まるみデザインファーム「ひとりじゃない。みんなで学び、成長する」|ACLCコミュニティ紹介
Adobe Community Leaders Club(以下、ACLC)は、クリエイティブ業界をリードするコミュニティの活動を支援し、その取り組みを広めるためのプラットフォームです。各コミュニティが実施するイベントやプロジェクトの活動レポートを発信し、学びや交流の機会を提供することを目的としています。
今回は、Adobe Community Leaderの倉又美樹さん(以下、まるみ)(通称:まるみ師匠@nicoicon_design)が主催する「まるみデザインファーム」をご紹介します。
Adobe Community Leaders Clubについて
https://www.adobe.com/jp/creativecloud/roc/adobe-community/leaders-club.html
2025年3月22日、アドビオフィスの会議室を使って開催された「まるみデザインファーム Adobe MAX振り返り会」
どんな人でもデザインの話ができる場、それが「まるみデザインファーム」
「まるみデザインファーム」は、“師匠と弟子”という仕組みを活かし、ひとりでは解決できない問題に、コミュニティ全体で取り組む場です。
勉強方法に悩む人、スクール卒業後の進路がわからない人、社内でひとりデザイナーとして孤独を感じる人、新規案件の受注に苦戦している人など、さまざまな悩みを持つ人が集まり、お互いに学び合いながら成長できる環境が整っています。
コミュニティの主な活動はSlackを活用したメンバー同士の交流です。ツールの操作や仕事探しの相談、さらには日常の雑談やちょっとした愚痴まで、何でも気軽に話せる場になっています。
「一般的なソーシャルメディアでは意見交換に戸惑うこともありますが、このコミュニティではベテランから初心者まで幅広いメンバーが存在し、それぞれの立場から意見交換が行われています。初めて参加する人でも驚くほど活発な場ですよ!」と、まるみさんは言います。
発信することが苦手でも、“見るだけ”の参加も大歓迎。この気軽さが、多くの人にとって心地よい居場所になっています。
普段はSlack上で活発にコミュニケーションが行われている
「まるみデザインファーム Adobe MAX振り返り会」の様子。オンライン参加者へ向けて画面越しに笑顔で挨拶するメンバー
イベントでは参加者の笑顔が絶えず、終始和やかに進んだ
駆け出しだった頃の自分を助けたい。
その想いが“人生をポジティブに変える”コミュニティへと発展
「まるみデザインファーム」は2021年10月に発足し、2025年3月現在、640名を超えるメンバーが在籍する大規模なコミュニティへと成長しました。特に特徴的なのは、参加者の約9割が女性であることです。
このコミュニティが生まれたきっかけは、まるみさんが過去に展開していたウェビナー「できるかもデザイン」でした。ウェビナーのファンが増える中、SNSで「弟子が欲しいな」とつぶやいたところ、なんと100名以上からメッセージが届いたのです。その反響を受け、「コミュニティとして展開すれば、もっと多くの人をサポートし、ハッピーにできるのではないか?」と考え、コミュニティの立ち上げを決意しました。
「わからない事があればなんでも聞いて欲しい。後進を育てたいです。」と語る、倉又美樹 氏
まるみさんは、Webデザイナーとして活躍しながら講師業をこなし、さらに母親としての生活も送る忙しい日々を過ごしています。そんな中でも、コミュニティ運営を続ける理由とは何なのでしょうか?
「一番のモチベーションは、“かつての自分を助けたい”という想いです。自分が駆け出しだった頃はデザイナーとして独り立ちするのはとても大変で、当時は“背中を見て学べ”という時代。先輩に質問することすらハードルが高く、悩みを抱えたまま一人で試行錯誤していました。だからこそ、困ったことを気軽に相談できる環境を作りたかったんです。」
さらに、日本では若い人口が減少している中、「手間のかかるコミュニケーションではなく、お互いに知識を共有しながら、より良いデザイン業界を作っていきたい。」という想いも、この活動の原動力となっています。
困っていた過去の自分の姿と、デザイナーを目指すすべての人を支えたいという想いが重なり合い、『かけだしデザイナーをひとりにしない、みんなのデザインコミュニティ』 という理念のもと、このコミュニティが誕生しました。
リアルイベントは子供も楽しく参加できるアットホームな雰囲気
コミュニティ運営を通じて自身の成長も実感。
「みんな、好きに生きろ!」
イベントで着用したパーカーの文字はコミュニティメンバーの書のデザインだと紹介
コミュニティ運営を通じて、まるみさん自身の仕事の幅が広がり、複数人のプロジェクトマネジメントもできるようになったことは、大きな成果の一つだといいます。
また、コミュニティの参加者からは「人生が変わった」という声も多く寄せられています。仕事が見つかっただけでなく、結婚につながった!など、思いがけないポジティブな変化を経験した人もいるそうです。そんなメンバーのエピソードが、まるみさん自身にとってもコミュニティ運営の喜びにつながっています。
このコミュニティが誕生したのは、ちょうどコロナ禍の時期。自分の生き方を見つめ直す人が増えたタイミングでした。デザイナーとしてのキャリアに悩む人が集まり、どうすれば理想を実現できるのかを模索する場になっていったのです。
「発信することは簡単ではないけれど、誰かが背中を押すことで一歩踏み出せることもあります。私はその “あとおし” をしたいんです。」と言うまるみさん。
『好きに生きろ!』というメッセージを大切に、ひとりひとりの “やりたいこと” を少しでも後押しできる存在でありたいという想い。それが、このコミュニティの根幹にある優しさなのでしょう。
2025年2月に開催したAdobe MAX Japan 2025でのメンターセッション登壇の様子
2025年2月に開催したAdobe MAX Japan 2025へ、コミュニティで参加したときの様子
最近では、小学生から60代の方まで幅広い世代のメンバーが参加し、さらに活動の広がりを感じているそうです。
「これからも、初心者からベテランまでレベルに関わらず、もっとメンバーの枠を広げていきたい。さまざまな人に参加してもらえるコミュニティにしていきたいです。」と、まるみさんは今後の展望を語ってくれました。
コミュニティを作るなら、まず理念を発信してみよう!
イベントではデザイナーが困っていることについてのディスカッションでは活発に意見が飛び交った
「ひとりでコミュニティを運営するのは大変です。しかし、共感できる仲間を見つければ、負担は大きく減ります。コミュニティを作りたいと思ったら、まずは自分の理念を発信して、共感してくれる人を探してみてください。」
コミュニティを作るために必要なこととして彼女が強調するのは、“まずは自分の想いを発信すること”。「こんな場を作りたい!」と声を上げることで、同じ価値観や目標を持つ人が集まり、自然と支え合える関係が生まれます。
もちろん、新しいことを始めるときには不安がつきもの。しかし、ほんの少しの勇気を出すことで、新しい可能性が大きく広がるのです。最初から完璧を目指す必要はありません。小さな一歩でも大丈夫。あなたの発信が、誰かの背中を押し、クリエイティブ業界をさらに豊かにするかもしれません。
あなたの想いが、未来のコミュニティの種になります。ぜひ、その第一歩を踏み出してみてください!
まるみデザインファーム
https://marumi-designfarm.com/page
アドビオフィスで開催された、「まるみデザインファーム Adobe MAX振り返り会」に参加したメンバーとの記念写真
Adobe Community Leaders Clubは、単なる情報交換の場ではなく、共に学び、成長し、業界を盛り上げるためのコミュニティです。あなたの経験やアイデアが、次世代のクリエイターにとって大きな刺激になるかもしれません。
「クリエイティブの力をもっと広めたい」「自分のスキルを活かして誰かの役に立ちたい」——そんな想いを持つあなたこそが、このコミュニティの未来を作るリーダーです。
ぜひ一緒に、新たな価値を生み出していきましょう!
Adobe Community Leaders Clubについて
https://www.adobe.com/jp/creativecloud/roc/adobe-community/leaders-club.html