次世代のデジタルコンテンツクリエーターとイノベーターの育成

韓国の延世大学は、1885年に設立された名門校ですが、最近では、より未来に目を向け、学生がデジタルの世界でトップに立つために、デジタルリテラシー教育に注力しています。

延世大学グローバルリーダーズカレッジ助教授のSang Min Kim氏は、「デジタルリテラシーは新たな世界共通言語であり、現代の知識人にとって必要不可欠なスキルです」と語ります。「単なる消費者ではなく、自由自在な創造者となった学生は、まったく新しいチャンスをつかむことができます。」

3つのキャンパスの35,000人の学生にデジタルリテラシー教育を展開するのは、簡単なことではありません。しかし延世大学は、アドビとのパートナーシップもあって、それを実現しています。延世大学はAdobe Creative Campusとして、学生や教員にAdobe Creative Cloudのツールを提供しているだけでなく、幅広いデジタルリテラシーのカリキュラムを構築し、デジタルスキルを発揮できるキャンパス環境を整備しています。

延世大学がデジタルリテラシーを実現しているいくつかの方法をご紹介します。

コンテンツ・ライティングとビジュアル・ストーリーテリング:新しいリベラルアーツ・カリキュラム

延世大学では、教養学部のライティングカリキュラムにデジタルメディアのワークショップやセミナーを追加し、Adobe Rushなどのツールを使ってコンテンツのインパクトやリーチを高める方法を学生に教えています。

「コンテンツライティングとビジュアルストーリーテリングは、新しいライティングスキルです。写真、ビデオ、グラフィック、オーディオを使って自分を表現することの重要性は、いくら強調してもし過ぎることはありません。」と、延世大学グローバルリーダーズカレッジ講師のYoung Hyo Bak氏は述べています。「そして今では、デジタルリテラシースキルは、急こう配の学習曲線を経ることなく、簡単に習得できるようになっています。」

ヘルスケアスタートアップ:医学部のイノベーション

医科大学では現在、医療デジタルリテラシーコースが開講されており、学生はAdobe XDを使って自分のデジタルヘルス・スタートアップのためのアプリケーションを試作しています。また、同学部では、Adobe Character Animatorを使ってアニメーションのチューターシステムを作成しました。

延世大学の教育大学院で講師を務めるEun Joon Lee氏は、「ヘルスケア分野は急速に変化しており、従来の教育方法はもはや通用しません」と語ります。「私たちは、デジタル技術が急激に進むヘルスケア業界の動向にそって、学生を指導する必要があります」と述べています。

オープンワークショップ:学生と教員が新しいことを学ぶ

延世大学の学生や教員は、学部に関係なく、幅広いセミナーやワークショップに申し込むことができ、アドビのツールを学び、業界のトレンドを把握することができます。

Adobe Sparkを使ったワークショップでは、画像やビデオを使ったアニメーションのWebページを作成することができました。学生たちは、自分の勉強を管理したり、講義ノートを記録したりするためのウェブサイトを作成しました。教員は、授業で使用するビジュアルコンテンツを作成しました。

また、iPadを使ってAdobe Aero、Adobe Fresco、Adobe PhotoshopでAR(拡張現実)を体験するワークショップも行われました。「学生の参加率は非常に高く、熱心に取り組んでいました。自分たちが作ったものに命が吹き込まれるのを目の当たりにして、ARのコンセプトを身をもって学ぶことができました。」と、Sang Min Kim氏は言います。

さらに、UI/UXの原則に焦点を当てた別のワークショップでは、Adobe Photoshop、Adobe XD、Adobe Rush、Adobe Premiereを使ってマルチメディアプレゼンテーションをデザインしました。「この多面的なプロジェクトを通じて、学生たちはデザイン、制作、コンテンツの配信と管理という一連の流れを体験することができました。これは、デジタルリテラシーの重要なスキルです」と、Sang Min Kim氏は語ります。

未来の授業を創る

他の高等教育機関と同様に、延世大学も、目まぐるしく変化するテクノロジーの進化に対応するという課題に直面しています。それは、延世大学の取り組みが常に進化していることを意味しています。学生が使用する最新のソフトウェアやハードウェアへの投資から、従来の教室の境界を取り払うスマートキャンパスプロジェクトまで、見通しは明るいものです。

「デジタルコンテンツの共有、デジタルツールの新しい使い方の発見、革新的な問題解決能力の育成、これらがすべてユビキタスに行われ、誰もが教師であり学生でもあるのです。これは、デジタル時代の反転授業のようなものです。」と、Sang Min Kim氏は語ります。