fotomoti × Adobe Stock共同企画:「♯わたしの気分色」フォトレシピコンテスト 結果発表
Adobe Stockでは、今年の4月15日から5月16日にかけて、キヤノンが運営する写真撮影コミュニティサービス「fotomoti (フォトモチ)」の協力のもと、「♯わたしの気分色」フォトレシピコンテストを開催しました。
Adobe Stockの2021年ビジュアルトレンドの1つ、「Mood Boosting Color - 気分を上げる色」をテーマに作品を募集したところ、十人十色の個性あふれる作品が集まりました。53名・133作品の応募の中から、メッセージ性を感じる作品を3点選び、作者が作品に込めた想いやこだわりのポイントとあわせてご紹介します。
テーマ:Mood Boosting Color - 気分を上げる色
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明るい色の多様な組み合わせは、私たちの気分を高揚させ、エネルギーを与え、「生きている」ことを実感させる心理的効果を持っています。 こうした色彩の持つパワーは、まさにコロナ禍の今必要とされているものではないでしょうか。
コンテストでは、この「Mood Boosting Color - 気分を上げる色」を自身のトピックや問題意識と関連させ、色彩を駆使してクリエイティブに表現した作品を募集しました。
Adobe Stock賞 受賞作品
『水面に見つけた、地球』 by シライシナツキ
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趣味で始めた写真を、最近では仕事にも活かしているというシライシさん。選定の一番のポイントは、空と新緑と鯉の組み合わせで、地球を表現するという発想の素晴らしさ。見る人に自然環境や水質保全などの社会問題の想起も助長できる作品でもあり、とてもスケール感のある点が我々の目に留まり、受賞の運びとなりました。
一 Mood Boosting Colorというテーマをどのように捉えましたか?
「ここ一年以上、活動が制限され、人との交流も少なくなり、日常に色が乏しくなってしまう気すらしています。そうした中で、『気分が上がる色』というテーマは、撮る側には当時の思い入れや楽しかった記憶を思い出させ、見た人にはモチベーションアップに繋がるテーマだなと思いました」
一 作品のアイデアはどのように生まれたのですか?
「今はなかなか遠くに行けないので、身近な場所でいつもと違うイメージの写真が撮れないかと思い、近くの庭園に出掛けてみました。普通に通り過ぎるような小さな池なのですが、PLフィルターを使ってファインダーをのぞいてみると、青空と新緑の映り込みがまるで地球のようで、そこを泳ぐを鯉を見ているうちに、“鯉が大海原を旅する”というアイデアを思いつきました。」
一 撮影でこだわった点、苦労した点はどこですか?
「映り込みをもっとくっきり出すか、多少の曖昧さを残すか、PLフィルターを調整しながら試行錯誤しました。逆三角構図になるよう狙っていたのですが、なかなか鯉が思う場所で泳いでくれなくて、日が暮れるギリギリのタイミングでもあったので、そこが一番苦労しましたね。」
一 Adobe Stockコントリュビューターとして作品を投稿してみたいと思いますか?
「Adobe Stockの場合、ただ作品を見てもらうだけでなく、それをデザインなどに使ってもらうというところまで意識を広げなければなりません。そうなると、今まではとは違った撮り方も見えてくると思うので、自分のスキルアップや引き出しを広げるという意味でも、ぜひ挑戦してみたいです。」
『主役を輝かせる』 by ハタユカㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
風景写真から始まり、昆虫や鳥などの生き物、鉄道など、常に新しい被写体、新しい撮り方にチャレンジしているハタさん。鮮やかな黄色がこれからの季節にもピッタリで、多くの作品の中でもひと際目を引きました。また、多様性や寛容性が重要視される中、生まれ持った「違い」を個性として受け入れることの大切さが伝わるメッセージ性の高い作品だと思います。
一 Mood Boosting Colorというテーマをどのように捉えましたか?
「ただ自分の好きな色を被写体に当てはめるだけでなく、『前向きに頑張ろう』『誰かの真似事ではなく自分らしさを大切にしよう』そんな想いが伝わる作品に仕上げられたらいいなと思いました。これまでは被写体ありきで、色というテーマで撮ることはなかったので、難しくも感じましたが、新しいことにチャレンジするという意味でワクワク感がありました。」
一 テーマをどのように作品に反映させていったのでしょうか?
「どこまでも広がる黄色いヒマワリの絨毯は、見ているだけで不思議と気分が上がります。近くのひまわり畑で望遠レンズを使ってアングルを決めていたところ、鮮やかに咲き誇る花々の間にまだ葉を広げたばかりの一輪がふと目にとまり、これは面白いと思いました。大勢の中に埋もれてしまいそうな小さな存在でも主役として輝かせることができるのでは。そんな想いから、主役に決めていた鮮やかな黄色のヒマワリたちを、逆にこの一輪を際立たせるために使うというアイデアが生まれました。」
一 撮影でこだわった点、苦労した点はどこですか?
望遠圧縮効果を使って奥と手前に咲く花の距離をギュッと縮めることで密集感を出しました。奥行きをとるため、カメラは縦に。主役の一輪を真ん中にポツンと置くシンプルな日の丸構図で、視線を一点に集中させる効果を狙いました。苦労した点でいうと、自分の目線より高い位置からチルトモニターを見ながら撮っていたため、手持ちのバズーカがとにかく重かったです。」
一 Adobe Stockコントリュビューターとして作品を投稿してみたいと思いますか?
「ぜひ投稿してみたいですね。私が撮る写真は被写体を真ん中に置いたシンプルな構図のものが多いので、デザイナーの皆さんがどうのようにトリミングするのだろう、どの位置に文字を置くのだろう、そんなことを考えながら撮影するのも1つの楽しみになると思います。」
『日常のカラーパレット』 by イノウエㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
青と黄色のコントラストが美しく、さわやかな印象の作品です。開放的な気分を作ってくれるクリエイティブは多くの人の気分を上げてくれます。無駄なものを入れないスッキリとしたシンプルな構図で、文字を載せるスペースもあり、素材として使いやすいと思います。
一 Mood Boosting Colorというテーマをどのように捉えましたか?
「気分が上がる色」というのは、ごく身近な風景の中にある、見慣れた色ではないかと考えました。私の場合は、小さい頃からずっと見ていた地元の空の青さだったり、母が作ってくれた卵焼きの黄色だったり。人生のバックグラウンドという大きな文脈に流れ続ける、そんな思い入れの深い色を選んでみようと思いました。」
一 この写真を投稿に選んだ理由はなんでしょう?
「青と黄色という大好きな2つの色が1枚の写真の中に気持ち良くまとまっていて、自分の中でも印象に残っている写真です。補色の組み合わせというのもありますが、道路と海をはっきりと分けた2分割構図にしているため、コントラストがより効いていると思います。道路標示の矢印が右上を指しており、そこにちょうど太陽の光が差し込んでいて、気分を上げるという意味ではもってこいの1枚だと思いました。」
一 撮影でこだわった点、苦労した点はどこですか?
「太陽の光が強かったため、手前の道路が明るく照らされ、奥の海の部分が暗くなってしまいました。多少ハイキー気味だったのですが、昼間の明るい質感はキープしたかったので、ハイライトはあまり抑えず、Lightroomを使って海の部分だけ明るくし、青を綺麗に出すために彩度と色相を細かく調整しました。」
一 Adobe Stockコントリュビューターとして作品を投稿してみたいと思いますか?
「今後、写真関係の仕事に就くことは考えていないのですが、好きなことをやってそれが収入になるのは嬉しいことなので、副業として写真に関わっていけたらいいですね。Adobe Stockコントリビューターは、最も手軽にできる副業手段だと思います。」
その他、今回のテーマをfotomoti独自の観点から解釈し、選考された作品もご紹介します。
『十人十色』 by Uchiko
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『白無垢 ~あなたの色に染まります~』 by Toy’s Photography
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『黄色い絨毯』 by 水飴
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今回は惜しくも受賞とはならなかったものの、他にも素敵な作品がたくさん集まりました。全ての作品とそのレシピが共有されたfotomotiのこちらのページをご覧いただき、制作のヒントとしてお役立てください。
また、Adobe Stockでは皆様からの作品を広く募集しています。Adobe Stock コントリビュータープログラムに興味のある方はこちらからご参加ください。オリジナリティのあるメッセージ性の高い作品をお待ちしています。