Adobe MAX 2021：新しくなったAdobe Creative Cloudのフル活用ガイド

新しくなったCreative Cloudの機能の数々をご紹介いたします。

Adobe Creative Cloudの新しく強化されたコラボレーション機能（クラウドドキュメント、ライブラリ、レビュー・コメント機能など）、「Stockとマーケットプレイス」のオーディオ＆ビデオ検索、Adobe Fontsのフォント検索や新しいPhotoshopのプラグインなど、Creative Cloudメンバーシップを最大限に活用する方法をご紹介します。

多くのクリエイティブチームは今、テレワークやハイブリッドワークという新しい現実を受け入れつつ仕事をしています。そこでは、どこにいても素晴らしい作品づくりを可能にしてくれる、パワフルなアプリが欠かせません。20を超えるクリエイティブアプリや生産性ツールが含まれるAdobe Creative Cloudがクリエイターにふさわしいのはまさにその点にありますが、Adobe Creatie Cloudメンバーシップにはそれだけでなく、コラボレーションを促進してくれる包括的な統合サービスとリソースが含まれているのをご存知でしょうか。それらをフル活用することで、アセットへのアクセスや共有がさらに簡単になり、チームメンバーや関係者との共同作業が一層スムーズになるうえ、作業のすべての段階において完全なコントロールを維持できるのです。

この記事では、強化されたコラボレーション機能（クラウドドキュメント、ライブラリ、レビュー・コメント機能など）、新しい「Stockとマーケットプレイス」へのアクセス（Adobe Stock、Adobe Fonts、何千ものプラグインや統合機能を含む）、多様な学習リソース、そして世界中の活発なクリエイティブコミュニティにアクセスし、Adobe Creative Cloudメンバーシップを最大限に活用する方法をご紹介します。

Adobe Creative Cloudメンバーシップに含まれる内容について、ぜひ読み進めてください。

コラボレーションを自由自在にコントロール

Adobe Creative Cloudのコラボレーションツールは、コンテンツへのアクセスを容易にし、シームレスなチームワークを可能にし、フィードバックを容易にします。特にAdobe Creative Cloudライブラリは、頻繁に使用するクリエイティブ要素（グラフィック、ロゴ、Adobe Stockの利用許諾付きフォトコレクションを含む写真など）を整理し、レイアウト、デザイン、キャンペーン間の一貫性を維持しながら、すぐに利用できるようにする優れた方法です。

ライブラリ上のアイテムは、そのタイプで分類したり、カスタムグループにまとめて整理したりすることができます。今回のMAXでは、新たにグループのネスト化をサポートしました。グループ内のアイテムをさらにグループ化し、アセットを階層的に整理できるようになりました。大規模なデザインシステムで必要となる深い階層構造も、アイテムの命名規則に頼らずCreative Cloudライブラリのグループのネスト化だけでサポートできます。

また、Adobe PhotoshopやAdobe Illustratorのクラウドドキュメントのプレビューリンクも共有できるようになりました。共同作業者や関係者が共有された作品をブラウザで確認してコメントできるだけでなく、そのコメントは作成元のアプリ内に直接表示されるのでクリエイター側の確認作業も楽になります。また、ローカルのAdobe Illustratorファイルと同様に、リンクされたAdobe PhotoshopのクラウドドキュメントをAdobe Illustratorのクラウドドキュメント内にも配置できるようになりました。元のAdobe Photoshopクラウドドキュメントに加えられた最新の変更は常にAdobe Illustratorのクラウドドキュメントに反映され、元のAdobe Photoshopクラウドドキュメントが移動してもリンクは失われません。

さらにAdobe Creative Cloudでは、クリエイターとそのチームがコラボレーションするだけでなく、チーム外の関係者にもクリエイティブなプロセスに参加してもらいながら、全員が同じクリエイティブ目標に向かって作業できる新しいツールを発表しました。

Adobe Creative Cloud スペースは、すべてのクリエイティブワークとリソースを1つの場所に集約したチーム専用の共有デジタルスペースをプロジェクトごとにブラウザ上で提供し、共同作業者全員がアクセスできるようにしてくれます。一方、Adobe Creative Cloud カンバスでは、クリエイティブワークをブラウザ上で視覚化しレビューすることで共同作業者全員が全体像を把握しながら意識を合わせ、リアルタイムにコラボレーションを進めていくことができます。

今回の発表は、Adobe Creative Cloudをクリエイティブワークのための総合的なハブへと進化させるというビジョンに向けた第一歩で、ここでご紹介した機能をベータ版として提供開始しました。 詳しくはこちらのブログ記事をご確認ください。

 欲しいクリエイティブアセットに瞬時にアクセスできる「Stockとマーケットプレイス」

新しい「Stockとマーケットプレイス」は、クリエイティブなプロジェクトに必要なあらゆるアセットやツールに瞬時にアクセスできる統合ハブです。Stockとマーケットプレイスでは、無料・有料あわせて何百万点もの高品質なクリエイティブアセット（写真、画像、ベクター、イラスト、テンプレート、オーディオ＆ビデオクリップ、3Dコンテンツなど）に加え、20,000種類ものAdobe Fontsを追加料金なしで利用できるほか、ワークフローの効率化に役立つ何千ものプラグインや統合機能も用意されています。

これらを活用することで、Adobe Creative Cloudメンバーシップの価値を最大限に引き出すことができます。Stockとマーケットプレイスには、Adobe Stock Web、Adobe Creative Cloud Webサイト、Adobe Creative Cloudデスクトップアプリからまたは直接アクセスできます。

強化されたAdobe Stockのオーディオ＆ビデオ検索

Adobe Stockでは、望み通りのオーディオトラックをより早く見つけることができるようになりました。Adobe Stockの新しい「類似オーディオ」検索機能では、プロジェクトにぴったりのトラックを検索する際に、サンプルのオーディオを参照して類似したファイルを見つけられます。Adobe Stock上で気に入ったオーディオファイルの一部（最大20秒）をハイライトするか、手元にあるトラックをアップロードするだけです。Adobe Senseiと搭載したこの機能が、類似したファイルを自動的にリストアップしてくれます。

また、ビデオ検索が強化され、「ショットサイズ」と「ショットアングル」という2つの新しい検索フィルターが導入されました。

強化されたAdobe Fontsのフォント検索

Adobe Fontsが新しいStockとマーケットプレイスに統合されました。これからは、このセクションがAdobe Creative Cloudデスクトップアプリ内から直接フォントを選ぶ際の入り口となります。

つまり、デスクトップ、Webサイト、フォント対応iOSデバイス上のAdobe Creative Cloudアプリであらゆるフォントが瞬時に利用可能になります。Adobe MAX 2021に合わせていくつか新しい書体ファミリーも追加されました。20,000以上のフォントがほとんどのAdobe Creative Cloudサブスクリプションに含まれており、すでに個人および商用利用が許可されているため、追加料金の心配はありません。

また、フォント体験を向上させるために、ユーザーごとにカスタマイズされたフォントのレコメンデーションとブラウジング機能の強化を導入しました。フォントのアクティベーションの傾向（個人的インスピレーション）や、Adobe Creative Cloudコミュニティにおけるトレンド（共同体的インスピレーション）に基づいて、Adobe Typeチームの専門知識に裏付けされたフィルタリングによりレコメンデーションがおこなわれます。最近アクティベートしたフォントに似たタイプファミリーから、流行中のフォントや隠れた名作まで、必要なときにインスピレーションを得ることができます。

この機能は、適切な書体をより簡単かつ効率的に選択するための他の機能と共に提供されます。

Adobe FontsのWebページは、「Stockとマーケットプレイス」で新しくなっており、ビジュアル的なインスピレーションやWebサイトの新機能を前面に押し出し、フォント検索のためのさまざまなオプションを提示します。

フォントの詳細ページそれぞれに、Adobe Senseiによるレコメンデーション機能（英語）が搭載され、現在表示しているフォントと外観が似ていたり、相性の良かったりするフォントの候補を探すことができます。

Adobe Fonts Webサイトのサイドバーが刷新され、25以上の言語サポートオプションでフィルタリングできるメニューが追加されたほか、100以上の中国語、日本語、韓国語のフォントを含む東アジアのフォントのブラウジングに特化した新しい分類が追加されました。また、Googleとの提携により、著名な書体デザイナー大平善道氏の最新作Zenフォントが、Adobe IDをお持ちの方であればどなたでも無料でご利用いただけるベーシックライブラリに加わりました。

<u>ファウンドリ一覧</u>のページは、ファウンドリパートナーのショーケースに変わり、ライブラリを探索してプロジェクトに適した書体を見つけるための新たな方法を提供します。

また、プランや場所に関係なく、タグでブラウズできるようになりました。

一方、Adobe Illustratorユーザーは、Adobe Photoshop、Adobe InDesign、Adobe XD、およびモバイルアプリケーションですでに提供済みのAdobe Fontsの自動アクティベーションが新たに利用できるようになります。ライブラリにはあるけれどローカル環境にインストールされていないフォントがドキュメントに含まれている場合、ドキュメントを開いたときにシームレスにアクティベーションされるため、<u>ワークフローが最大3倍速く</u>（英語）なります。

クリエイティブワークフローを強化する最適なプラグインを見つける

Adobe Creative Cloudに含まれるアプリは、オープンかつ拡張的に使われることでその真価を発揮します。相互運用性を実現することで、アドビアプリ間やチーム内でアセットを簡単に共有でき、Adobe Creative Cloudは創造性を繋げる強力なプラットフォームとなるのです。

しかし私たちは、ユーザーの皆さんがアドビアプリケーション以外にも、接続と生産性を維持するための一般的なツールを数多く利用していることも認識しています。そのため、Adobe Creative Cloudアプリケーションには、何千人もの開発者やユーザーがワークフローの自動化、新機能の導入、Adobe Creative Cloudとサードパーティのアプリケーションやサービスとの連携を実現できるように、拡張可能かつパワフルなコアをベースに構築されており、日々のワークフローを飛躍的に向上させることができます。

Adobe Creative Cloud ライブラリとお気に入りのツールとの統合

新しい統合により、Adobe Creative Cloudライブラリでは、Adobe Creative Cloudアプリケーション間だけでなく、Microsoft Teams、Word、Google Workspace、Tiledをはじめとするデザインツールなど、お気に入りのコラボレーションツールや生産性向上ツールでクリエイティブなエレメントを共有し、再利用することができます。これらの統合により、チームはあらゆるタッチポイントでブランドの一貫性を保つことができます。

Benchmark Internationalのクリエイティブチームは、Creative CloudライブラリをTiledに同期させ、マイクロアプリを構築する際に承認済みブランドアセットをすぐに利用できるようにしています。

新世代のAdobe Photoshopプラグイン

プラグイン開発のための新しいアーキテクチャ「UXP」は、2020年にAdobe Photoshop（英語）されました。以降、パートナー企業がこのプラットフォームを活用してコラボレーションを強化し、高度な画像編集を可能にしています。これには、Globaledit（英語）とSmartsheet（英語）のエキサイティングな新しいUXP対応プラグインも含まれます。

これらのプラグインは、お気に入りのツールとの連携を実現する既存の多くのプラグインのラインナップに追加された最新のものです。また、<u>開発者コミュニティが提供する高度な画像編集プラグイン</u>は、画像のレタッチ、シャープネス、カラーグレーディング、輝度マスクの簡素化などの機能を追加し、Photoshopをさらにパワフルにします。

Adobe XDプラグインもより豊富に

300以上のプラグインを擁するAdobe XDのエコシステムも成長を続けています。SmartsheetのXD用プラグインやリアルタイムメッセージングのToki Chatなど、プロダクトデザインのコラボレーションのためのワークフローを追加するプラグインや、XDでPaperformやLottieアニメーションをサポートするプラグインがあります。

Adobe Creative Cloudをパワフルに拡張するプラグインや統合機能は、文字通り何千もあります。完璧なプラグインが見つからない場合は、APIを使って独自のプラグインを作成し、タスクを自動化したり、ワークフローをカスタマイズしたりすることもできます。

Adobe MAX 2021で発表された新しい拡張機能や統合についての記事は、こちら (英語）でご覧いただけます。

スキルアップとクリエイティブコミュニティへの参加

Adobe Creative Cloudメンバーには、スキルを向上させるための幅広い学習リソースが提供されます。これには、スキルアップのための入門ガイド（英語）や<u>チュートリアル</u>、企業・チーム・教育機関向けの管理者用リソース、<u>コミュニティフォーラム</u>（英語）、定期的に開催されるイベント・ウェビナー、Adobe Liveが発信するクリエイティブライブストリーム、Behanceでの作品の共有やインスピレーションの発見などが含まれます。また、Behanceのサブスクリプションは、すべてのAdobe Creative Cloudメンバーに追加料金なしで開放されています。さらに、作品をBehance上のプレミアムコンテンツとして有料サブスクリプション提供して収益を得ることも可能になりました。Adobe Creative Cloudメンバーのプラットフォーム使用料は無料です。

Adobe Creative Cloudですべての人の創造力を高める

この記事でご紹介したように、Adobe Creative Cloudには優れたアプリケーションだけでなく、さまざまな機能やリソースがあります。自宅やオフィス、外出先などで、さまざまなワークフローに合わせてチームのコラボレーションを強化したり、日常的に使用するアプリケーションの機能を拡張したり、Adobe Fontsでフォント体験を向上させたりと、あらゆる局面でAdobe Creative Cloudはメンバーをサポートします。

サブスクリプションの価値を最大限に高めるために、Adobe Creative Cloudのすべてのサービスを活用し、メンバーの皆さんそれぞれのクリエイティブプロジェクトに合わせてカスタマイズしてください。

この記事は2021年10月26日（米国時間）に公開された<u>Maximize value from your Creative Cloud subscription</u>の抄訳です。