デジタルクリエイティブ基礎講座の体系的なデザイン知識が自ら学ぶ力のサポートに〜駿河台大学

5つの学部で国際化・情報化時代に対応した人材育成を目指す駿河台大学では、アドビ製品を様々な形で活用しています。学内のPCはもちろん、希望する学生にはAdobe Creative Cloudのライセンスが付与され個人所有のPCで利用できる環境が整えられています。コロナ禍で2年ほど対面の授業を制限していた時期に、同大はアドビの「デジタルクリエイティブ基礎講座オンライン版(以下、クリエイティブ基礎講座)」を導入しました。どのような活用がされているのか、駿河台大学メディアセンター事務部情報システム課主任の和田拓也氏と、学生の皆さんにお話しを聞きました。

窓の前に立っている男性たち 中程度の精度で自動的に生成された説明

お話を伺った駿河台大学メディアセンター事務部情報システム課主任和田拓也氏(後列)と、学生の皆さん(前列3名)

自分で学ぶ力をつける環境づくりにぴったり

同大でクリエイティブ基礎講座の導入を決めたのは、オンライン自宅学習の質を高める必要性が益々増してきた2021年度でした。授業でアドビツールを扱うメディア情報学部のみならず、自主的にデザインやクリエイティブツールの使い方を学びたい学生の声にも応えられる充実した学習コンテンツとして採用。同大のLMS経由で学生は誰でも自由に使用することができます。

「本学の建学の精神には、一人ひとりの学生を大事に丁寧に支援し自立を促す『愛情教育』が掲げられています。学生が能動的に学ぶサポートをさまざまに展開している中で、自分で学習する力をつけるという目標に合致したツールでした」と和田氏。学生の自由意志に基づいてさまざまに活用されています。

スキルアップと新しい知識の獲得に

メディア情報学部メディア情報学科2年生の丸地勇輔さんは、動画や写真の編集を中心に学んでいます。アドビのツールを使いこなしたいという思いは強く、授業で学ぶだけでなく、自主的に動画投稿サイトで調べることも多いそうです。「YouTubeでは、やりたいと思ったことをピンポイントで見られますが、最初の基礎の部分を見つけられないこともあります。クリエイティブ基礎講座だと、最初の部分からしっかり教えてくれるので安心感があります」と丸地さん。授業であまり受けていないデザインの基礎やIllustratorの使い方などは、特に講座を通して学びました。Illustratorを使えるようになったことで、自分で作ったイラストを動画に挿入するなど動画制作の幅も広がったそうです。

人, 男, 立つ, フロント が含まれている画像 自動的に生成された説明

メディア情報学部メディア情報学科2年生丸地勇輔さんと丸地さんの写真作品

丸地さんは大学の学生広報スタッフの一員として、大学の施設紹介動画制作などを行っています。Premiere Pro、After Effects、Photoshop、Illustratorなどのアドビ製品を連携して使用することが多く、良い経験になっています。学部や自身で学んだスキルを生かし、動画制作や写真撮影を積極的に担当し、スタッフ内ではとても頼りにされる存在です。「自分の知識やスキルが身についていくことをうれしく思っています」と話す丸地さんからは、好きなことを楽しく学んでいる様子が伝わってきます。

専門分野の基礎固めや知識の補完に

メディア情報学部メデイア情報学科2年生の田中琴葉さんは、ウェブデザインやイラストレーションを中心に学んでいます。授業でPhotoshopやIllustratorを使う以前からアドビのツールに慣れたいと思い、自分で学ぶためにクリエイティブ基礎講座を活用してきました。ゆっくり丁寧に学べる教材を探している際に先生から紹介されたのがきっかけで、ツールの使い方だけでなく基礎知識の学習にもとても役に立ったそうです。「『色彩』の講座がとてもわかりやすかったです。それまでは自分の好きな色で迷いながら構成していましたが、第三者からどう見えるのか、どうしたら惹きつけられるのかを考えてスムーズに選べるようになりました」。

メディア情報学部メデイア情報学科2年生田中琴葉さんと田中さんのイラスト作品

クリエイティブ基礎講座は動画でいつでもアクセスできるため、「制作中に、どうしたらもっと良いものが作れるかと考えていろいろな講座を見返すこともあります」と田中さん。授業で学ぶだけでなく、個人でイラスト制作を行っていて、Photoshopはテクスチャーをつけたりディテールを整えたりする工程に使用。イラストはコンテストに出すなど積極的な活動をしています。将来はゲームデザイナーを目指していて、着実に技術や知識を身につけようとしている姿が印象的です。

ワンランク上のプレゼンテーションに

経済経営学部経済経営学科3年生の網匠未さんは、デジタルコンテンツのマーケティングや商品開発分野での就職を視野にいれて、学びを深めてきました。学部ではクリエイティブ系の授業はありませんが、もともと動画編集やデザインに興味があるのに加え、将来的にデザイナーなどのクリエイティブ職と共に働く際にも役立つと考え、クリエイティブ基礎講座を活用しています。

窓の前に座っている男性 低い精度で自動的に生成された説明

経済経営学部経済経営学科3年生網匠未さん

「社会人の方々のスライドを見ていると、とてもデザイン性に富んでいて、私も作ってみたいという憧れがありました。スライドの見た目の第一印象はとても大切だと思っていて、プレゼン作成ソフトではデザインが固定されがちだったので、アドビのツールを使うようになりました」と網さん。クリエイティブ基礎講座で知ったXDを使用し、実際に、文字が中心のスライドとデザインや展開を工夫したスライドではプレゼンを聞く人の反応が全く違うと日々実感しているそうです。ワンランク上の資料に仕上げられるので、同じ学部の学生には驚かれたりどうやって作るのか聞かれたりすることも多いといいます。

マーケティングとデザイン、2つの力を強みに

網さんは、もともとパソコンが好きなので、Premiere Proでの動画編集やIllustratorなど、ツールの使い方は以前から自分でインターネット上の情報で学んできましたが、デザインの基礎知識は、クリエイティブ基礎講座が非常に役立ちました。「デザインの基本は、プロの方の話を聞いて理解できたことが多く、とても勉強になりました」。一度学んでみると、身の回りの広告やデジタルコンテンツの中にあるデザインの法則に気付くようになり、ものの見方が変化したそうです。

学部ではデジタルコンテンツの業界をターゲットにマーケティング等を学び、自らクリエイティブの知識とスキルを積み上げることで、2つの強みを持つことができた網さん。就職活動が動き始める中、「両方の知識を持っていることを、セールスポイントとして活かしていきたいと思っています」と先を見据えています。

自ら学びスキルを高めようとする学生が増えた

和田氏は、コロナ禍を経てキャンパスへの登校が復活した今、学生の変化を感じています。「2年間さまざまな活動を制限されてきたので、いろいろなことに挑戦したいと、ハングリー精神を持っている学生が多いですね。学びたいという気持ちを感じます」。コロナ禍の最中に導入したクリエイティブ基礎講座は、断片的なスキルや知識ではなく、体系的に学べるという点で学生が能動的に学ぶ力強いサポートになっています。

駿河台大学メディアセンター事務部情報システム課主任和田拓也氏

さらに、メディア情報学部の教員からは、授業で扱う内容の復習や知識の補完として利用出来るという声があり、適宜学生に紹介するなどの活用もされているということです。自ら目的意識を持って学びを広げ積み上げていく学生の皆さんの前向きな姿勢を応援する教材として、今後もクリエイティブ基礎講座の活用が広がることが楽しみです。