ロゴやシンボルから背景込みのビジュアルを生成する:現場で役立つ Adobe Firefly 第 16 回
本連載では、デザインの現場ですぐに役立つ Adobe Firefly の活用術をお届けします。第 16 回は、Adobe Photoshop の「画像を生成」を使用して、シンボルマークからさまざまなビジュアルを生成するアイデアのご紹介です。
※ この記事の内容は、8 月 19 日(火)に配信された「Photoshop 生成機能をもっと使いこなす 4 つのヒント | Firefly Camp【中級】」で、タマケンが紹介した内容に基づいています。当日の動画は以下からご覧になれます。(39 分 30 秒あたりから)
動画内で使用しているサンプル(ZIP: 127MB)はこちらからダウンロードできます。(個人学習以外の目的での利用はご遠慮ください)
シンボルからビジュアルを生成する
今回は、Photoshop「画像を生成」機能の「コンポジション」を活用して、あらかじめ作成しておいたシンボルマークから世界観のあるビジュアルを生成します。
コンポジションに指定するシンボルマークは以下のものです。この形状を使ってさまざまなビジュアルを生成します。(コンポジションについては、前回も簡単に紹介しています)
Photoshop の「画像を生成」ダイアログを開き、プロンプトに「真上から見た道路」と入力します。そして、コンテンツタイプを「写真」にします。
「コンポジション」に上の画像を指定します。シンボルの形にできるだけ忠実な画像が生成されるように、強さの指定は最大にします。
生成ボタンをクリックします。背景はプロンプトに記述していないため、Firefly が自由に背景を生成します。今回は以下のような背景が生成されました。自分でつくろうとするとかなり手間のかかる背景でも短時間で生成されますし、気軽に何回も生成し直して結果を比較できるのがこの方法の便利な点です。
様々なバリエーション
同じシンボルを使っていても、プロンプトを変えると様々なバリエーションを生成できます。つまり、アイデア次第で興味深い画像を次々に生成することが可能です。
ここからはいくつかの生成例をプロンプトと共に紹介します。コンポジションに指定している画像は全て共通です。プロンプトを変えるだけで全く異なるテイストの画像が生成されることがよくわかる 8 つのサンプルです。
- 真上から見たプール
- レンガの壁に設置したパイプ
- 白い紙の上にゴールドの絵の具で描いた線
- ネオンの電飾、黒いレンガの背景
- 真上から見たパン
- 精密機械、歯車
- 氷でつくられたシンボル、白背景
- 白の刺しゅう、赤い布の背景
メッセージを追加して応用する
このようにして生成した画像にテキストやロゴを使ってメッセージを追加すると、SNS などで使えそうなビジュアルを作成できます。下は、「真上から見た道路」のプロンプトで生成した画像を素材に、Connect という架空の会社を紹介するという想定で作成された例です。
次の例のように、生成拡張を使って横に画像を広げてテキストを配置することもできます。
まず、横にスペースを作成します。
プロンプトは入力せずに生成拡張を使用します。指示がないため、Firefly が自由にスペースを埋めます。
新しくできたスペースに文字と企業ロゴを配置します。
頂いた質問への回答
Q: プロンプトはどうやって考えてますか?
A: まずは直感的に思いついた単語や短いフレーズを、できるだけ簡潔に入力します。その結果を見ながら、「何が足りなかったか」「何を強調すれば良いか」を考えて、言葉を追加したり言い換えたりしながら調整しています。一発で理想の結果を出そうとするより、試行錯誤を前提にしたプロンプト設計がコツです。
Q: モックアップも簡単に作れますか?
A: まずは直感的に思いついた単語や短いフレーズを、できるだけ簡潔に入力します。その結果を見ながら、「何が足りなかったか」「何を強調すれば良いか」を考えて、言葉を追加したり言い換えたりしながら調整しています。一発で理想の結果を出そうとするより、試行錯誤を前提にしたプロンプト設計がコツです。
Q: 一発勝負で再現性があまりないので 「テイストやタッチは気に入ったので、形だけ変更してくれ」というようなクライアントの修正に対応できないのではないかと思うので、実際にはプレゼンできないです。 なんだかんで微妙に違ってしまいますよね?
A: おっしゃる通り、生成 AI は完全な再現や細かな部分修正にはまだ向いていません。特に「テイストはそのままで、形だけ変えたい」といった要望には応えづらく、毎回ランダム性があるため細部の一致は難しいです。そのため、提案段階やアイデアスケッチとして使い、決定稿は手作業で調整するのが現実的な使い方です。AI 生成をゴールにせず、素材の一つとして捉えると、実務でも活用しやすくなります。
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