Adobe StockとCreative Cloudライブラリでリモートでの共同作業を実現:OgilvyとWalgreens
Adobe StockとCreative Cloudライブラリで、リモートでの共同作業でクリエイティブ制作を効率的に行っている、広告代理店老舗のOgilvyとドラッグストアチェーン大手のWalgreensの事例を紹介いたします。
イメージ提供:Adobe Stock/CACTUS Creative Studio/Stocksy
会社や組織における働き方が今ほど飛躍的な進化を遂げたことは、これまで一度もありませんでした。チームのメンバーや関係者が互いに遠く離れていても、たとえ別々の国にいようとも、リモートの共同作業で仕事を進めるという働き方に、どの組織も真剣に取り組んでいます。
1948年に設立された広告代理店の老舗として有名なOgilvyにとって、この移行は困難でありながらも実りあるものとなりました。83か国に132か所のオフィスを構える正真正銘のグローバル企業であるOgilvyでは、リモートで共同作業をする体制は既にかなり整っていました。コロラド州デンバーにあるOgilvyの従業員エクスペリエンス(EX)チームも例外ではありませんでした。ただ、パンデミックのためにチーム全体が在宅勤務に移行しながらも(しかもクライアントのほとんどが同じ状況にあるなかで)、いつもと同じクリエイティビティと効率を維持しながら制作物を納品できるようにする必要がありました。ドラッグストアチェーンのWalgreensがパンデミック対策として自社用に制作していたパンフレットで使うために、EXチームがデザイン性の高いコンテンツを納品することになっていた案件が、まさにこのケースでした。
EXのデザインチームはAdobe StockとCreative Cloudライブラリの助けを借りて、どこで仕事していようと全員が一緒に作業を進められるすばらしい解決策を生み出しました。先日、Ogilvyでユーザーエクスペリエンスを担当するビジュアルデザイナーのTerry Coleman氏に、このプロジェクトについて、またプロジェクトを成功させるためにチームが使用したツールについて話を伺ったところ、次のように説明してくれました。
写真撮影ができなくても「カスタマイズ」したように見える制作用素材を見つける
COVID-19のパンデミックが始まった早い段階で、OgilvyはWalgreensから「The Power of Preparedness」(英語)というCOVID-19対策のソートリーダーシップ用のデザイン依頼を受けました。Walgreensの手元にあった、店舗で接客する従業員の画像などは、どれも使い物になりませんでした。「マスクをした従業員が写っているような、もう少し社会的に関連性の高い画像が欲しかったのです」とColeman氏は言います。
最適な素材を見つけるために、Coleman氏はAdobe Stockを開いて、この案件にマッチする画像を探しました。素材がしっかり厳選されたAdobe Stock COVID-19ギャラリー(英語)を使ったおかげで、COVID-19の文脈で意味をなし、社会的責任も感じさせる画像を見つけることができました。デリケートなトピックだったので、Coleman氏はクリエイティブチームと一緒に作業を進めながら、Walgreensとその画像を共有して問題がないことを確認する必要がありました。これについては、Creative Cloudライブラリが実に頼りになったそうです。
「Creative Cloudライブラリを使えば、プロジェクトのライブラリパネルから直接Adobe Stockを検索できるんです」とColeman氏は言います。それが特に威力を発揮したのが、OgilvyのデザインをWalgreensに見せたときでした。共有ライブラリを介してデザイン内の画像をすばやく入れ替えられるため、Coleman氏とチームのメンバーが効率よく画像を変更することができたのです。
「WalgreensはそれにOKを出すこともできましたし、“いや、この画像は使いたくない”と言うこともできました」とColeman氏。「そういうときは、すぐにデザインプロセスをやり直し、関連性のある印象を与えられてWalgreensに満足してもらえる素材を使うことができました」
慎重にデザインを選んで安全な印象を与える
Walgreensにとっては、「Power of Preparedness」(英語)のパンフレットで使う画像に関連性が感じられることも重要でしたが、それよりもっと重要だったのは、そうした画像でお客様に安全な印象を与えることでした。「店に来たお客様に安全だと感じてもらえるようにしたいとWalgreens Pharmacyは考えていました」とColeman氏は言います。「そこで我々は、常日頃から使っている素材を活用して、安全だというストーリーを伝えようとしたのです」
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Ogilvyが制作したWalgreensの「Power of Preparedness」パンフレットのサンプル画像
例えば、マスクをつけていない薬剤師のイラストをWalgreensからもらって使ったことがありましたが、それはWalgreensが伝えようとしている店舗内の安全対策に合致していなかったので、そのままでは使い物になりませんでした。そこで、Coleman氏はWalgreensのCreative Cloudライブラリ — これはクライアントのブランドアセットにアクセスできる便利な方法でもあります — を使ってその画像にアクセスし、Illustratorでマスクのグラフィックをデザインして、元のイラストに重ねました。ワンクリックするだけで、使えなくなったイラストをアップデートし、COVID-19の渦中で使えるイラストに生まれ変わらせることができたわけです。
常にチームワークとブランドの一貫性を中心に
Ogilvyのデザインチームでは、パンデミックが始まる前からAdobe Creative CloudのツールとCreative Cloudライブラリを使用して、様々なプロジェクトの表現を制作してきました。Coleman氏のデザイナーチームには、スケッチや落書きを使ってコンセプトやアイデアを生み出していく土壌 — アイデア作りの方法として「遊び」の中でお互いにアイデアを引き出していく文化が、ずっと以前からありました。
パンデミックが始まって、全員が在宅勤務になってからも、この文化は続いています。Creative CloudとCreative Cloudライブラリを使うことで、チームはすばやくコンセプトを作り上げ、お互いのアイデアを共有して、フィードバックしたり、やり直したりすることができます。さらに、OgilvyではCreative Cloudと使用頻度の高い他のツールを組み合わせて活用しており、Coleman氏の話では、大きなプロジェクトで成功し続けるにはこのツールセットが欠かせなくなっているとのことです。
「すべてを1か所に統合したことで、作業速度の面だけでなく、新しい素材をブランディングしたり臨機応変に素材をアップデートしたりできるという点でも、プロジェクトチームのメンバーが共同作業できる点でも、まったく新しい世界が開けました」と語るColeman氏。
ロゴや写真のような要となるブランドアセットが変更された場合でも、Creative Cloudライブラリを使えば、バージョン管理をおこなってエクスペリエンスの一貫性を保つことができます。「“このバージョンで合ってる?これは前回の作品に使ったんじゃない?“なんて、いら立つ人は誰もいません。ライブラリにあるものが最新バージョンだということは、みんなわかっていますから」とColeman氏は説明します。
より優れた、よりクリエイティブなワークフローの構築に捧げる熱意
Coleman氏はOgilvy内で、仲間のチームメンバーがクリエイティビティを存分に発揮できるようにするために献身的な情熱を注いでいることで知られています。Coleman氏にとって、その大部分を占めているのが最適なツールセットを見つけることです。パンデミックの始まりとともに、それがさらに重要な意味をもつことになりました。それまで経験したことのないような形で共同作業する方法を見つける必要に迫られただけでなく、新しく出てきた課題にクライアントが対処するのを手助けする方法も見つける必要があったからです。すばらしいコンテンツを制作しなくてはいけないというプレッシャーは相変わらずですが、それを感じているのはOgilvyだけではありません。
この問題について最近アドビが600人の業界クリエイターを対象に実施した調査によると、制作を求められるコンテンツの量が増える一方で納期は短くなっていると答えた人が81パーセント、所属するチームのクリエイティブワークフローは効率改善の余地があると答えた人が84パーセントにものぼりました。
そうしたなか、Coleman氏率いるチームはAdobe Creative CloudとCreative Cloudライブラリを利用して、完全にリモートで働くという社内的な課題と、同じ状況にあるクライアントと協力しながら仕事を進めるという社外的な課題の両方に対応しています。
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いかがでしたでしょうか?
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この記事は2021年4月15日に Lindsay Morrisにより作成&公開された Working together, even when apart: Ogilvy and Walgreensの抄訳です。