サイエンスの人間的な側面を語るビデオシリーズ『NASA Explorers』制作の舞台裏

220万人以上の視聴者、360万回以上のユニークビューを記録した、デジタルビデオシリーズ『NASA Explorers(NASAの探検家たち)』の制作を支援したAdobe Creative Cloudによる貢献と成功の秘訣をご紹介します。

画像提供:NASA

人類初の月面着陸からハッブル宇宙望遠鏡まで、NASAは人類の創意工夫と探検の強力なシンボルです。NASAのすべてのミッションの背後には、先駆者たち、リスクを厭わぬ人々や冒険者たちが集結した献身的なチームがあり、人類の世界への理解を深めるためにたゆまぬ努力を続けています。そんなNASAの人々のストーリーが語られる、『NASA Explorers(NASAの探検家たち)』と題されたデジタルビデオシリーズは、第1シーズンで220万人以上の視聴者を獲得し、合計360万回以上のユニークビューを記録しました。

第1シーズンでは、地球の雪氷圏をテーマに、海氷、氷河、永久凍土など、地球上で最も過酷な環境を研究対象とするNASAの科学者たちを紹介しています。彼らは、地球がどのように変化しているのか、それが世界中の人々にとってどのような意味を持つのかを理解しようとしています。

NASAゴダード宇宙飛行センターの地球科学ビデオ担当プロデューサーであるローレン ウォード(Lauren Ward)氏は、「私たちは、宇宙飛行士だけでなく、エキサイティングな新技術を発明したエンジニアや、過酷な環境をものともせず大きな疑問に答えを見出す現場の科学者など、NASAの探検家たちのストーリーを伝えたいと思いました。レジリエンス(回復力)、チームワーク、そして失敗という人間的なテーマに焦点を当てることで、科学を人々にとってより身近なものと感じてもらうのが狙いです」と語っています。

成功した新シリーズの立ち上げ

『NASA Explorers』のエグゼクティブプロデューサーとして、ウォード氏は新シリーズの制作にあたり基本的な制作方針を立案しました。これが重要なのは、地球科学を専門とする彼女のビデオチームの他にも、NASAには伝えるべきストーリーを持つチームがあり、その方針を共有して参加してもらう構想があったからです。彼女のチームをはじめとする、太陽系物理学、天体物理学、惑星科学を担当するコミュニケーション室所属のビデオチームの他にも、全米各地のセンターや施設が、自分たちの仕事を知ってもらいたいと考えています。これらのチームの参加により、アポロの月面着陸から、森林火災や微小重力まで、驚くほど広範なテーマの番組が制作されました。今後も続々と登場する予定です。

「私たちは、他のチームでも再現しやすい制作プロセスを確立しました。そのため、彼らはトピックを自由に選び、各自で制作して適切なシーズンに追加することができます。Adobe Premiere Pro、Audition、After Effectsを使用して、標準的なワークフローとテンプレートを作成し、ハンドオフを効率化したので厳しい制作スケジュールにも対応できます」

その結果、ウォード氏のチームは、通常の映像制作業務も並行してこなしながら、第1シーズンの9つのエピソードの撮影、編集、グラフィック制作をわずか18週間で完了しました。NASAは、完成したエピソードを順次YouTubeで公開しました。そしてチームは各エピソードの視聴パフォーマンスを追跡し、人々の心をつかみ、視聴数を上げる施策をリアルタイムで投入することができました。具体的には、過去のビデオに対する視聴者の反応に基づいて、次のエピソードのスタイルやレイアウトを修正することですが、これはアドビの柔軟なポストプロダクションワークフローによって実現できました。また、視聴パフォーマンスの把握は視聴者の行動パターンの理解にもつながり、新しいエピソードをSNSで宣伝するタイミングを見極められるようになりました。

さらに、『NASA Explorers』は、シリーズのFacebookページ(英語)でも大きな支持を得ており、毎週、新しいエピソードの後にFacebook Liveで舞台裏の様子を紹介しています。第1~3シーズンはHuluでも配信されており、新たな視聴者を獲得しつつ第4シーズン(YouTubeで配信)や第5シーズン(近日公開)への期待を高めています。

このビデオシリーズは、一般市民への情報提供と、科学的リテラシーの促進という、公共機関としてのNASAの使命のごく一端を担うものですが、それを制作現場で支えるAdobe Creative Cloudの貢献は大きいといえます。

ビデオで視聴者に情報を提供し、魅了するNASA

ビデオは、NASAのコミュニケーション戦略に重要な役割を果たしています。一般の人々に情報を伝えるための非常に効果的な方法であり、高度に技術的な内容であっても、科学により親しみを感じてもらえるからです。

ウォード氏は、こう話します。「私たちは、一般の皆さんにNASAの活動を知ってもらい、興味を持ってもらうために、さまざまなビデオコンテンツを制作しています。大きな科学論文が発表されれば、その解説ビデオを制作しますし、特定の衛星打ち上げミッションを取り上げたものもあります。また、炭素循環などの科学的概念を説明するビデオも数多く制作しています」

NASAのビデオチームは、ゴダード宇宙飛行センター、ラングレー研究センター、ジェット推進研究所、ジョンソン宇宙センター、ケネディ宇宙センターといった拠点に分散しており、映像の編集にはすべてPremiere Proを使用し、高度なサウンドミキシングにはAuditionを使用しています。さらに、専門のアニメーションチームが、After Effectsやその他の3Dソフトウェアを使って、画面に彩りを沿える美しいグラフィックやアニメーションを作成しています。

「全員がAdobe Creative Cloudユーザーなので、私が作業を中断しても、ファイルやBロール、テンプレートを他のエディターに渡して残りを引き継いでもらえます」と、ウォード氏は付け加えます。

その活動を広く一般に報告し、科学的なプログラムへの期待を盛り上げることは、NASAの中核的な使命の1つです。それを滞りなく進めるためには、こうした効率性が不可欠だといえるでしょう。

ウォード氏は、こう締めくくります。「NASAは公的資金で運営されている機関ですから、ミッションや研究について一般の皆さんに知っていただくことは、私たちにとって重要な基本理念のひとつなんです」

ビデオシリーズ『NASA Explorers』の第1シーズンは、Behanceでも公開されています。ぜひ、こちらからご覧ください。

このプロジェクトは、Adobe Government Creativity Awards(AGCA)(英語)の応募作です。他の応募作も含め、アワードについての詳細はサイトをご確認ください。

ブログの詳細はこちら(英語)をご覧ください。

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