<企業が動画内製化を続けるべき理由> 実践!業種別動画内製化のワークフロー を徹底解剖【第5回】採用動画作成編
「企業が動画内製化を続けるべき理由 実践!業種別動画内製化のワークフロー を徹底解剖!」と題して5回に分けてブログを公開していきます。今回のテーマは「動画マニュアル作成編」です。
今から動画内製化を始める人と、始めたけどワークフローや技術面で課題があり、思ったように内製化が進まない方も対象としたブログを書いていきます。
みなさん、こんにちは。株式会社火燵の安部(Twitter: @kotatsu_kun)です。今回は<企業が動画内製化を続けるべき理由> 実践!業種別動画内製化のワークフロー を徹底解剖。【第5回】採用動画作成編についてです。
第5回 動画マニュアル作成編
まずは事例のご紹介です。
<動画マニュアル作成事例>
株式会社川西水道機器 様
作成した動画マニュアル
香川県綾川町の川西水道機器様は水道を中心としたジョイント(管継ぎ手)専門メーカーで開発・製造・販売までトータルで行なっています。取引先は官公庁や商社が中心で、業界では高いシェアを占めています。これまでの営業スタイルができなくなった2020年、オンライン営業の比率を高めるために、動画の内製化を開始。製品紹介動画のメルマガ動画やライブ配信を企画しコンテンツ制作の経験を積み重ね、動画内製化が定着した2021年には採用動画の内製化に取り組みました。ここでは川西水道機器様の採用動作作成のワークフローをご紹介します。
採用動画のワークフロー
1)企画
川西水道機器様が作成したインタビューベースの採用動画の作り方は、求職者に年齢や社会経験が近いスタッフが動画に出演して求職者の知りたいことに答えるのが一般的な作り方となります。企画としては上記の画像のような求職者の知りたい内容をどのように伝えるかがポイントになります。インタビューの上に被せる形(インサート編集)で動画に、仕事風景や同僚とのコミュニケーションを撮影して構成する形になります。
2)コンテ
*インタビュー撮影はインサート動画を後から撮影しても良い。
企画段階でリストアップした求職者が知りたいことのアンサーとなるインタビュー原稿を考えます。実際に読み上げてタイムを計る作業を行い、動画の完成尺を想定します。原稿に問題がなければ、文章の中に登場する人物や現場環境を写真や動画で撮影可能か検討します。それらはインサート動画としてインタビューシーンに被せます。このインサート動画として撮影する動画のリストが今回では絵コンテの扱いになります。採用動画のほとんどはインタビューも含めて、ほとんどの場合は社内での撮影になると思います。撮影部屋の予約や掃除の手配。騒音があるものは止められるかどうか事前に確認しましょう。インタビュイー(インタビューされる人)には必ず事前に話す練習をしてもらいましょう。
3)撮影
*川西水道機器さんの現場で活躍した機材
*インタビュー撮影の風景
*インサート撮影の風景
川西水道機器様が制作した採用動画は、デジタル一眼カメラとワイヤレスマイク、照明があれば完成します。用意した撮影部屋に太陽光の採光がある場合はカメラセッティング時に逆光にならないように気をつけてカメラをセットします。インタビュー動画はワイヤレスマイクが必須になります。演者さんにマイクを仕込み、カメラに受信機を接続したら音声が録音できているか必ず確認しましょう。インサート撮影は1カット10秒くらいは撮影しましょう。5秒未満は短かすぎて編集で使えない可能性があります。
4)編集
*完成動画の1シーン
まずインタビュー撮影した動画の不用部分をカットして一通り、採用動画としての流れが成立するように編集して行きます。例え、インタビュイーがスピーチ練習をしていても流石にプロではありませんから、言い間違えなどのミスも発生すると思います。そういうシーンを見つけたら、その部分をカットして、インサート動画を挿入しましょう。
採用動画制作に必要な技術
1)インサート撮影の構図
*記録撮影の基本は全体を抑えてから細部の撮影となります。
インサート動画はインタビュー動画のクオリティを決めると言ってもいいでしょう。インサート動画のクオリティが良ければ企業としての印象もよくなります。インサート動画の撮影で苦労するのは構図です。インサートの動画の構図は「大、中、小」の3パターンで挑戦してみて下さい。人物が作業しているようなシーンでは「全身が映るような大きな絵、上半身が映る絵、表情や手元のアップ」となります。
2)余計なものを映さない
*生産ラインはNGなので背中を撮影して背景を隠した
採用動画は基本的にスタジオは使わずに社内で撮影することが多いです。掃除をしたり社外に出せない掲示物などは撮影前にカメラに写り込まないように避けるなど準備が必要です。それでも経年による施設の汚れなどは対処のしようがありません。そう言った場合は、写したくない場所を隠す方法を取りましょう。
3)編集で音声を修正・改善
採用動画でも音声は主役と言えます。クリアな音声で求職者にとって魅力ある動画を作成しましょう。ピンマイクを使い、大きな声で上手く録音できたとしても、Premiere Proで音量調整、ノイズ除去の最終調整を必ず行います。
4)テロップのデザイン
出演者の名前などはモーショングラフィックステンプレートを適用してデザイン性をアップさせましょう。Adobe Stockで様々なテンプレートを選択可能です。
最後まで観られる採用動画制作のポイント
1)ショート動画の活用
動画はやはり短い方が最後まで観てくれる可能性が高まります。また短い方が視聴のストレスも軽くなります。最近ではショート動画を観る人が増えていますので、このページ冒頭のワークフローの企画部分で触れたトピックごとにショート動画を各SNSにアップロードする事をお勧めします。特に若年層に効果的です。
2)効果音で演出
動画の半分は音でできています。また動画のクオリティは6割が音声と言われるくらい音声が非常に重要です。動画の音の部分は「声、効果音、BGM」で構成されます。もし、出演されている方の声を整える作業を自力で行う余裕があれば、モーショングラフィックステンプレートに効果音を追加する編集にも挑戦して、動画を演出してみましょう。
採用動画制作の展開
採用動画は企業側からすると多くの人に動画を発見してもらい、視聴回数やフォロワーを増やさなければいけません。発見してもらうという点では、採用動画を様々なSNSや求人媒体にアップロードした方が効果的です。また動画の長さで扱うSNSや媒体を分けるのも非常に効果的です。
以上、いかがでしたでしょうか?インタビュー中心の採用動画は比較的撮影難易度が低い動画制作のジャンルと言えます。撮影対象が社内のスタッフのみの場合はやり直しも効くと思いますので是非チャレンジしていただければと思います。もしワークフローなどで不明点があればTwitterで気軽に質問をください。
アドビが勧める動画内製化の詳細については下記をご覧ください。
https://www.adobe.com/jp/creativecloud/business/teams/video-work.html