Adobe Acrobat SignとAdobe Experience Cloudが顧客体験と従業員体験を向上
文書と署名の作業は、エンドツーエンドのカスタマージャーニーで避けることのできない作業です。新型コロナウイルス(COVID-19)の収束が見えない中、非接触による迅速な承認や署名の作業の需要はより高まっています。アドビは米国時間2022年3月10日、Adobe Acrobat SignとAdobe Experience Cloudの統合における新たな取り組みを発表しました。これにより、シームレスでスムーズなデジタル文書署名のワークフローを実現し、業務のさらなる効率化、時間の短縮およびコストの削減を図ります。
リードジェネレーションから更新まで、そしてその間にある顧客育成やオンボーディングなどあらゆる段階で完全なデジタルカスタマーエクスペリエンスを提供できるのはアドビだけです。Adobe Acrobat SignとAdobe Experience CloudはMicrosoftを始めとする日々の業務に不可欠なシステムにおいて、合理化されたデジタルエンロールメントを実現することでアドビならではの体験をもたらします。その詳細を以下に説明します。
高速かつ安全な電子署名による業務管理の高度化
米国心理学会が「中断していた業務を再開するまでには23分かかる」(No Task Left Behind, American Psychological Association)と言っていることからも分かるように、手作業による文書の承認は、最大の時間浪費になりかねません。また、バージョン管理、承認者、顧客が署名しているかなど、必要な情報が曖昧な状態で作業を進めなくてはいけないときもあります。
Adobe Workfront Fusionの新たなAdobe Acrobat Signコネクタにより、Workfront上で行っている業務に電子署名を連携させ自動化することで、ビジネスプロセス全体の時間とコストを大幅に削減することができるようになりました。文書作成の時間を短縮するほか、監査証跡によりコンプライアンスを強化したり、文書ステータスをリアルタイムで可視化することもできます。
例えば今日、新たな業務提携に向け秘密保持契約(NDA)を締結するとします。Workfront FusionのAdobe Acrobat Signコネクタを使用すれば、相手(受信者)を指定し、文書の種類(NDA)を選択することで、Webフォームのプロセスを自動化することができます。コネクタが自動プロセスをトリガすることで最新のNDAを検索し、相手の電子署名を要求します。その間に、どの文書が読まれたか、誰が署名したかなど、進捗状況が知りたい場合はいつでも確認することができます。
電子署名による商取引のデジタル化
契約書の作成が手作業で行われることで、契約締結にまで至らなかったり、人が処理しなくてはいけない契約書によって、販売サイクルが遅延する場合があります。顧客はリアルタイムかつスムーズな購買・購入体験を望んでいます。昨年発表し、まもなくリリース予定のAdobe Acrobat Sign Workflows in Adobe Commerceは、合理的で安全な購買体験を提供します。電子署名を含むあらゆるプロセスがデジタル化されるため、スムーズに取引を行うことが可能となります。
購入契約、利用規約、保証書などの契約や署名は、購買までに不可欠な作業です。Adobe CommerceでAdobe Acrobat Signを利用できるようになったため、精算時の署名もシームレスに行えます。製品の検索と選択から、ショッピングカートへの追加、配送オプションの選択、契約書への署名まで数日かかっていた作業が数分に短縮できるようになります。
電子署名によるエコシステムの拡大とパーソナライズされたオンボーディングエクスペリエンスの提供
「対面による顧客へのオンボーディングは、デジタルと比較して42倍のコストがかかる」(Deloitte Access Economics - Digitizing Transactions)と言われています。プロセスが複雑であることを望む人は誰もいません。また、67%のユーザーは、「手続きが複雑と感じたら申請や入力を途中であきらめる」(CEB TowerGroup Customer Experience Survey)と回答しています。複雑で、手作業で、紙ベースのプロセスは、顧客体験の質の低下と高い放棄率につながります。Adobe Acrobat SignとAdobe Experience Manager (AEM) Formsを利用すれば、電子署名のワークフローによりオンボーディング体験全体をデジタル化、合理化およびパーソナライズすることができます。
現在アドビは、Adobe Document Servicesが提供するPDF Services APIのAdobe Document Generation APIを、Acrobat SignとAEM Formsへ組み込むための取り組みを行っています。これが実現すれば、新規顧客のオンボーディング時にMicrosoft Wordのテンプレートと自身が持つデータを使用して、契約書、合意書、NDAなどの動的な文書を自動生成するエンタープライズAPIを利用できるようになります。既存のAEM FormsとAcrobat Signを連携させれば、自動生成した文書に電子署名と本人認証を紐づけすることで署名と承認を自動化することができます。
電子署名が実現するコネクテッドエクスペリエンス
現代の企業にとって、従業員と顧客の体験向上は最優先事項です。文書や署名の作業が他の業務の妨げになってはいけません。Adobe Acrobat SignとAdobe Experience Cloudの統合による新たな進化は、社内業務や顧客との仕事の効率化と近代化をサポートします。
本ブログは、2022年3月10日に米国アドビブログで公開されたブログの抄訳です。