「沖縄市子ども議会」Creative Problem Solvingワークショップ実施レポート
5月16日に子ども達が地元の課題を調査し解決策を提案する『沖縄市子ども議会』にて、オープンソース化されたDesign Jimoto 未来ビジョンワークシート with SDGsによるワークショップを実施しました。
梅雨を予感させるようなお天気が続いておりますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?Creative Cloud Community Managerの武井です。
去る5月16日(日)子ども達が地元の課題を調査し解決策を提案する『沖縄市子ども議会』にて、オープンソース化された Creative Problem Solving ワークシート(Design Jimoto 未来ビジョンワークシート with SDGs)によるワークショップを実施しました。今回は状況を考慮し、オフラインとリモート連携にて沖縄の生徒さんたちにデザインプロセスを通じた課題の深堀から解決アイディアを導き出す体験をしてもらいました。
町の課題を考える「沖縄市子ども議会」
沖縄市では2014年度から毎年、子ども達が市の課題を調査し解決策を提案する子ども議会を開催し、年間通して議員を務める市内の中学生に任命状が手渡され、数回のインプットセッションやフィールドワークを通して気付いた社会課題や問題をこども議員自身で解決するために行動するプロジェクトです。
沖縄市子ども議会(マイプロジェクト沖縄市)についてはこちら。
実施目的
- 社会問題に対する Creative Problem Solvingの手法を体験する
- デジタルツールを活用した課題解決フレームワークを通して、ディスカッションからアイディアを導き出し、解決に向けたアクションの一連の流れを体験する
- 課題の解決には様々なアプローチがあることを理解する
今回のテーマ:「貧困問題」に対する背景説明
まずイベント冒頭では、元沖縄市役所職員の方とグラミン日本メンバーより、「日本の貧困問題」「沖縄の貧困問題」についての現状の説明があり、「絶対的貧困」と「相対的貧困」について学びました。
Creative Problem Solving ワークショップ
今回はイベント現場と繋いでリモートでワークショップスタートです!チャレンジングな状況の中、現場スタッフも出来る限り、リモートチームと参加学生さん達がコミュニケーションの取れる場づくりに試行錯誤してくれました。
Design Jimoto 未来ビジョンワークシート with SDGsとは?
本ワークショップで活用したのは、誰でも簡単にデザインのプロセスを通じて自分たちの身の回りの問題を深ぼることのできるワークシート「Design Jimoto 未来ビジョンワークシートwith SDGs」、社会課題に向き合うコミュニティーの場づくりや解決アイディア出しだけでなく、企業内でのチームビルディングや新規事業のアイディア出し、学校での活用も始まっています。
XD版・PDF版のワークシート活用希望の方はこちら👇
Design Jimoto 未来ビジョンワークシート with SDGs 活用リクエストフォームより必要事項入力の上、本ワークシートをダウンロード下さい。
デジタルツール学びの場
ここから実践的なUI/UXデザインの共同作業ツールXDの操作方法を学び、アイディア出しのプロセスを見える化する方法をCreative Cloud Evangelistの仲尾さんより説明してもらいました。早速 XDの共同編集機能を使って参加者全員に同じファイルに入ってもらいました。参加生徒さん達、最初は戸惑いもあったようでしたが、そこは流石デジタルネイティブ世代。すぐにツール操作にも慣れ、書体や色など入力情報のデザイン性にまでこだわるチームも多く見られました。
実際のワーク開始!
参加学生さんたちは、各テーブル5人1チームに分かれ、PCを囲んでワークシートの課題深堀プロセスに沿って頭をフル回転で取り組みました。
日々の生活から内省👉課題の理解と共感👉グループディスカッションで問題定義👉未来ビジョンを導き出し👉アイディア出し👉アイディア実現のリソース把握
最初の個人ワーク部分では、最近の自分の生活の中で心がざわざわしたり、課題として感じることを素直に書き出し、次のグループディスカッションで意見交換をしました。
課題の洗い出しが終わると、出てきた課題をベースとして自分たちが目指したい未来ビジョンを打ち出します。そして、自分たちの未来ビジョンがSDGs(持続可能な開発目標)17項目の何に該当するのかをカードを使って視覚化しました。
導き出した解決アイディアの共有タイム
ワークショップの最後には、自分たちの思考のプロセスを振り返りながら導き出した解決アイディアを周りの参加者と共有しました。社会課題を自分ごと化し、前向きな実現性のある解決アイディアをたくさん出してくれました。
参加学生の感想
- みんなで1つワークをする機会は今までなかったのでいい勉強になったし、仲良くなった気がします。
- 自分の意見をたくさん書いて一つにまとめていくのは難しかった面もあったけど、グループで取り組んでいき、たくさんの意見を聞けて考えることができました!ほんとうにいい時間でした
- 今まで問題点などについて考えたことはあるけど、解決策や具体例、他の問題につなげるなど、いつもと違うことがたくさんあって、新たな発見となりました!
- パソコンやインターネットを使って貧困問題の解決策などを考えられて、グループのみんなでいろんな個性的な考えが出ていて楽しかったです!
- SDGsのことは家庭科の授業で、すこし触れたことがあったけど改めて内容を見てみると、世界中での実現は難しそうな約束もあったりと思ったより重大だと思いました。
- 最初の方でAdobeのアプリの話をしていた時に少し気になったので家に帰ってAdobe frescoを使ってみました。前から気になっていたSDGsについても学べたのでいい機会になりました。
- パソコンの操作に慣れない部分もあったけどグループで貧困問題について考える事ができて良かったです。みんなで意見を言ったり提案したりと、とても楽しかったです!
- 難しい言葉もありましたが、学校では使わない機能を使い、グループのメンバーと協力しながら考える事が楽しかったです。
まとめ
大人と実施しても心地よい疲労感を覚えるワークショップを、参加学生たちは朝から一気に思考を研ぎ澄ませて走りきってくれました。参加学生の言葉に「子どもだからこそ社会課題に向けて出来ることがある」という印象的なものがありました。
子ども達とワークショップを実施する度に感じることは、生き方を考え直さないといけないのは、頭の凝り固まった私たち大人の方だと毎回子ども達から学びます。
社会問題という難しい課題だからこそ継続的に取り組むためにも、世代を超えてポジティブに向き合える仕組み作りが鍵となりますね。今後の子ども議員の皆さんの活躍にも期待しています!
実施日:2021年5月16日(日)
主催:沖縄市役所 ・沖縄市こども議会運営事務局(琉球ミライ株式会社)
共催:一般社団法人グラミン日本・アドビ
実施場所: Lagoon