誰もがデジタルツールを使い、多くの人がスキルを持った社会に向けて
「誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化」の実現を願って創設された「デジタルの日」にちなみ、アドビが取り組んできた様々なアクセシビリティの確保や、デジタル人材の育成のための取り組みをご紹介します。
デジタル庁の発足に伴い、今年初めて創設された「デジタルの日」。2021年のデジタルの日は、10月10日(日)、11日(月)に制定されました。
アドビでは、「心、おどる、デジタル」というビジョンのもと、問題解決だけではなく、その先の価値創造の実現を目指しています。「誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化」の実現を願って作られた「デジタルの日」を記念して、今回はアドビがこれまで取り組んできた、アクセシビリティの確保や、デジタル人材の育成に向けた様々な取り組みを紹介します。
■視覚に障害を持つ方のウェブアクセシビリティに対応
視覚に障害を持つ方の多くは、スクリーンリーダーという、コンピューター画面を音声で読み上げるソフトを活用し、コンテンツの内容を把握しています。スクリーンリーダーがコンテンツを正しく読み込むためには、ページタイトルの設定、見出しやリストなどの文章構造のマークアップ、画像の代替テキスト(Alt)設定などを確実に行う必要があります。また同様に、色の配色やコントラストは、色覚多様性に対応した色選びをする必要があります。これらの設定は、コンテンツ作成時に行われますが、どうしても設定ミスや漏れが出てしまうといった課題があります。
こうした問題に対処する機能の一つとして、アドビは、昨年行われた自社の年次カンファレンス「Adobe Summit 2020」にて、開発中のアクセシビリティツール「Access Ace」を紹介しました。
#ProjectAccessAceについての動画(英語)
開発中のAccess Aceは、webサイトやメールなどのコンテンツを作成するマーケターやデザイナー、コーダーのためのツールで、視覚に障害を持った方を含む様々な利用者がwebサイトやメールを正しく認識できるようにするための各種設定を支援し、コンテンツのアクセシビリティをスコアリングします。
スコアリングは、ウェブアクセシビリティの事実上の国際標準であるW3Cの発行したWeb Content Accessibility Guidelines(WCAG)に基づいています。
スコアリングの際、対応状況を評価して、修正すべき項目があれば改善方法を提案してくれます。画像のAltのテキストも、Adobe Stockの画像の場合、自動で内容を補完してくれます。
Access Aceは、現在開発中ですが、今後、Adobe Experience ManagerやAdobe Campaign、Adobe Journey Optimizerなど、コンテンツ制作を行うアドビの製品の機能の一つとして組み込まれていく予定です。
世界の約15%の人は、何らかの障害を持っていると言われています。アドビは、製品そのもののアクセシビリティ対応を進めることで、すべての人が支障なくアクセスし、コンテンツを利用できるようにすることを目指しています。また、製品を使って生まれるコンテンツもアクセシブルなものになるように、様々な改善を行っています。
■次世代を担う学生に、データサイエンススキルを学ぶ機会を提供
アドビは、教育機関に向けても様々な取り組みをしています。その一つがデジタル人材の育成です。
数年前から、「21世紀最もセクシーな職業:データサイエンティスト」などと言われるほど、データサイエンスのスキルは注目が高まっています。COVID-19のパンデミックから見てわかる通り、先行きの見えない時代を生き抜くには、日々変わるリアルタイムのデータを経営に活用するデータドリブン経営が重要です。また、このような人材育成について国としても進めている状況です。そこで年々社会的に需要が高まっているのが、データサイエンスのスキルです。そこでアドビは今年新たに、次世代を担う学生に向けて教育機関向けカリキュラム「Adobe Analytics for Higher Education」を発表しました。
大学・専門学校の教員や学生は、「Adobe Education Exchange」のオンラインコース上で、Adobe Analyticsを無料で利用し、実際にツールを活用しながら学ぶことができます。具体的には、豊富なデモデータを操作できるサンドボックス環境にアクセスして、学生が自分のペースで学習を進められるようになっています。また、先生はコースワークに組み込むモジュールを自由に選ぶことができます。
グローバル企業の求人では、Adobe Analyticsの経験が採用条件になっていることが珍しくありません。このプログラムによって、学生はデータを活用してビジネス上の意思決定を行う方法を学び、データサイエンスからマーケティング、プロダクトマネジメントまで幅広いキャリアに対応するスキルを身に着けることで、将来の選択肢を広げることができます。
■未来で活躍する児童・生徒・学生のデジタルリテラシーを育成
40年50年先の未来にわたって活躍する今の子どもたちには、人間ならではの創造性を発揮して課題を解決し、新しい価値を創り出していく「創造的問題解決能力」が必要です。この力は、課題に着眼し、必要なデータに基づき課題を抽出分析すること、人にわかりやすく考えを伝え協働すること、解決アイデアをクオリティを伴って形にすることなどから構成されます。
アドビでは、これをデータサイエンスのスキルとクリエイティブツールのスキルの両輪からなるデジタルリテラシーと捉え、教育機関でのデジタルリテラシーの育成支援に取り組んでいます。
教育機関におけるデジタル化推進を支援
文部科学省は、2020年に学校が保護者に求めてきた書面による押印の手続き見直しに関する通知を都道府県と政令指定都市の教育長など宛てに出しています。学校と保護者のやり取りも含め、教育機関におけるデジタル化を実現するには、アドビのAcrobatや、電子サインツールのAdobe Signが後押しになると考えています。
すでに、大学など教育機関での活用実績もあります。
・立命館アジア太平洋大学:留学申請における署名プロセスをAdobe Signでデジタル化
https://www.adobe.com/jp/news-room/news/202009/20200924_apu-adopted-adobe-sign.html
・筑波大学:学内のセキュリティガバナンス強化のため、学内標準ツールとしてAcrobatを採用
小中高生にクリエイティブな表現・制作活動を
文部科学省が推進するGIGAスクール構想により全国の小中学生に一人一台のデバイスが行き渡りました。アドビではGIGAスクール向けに「教育機関向けAdobe Spark」を無料で提供し、教育のICT化に貢献するとともに、子どもたちのデジタルクリエイティブな学びの実現を支援しています。
またAdobe Creative Cloudについても小中高向けには1ユーザーあたり年額約500円でライセンスを提供しています。
デザイナー、クリエイターだけじゃない!一般社会人にも必要なデジタルクリエイティブスキルを大学・専門学校で
アドビは、大学、専門学校の学生が、Adobe Creative Cloudを活用し、デジタルクリエイティビティを身に着けるための基礎講座という授業カリキュラムを提供しています。すでに、複数の大学で提供されており、ツールの使い方にとどまらず、アイデアや考えを見える化し、伝える技術を身に着けるための授業を展開しています。
参考:
教育関係者向けポータルサイトを提供
アドビは、教育関係者向けポータルサイト「Adobe Education Exchange」を運営し、全世界100万人以上の教育関係者たちの一大コミュニティを形成しています。ここでは、教育現場のニーズに合う教材提供がされており、またメンバーも自分の教材を共有したり、フィードバックを得たりすることができます。Adobe Creative Cloudを使ったプロジェクト型のチュートリアルで、教員・生徒がそれぞれ自習型でスキルを身に着けたり、教員研修のためのリソースも提供されています。
■誰でも使えるアクセシビリティの確保と、次世代の人材育成のために
今回はデジタルの日を記念して、誰一人取り残されないデジタルエクスペリエンスの実現のために、アドビが取り組んでいる様々な取り組みの一端をご紹介しました。
他にも、コンテンツのアクセシビリティ向上のための取り組みとして、高度なレコメンデーションシステムに基づいてWCAG準拠のカラーテーマを作成できる、Adobe Colorのコントラストチェッカーの提供もしています。
2021年10月27日(水)、28日(木)には、世界最大規模のオンラインクリエイティブイベントである「Adobe MAX」が開催され、アドビのこうした取り組みも紹介されます。無料参加登録のうえ、ぜひご参加ください。
Adobe MAX 2021ご登録サイトはこちら( https://maxjapan.adobe.com/ )からご覧ください。
※Adobe ID(登録無料)が必要です