和柄パターンをアレンジして背景や文字、グッズに活用|Adobe Stock人気素材レビュー 09
デザイン・制作をしていると、もっと雰囲気のある写真がほしい、わかりやすいイラストを入れたい、背景にテクスチャがほしいといった“あと一歩”の素材がほしいときがあります。
グラフィックからweb、映像、アニメーションに至るまで、さまざまなジャンルのデザインアプリケーションを提供しているアドビは、こうした“素材が足りない”という状況をサポートするためのサービス「Adobe Stock」を展開しています。提供している素材は、写真、イラストだけでなく、ベクター、ビデオ、オーディオ、デザインテンプレートまで取り揃え、その数はおよそ2億7千点以上(2021年10月現在)。
特にテンプレートはそのままデザインのベースにするだけでなく、デザインアプリケーションとの組み合わせでかんたんにアレンジすることができ、その活用法は無限大です。
ここではAdobe Stockで提供されている膨大な素材の中から、ダウンロード数が多いものを取り上げ、具体的な使いかたと、素材をアレンジするコツについて紹介していきます。
カラーやサイズは自由自在。アレンジ可能な和柄素材
今回紹介するのは「和柄割付模様のセット」です。
この素材には紺と白の2色で構成された和柄が6種類用意されています。データはIllustratorのパターンスウォッチとして収録されており、どんなに大きなサイズに使う場合でも、つなぎ目なくシームレスにつながるテクスチャとして利用することができます。
ファイルはIllustratorで使えるテンプレートファイル・AIT形式で、このファイル形式は、開くとこの内容のまま、新規ファイルが作られるという特徴をもっています。
Illustratorでテンプレートファイルを開いてみましょう。
「スウォッチ」パネルを見ると、6つの和柄がパターンとして収録されていることが確認できます。また、キーカラーとなっている紺色は「グローバルカラー」のスウォッチとして登録されています。
グローバルカラースウォッチには、それが割り当てられている部分の色とスウォッチの色をリンクできるという機能があり、これを活用すると、いま紺色が割り当てられている部分の色をかんたんに変えることができます。上では、紺色だったグローバルカラーのスウォッチ(左)を、明るい赤に変更し、和柄の色を一気に変えています。
パターンスウォッチをダブルクリックすると、パターン編集モードに入ることができます。ここでパターンに含まれるオブジェクトをアレンジすることができます。「パターンオプション」パネルでは基本となるオブジェクトの並べかたなどを変更することも可能です。
色を加えるとさらにバリエーションを作ることができます。ここでは紺色に明るい赤を足して、パターンにアレンジを加えました。作成したパターンは、パッケージやショップカード、デザインのテクスチャとして使えば、和風のイメージをさらに後押しすることができます。
さらに素材と組み合わせる、文字と組み合わせる
アレンジしたパターンをさらに別のAdobe Stock素材と組み合わせれば、ちょっとした和雑貨のビジュアル作成もかんたんです。
上は、うちわの素材にパターンを適用したものです。たとえば夏祭りのような夏のイベント告知グラフィックを作る際に、夏らしい小物を加えたい、そうしたニーズにスピーディに応えることができます。
こうしたパターンはテクスチャとして使用するのが一般的ですが、文字に適用することで、文字そのものに視覚的なイメージを加えることもできます。
適用したパターンが文字の太さに対して大きすぎる場合には、「拡大・縮小」ツールを使います。
「拡大・縮小」のダイアログで「パターンの変形」だけにチェックを入れることで、オブジェクトのサイズを変更することなく、パターンを拡大・縮小することができます。
Adobe Stockにはこうした和柄以外にもさまざまなパターンが用意されています。そのまま使うだけでなく、ちょっとしたアレンジを加えると、表現の幅はさらに広がるはずです。
[今回紹介したAdobe Stock素材]
和柄割付模様のセット