Adobe Acrobat Sign、デジタルIDゲートウェイで信頼性の高いデジタル契約の水準を向上
近年広がりを見せたリモートワークへの移行に伴い、ハイブリッドワークを採用する企業が増え続けています。そうした状況下で、業務を継続させるための取り組みの1つとして、電子証明書を利用した電子署名が急速に普及しています。その結果、手書きの署名はもはや実用的なものではなくなりました。
しかし、このように電子署名が急速に普及する中、それとは別に、よりコストが低くシンプルに扱える電子サインの普及も進んでおります。信頼できる第三者によって署名者の本人確認が行われる、信頼性が強化された電子署名への明らかなシフトです。IDCの電子サイン市場動向(2022年3月)によると、北米企業の46%が安全な電子署名を必要としていると回答しています。
このシフトは、世界的に明らかに進んでいる複数の傾向によって促されています。
- 企業は、面識のない顧客、ベンダー、パートナーなどとリモートでビジネスを行うリスクの管理を強化しようとしている
- 政府機関に加え、銀行などの信頼できる民間企業が、デジタルIDスキームを提供するようになっており、署名者の本人確認が容易化している
- 主にEUのeIDAS 規則に倣った法律が世界的に広がっており、本人確認も含めた電子署名の形式に関する法律が強化されている
これらの傾向に応えるため、アドビは先日、デジタルIDゲートウェイ(以下、DIG)と呼ばれる重要な新機能をリリースしました。DIGを使用することで、企業は自社の署名ワークフローに様々なサードパーティデジタルIDプロバイダー(IDP)の設定済み製品を展開し、リスク管理と組織の保護をしながら、できる限り迅速かつ安全に契約書に署名できるようになります。
これは、デジタル契約の未来を牽引する重大なイノベーションだと考えています。現時点では、以下のサードパーティのサービスに対応済みです。
- IDnow:ヨーロッパの本人確認・認証サービスの大手プロバイダー
- ID.me:FedRAMP Moderate認証を取得済みの米国の本人確認・認証サービスの大手プロバイダー
- Swedish BankID、Norway BankID、Finnish Trust Network、MitID Denmark:長年のパートナーであるIntesiが提供するインテグレーション
- マイナンバーカード(日本):凸版印刷が、Adobe Acrobat Signと連携してマイナンバーカードを用いた本人確認を行うアプリを初めて提供
シンプルな本人性のチェックや電話でのコード入力による本人確認に対して、DIGプロバイダーを利用して作成された電子署名は、第三者によって署名者の本人確認の有効性が検証されているため、アドビでは「検証済み署名」としています。アドビは各国の法的要件に従い、署名者の本人確認を行ったうえで、電子証明書を用いて署名済みの文書と暗号的にリンクさせる幅広いデジタル署名サービス(EUのQESやAESなどのサービス)を提供していますが、「検証済み署名」はこれらのサービスを補完するものです。
アドビは、今後数か月間でさらなるプロバイダーに対応し、お客様が政府や民間企業から提供される幅広い種類のeIDや、消費者にとって使いやすい本人確認テクノロジーを利用できるようにすることで、世界中の署名時における署名者の本人確認を強化してまいります。DIGのローンチにより、Adobe Acrobat Signは、使いやすいシンプルな電子署名から信頼性の高い署名まで、お客様のあらゆる電子署名ワークフローをかつてなく強力にサポートできるようになりました。
※本記事は、アドビが2022年9月28日に投稿したブログの抄訳です。