリエイティビティ、そして貴重なご意見が製品開発の原動力となり、Adobe Photoshopを単なる編集ツールから、画像制作とデザインの業界標準へと進化させました。

2000年代の進化

2001年:「ゆがみフィルター」機能のリリース

「ゆがみフィルター」機能がデザイナーやフォトグラファーの人気を集め、現実離れしたな歪みや精密なレタッチを簡単に実現できるようになりました。

2002年:「修復ブラシツール」機能

このツールは、画像のテクスチャをシームレスにブレンドすることで欠陥を瞬時に消すことを可能にし、写真のレタッチに革命をもたらしました。「修復ブラシツール」機能の登場は、フォトグラファーやレタッチャーにとってまさにゲームチェンジャーでした。

2003年:Creative Suite時代とAdobe Camera Raw

Adobe PhotoshopはAdobe Creative Suiteの一部となり、Adobe IllustratorやAdobe InDesignなどのツールとシームレスに統合され、クリエイティブなワークフローが強化されました。さらに、Adobe Camera Rawの導入により、フォトグラファーはAdob Photoshopで直接RAWファイルを編集できるようになり、画質を維持したままで、よりシンプルな編集プロセスが実現しました。

© Russell Preston Brown, アドビ シニア プリンシパル デザイナー(@dr_brown).

2007年:Adobe Photoshop Lightroom

この年発表されたAdobe Lightroomは、フォトグラファーやAdobe Photoshopユーザーにとって、高品質な編集やコンテンツ制作を行うための強力な画像編集ツールとなりました。偶然にも、Adobe LightroomとAdobe Camera Rawは、Adobe Photoshopと同じく2月19日が誕生日です。これら3製品は、年は違えど同じ日に発表されたのです。

2010年:「コンテンツに応じた塗りつぶし」機能

Adobe Photoshopは「コンテンツに応じた塗りつぶし」機能を導入し、これまでにないほど簡単に、かつインテリジェントに、画像から不要なオブジェクトを消したり置き換えたりできるようになりました。この機能を発表した当時の動画は、YouTubeで初めてバズった動画の1つとなりました。

2018年:Adobe Photoshopが技術界のアカデミー賞を受賞

映画芸術科学アカデミーは、デジタル映画制作と視覚効果に与えた画期的な影響を評価し、Adobe Photoshopに科学技術賞を授与しました。

2018年:「被写体を選択」機能で複雑な選択を簡素化

機械学習を搭載した「被写体を選択」機能により、ユーザーはワンクリックで正確なオブジェクトの選択が可能になり、複雑なワークフローの時間と労力を削減できるようになりました。

© Aaron Nace (@aknacer).

2019年:Adobe Photoshop iPad版

Adobe Photoshopは、最高クラスのテクノロジーをタブレットに搭載し、クリエイターに場所を問わず、自由で柔軟な制作環境を提供しました。

2023年:Adobe Photoshop web版

Adobe Photoshopは、より直感的なインターフェイスで新しいユーザーを支援することに重点を置き、合理化されたユーザーエクスペリエンスを備えたアプリとしてwebブラウザー用に再設計されました。

2023年:「生成塗りつぶし」機能とAdobe Firefly

安全に商用利用可能な画像生成モデルであるAdobe Fireflyを搭載した「生成塗りつぶし」機能の登場により、私たちはクリエイティビティを表現したり、思い通りの作品を作ったりするための新しいアプローチを手にしました。この機能が導入された以降も強力な生成AI機能の数々が追加され、豊かなコンセプトをすばやく発想したり、生産性を向上させたり、複雑な作業を簡素化したりできるようになりました。

© Ted Chin (@tedslittledream).

Adobe Photoshopの新しい時代へようこそ

今までのAdobe Photoshopの繁栄は、皆さんの活気あふれるクリエイティビティ、貴重なご意見、そして将来を見据えたご要望のおかげです。今、皆さんと共に私たちはAdobe Photoshopの新しい時代に突入し、究極の想像力を刺激する強力なソリューションを開発するために協力し合っているところです。皆さんのインスピレーションあふれるクリエイティビティは、よりスマートなツールの開発や、さまざまなデバイスへの展開だけでなく、製品を取り巻くカルチャーの発展に欠かせないものであり、ここで改めて感謝をお伝えします。

2025年以降の展望

この記事では、Adobe Photoshopの35歳の誕生日を記念して、これまでの歴史を振り返りました。過去の回想は楽しいものですが、それよりも皆さんと共に未来を見据え、クリエイティビティの未来を形作っていくことの方がもっと楽しみです。私たちは、皆さんが思い描くあらゆるものを創造できるような製品を作るために努力を続けます。製品のイノベーションは、皆さんの情熱とフィードバックによって生まれます。ぜひ一緒にこの道のりを歩みましょう。また、オンラインでもオフラインでも、他のクリエイターとの交流を大切にしてください。

この日を共に祝いましょう

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©Natalia Seth (@nataliaseth).

©Amelie Satzger (@ameliesatzger).

© Ted Chin (@tedslittledream).

© Nana Frimpong Oduro (@frizzlemadeit).

Adobe Photoshopのストーリーは、皆さんのストーリーでもあります。グラフィックデザイナー、フォトグラファー、VFXアーティストなど活躍する分野は異なっても、皆さんの作品は世界を形作り、数えきれないほど多くの人々にインスピレーションを与えてきました。この記念日は、ただ振り返るだけでなく、一緒に未来を見据える日でもあります。

ぜひ2月20日〜2月28日の間に、皆さんがAdobe Photoshopを使って制作した作品を、#Photoshop35周年 を付けてInstagramやXに投稿してください。抽選で35名にAdobe Photoshopグッズが当たるキャンペーンを実施しています。詳細はこちらをご覧ください。 私たちも、今年1年を通してさらに多くのアップデートやイベントをご案内していく予定です。

無限のクリエイティビティが広がる次の10年に乾杯!

この記事は2025年2月19日(米国時間)に公開されたCelebrating 35 years of creativity, community, and innovation with Adobe Photoshopの抄訳です。