DX道場 ~ワークスペースの基本編~ ④日付範囲機能・プロジェクトの共有方法

アドビのカスタマーサクセスチームは、Adobe AnalyticsやAdobe Targetをはじめとした、Adobe Experience Cloud 各種製品を使い始めた方向けのコースを中心とした無償オンラインセミナー『DX道場』を定期的に開催しております。このシリーズでは、DX道場の内容を各テーマに沿ってご紹介します。今回は『ワークスペースの基本』コースより、「日付範囲機能」および作成したプロジェクトデータを組織内の他のユーザーに共有する方法についてご紹介します。

日付範囲機能とは

日付範囲機能とは、特定の任意の期間をアイテム化し、それをフリーフォーム上のレポートに適用させることで、パネル単位で指定した日付範囲に縛られず、個々のレポート単位でより絞り込んだ日付範囲でのデータを見ることが出来る機能です。例えばあるレポートの『訪問回数』の数値のみを、『正月期間』という様な日付範囲でフィルタリングして確認したい場合、日付範囲機能を使い該当期間の日付範囲をカスタムで作成し、それを指標の上にドラッグ&ドロップで持っていくだけで、簡単に実現することが可能です。

カスタム日付範囲の作成方法

カスタム日付範囲(特定の任意の期間を指定して新たに作成する日付範囲)は、以下の手順で作成することが出来ます。

手順①

メニュータブの「コンポーネント」を選択、表示されるメニューの中から「日付範囲を作成」を選択し、「日付範囲ビルダー」を起動

手順②

「日付範囲」から任意の期間を指定、また「タイトル」に日付範囲名を入力(※任意、デフォルトでは日付範囲がそのままタイトルとして入力された状態)し、右上の「保存」を選択

手順③

作成された日付範囲はコンポーネントエリアに格納され、すぐにレポートへ適用させることが可能

日付範囲の活用例~期間別パフォーマンスの比較~

日付範囲機能の活用例として、同一指標の期間別パフォーマンスを比較・確認する方法についてご紹介します。例えば、分析対象を2019年に開催されたイベントサイトに、分析期間を「2019年5月1日~7月31日」に設定しているケースにおいて、『ユニーク訪問者』の6月中の数値とその前月である5月中の数値を比較して見たい場合、日付範囲機能を使用することで簡単に実行することが可能です。

まず、上図の様に『ユニーク訪問者』を任意のディメンション(この例では『ページ』)で切り分けたレポートを作成します。

次に、コンポーネントエリアから『2019年6月1日~2019年6月30日』の日付範囲(※カスタムで作成したもの)をドラッグ&ドロップで『ユニーク訪問者』の少し上に持っていきます。すると「フィルター条件」という表示が出てくるので、そのタイミングでドロップします。

『ユニーク訪問者』の数値を「2019年6月1日~2019年6月30日」(6月中)の期間内の数値に絞り込むことが出来ました。

続いて、先ほど適用させた日付範囲『2019年6月1日~2019年6月30日』を右クリックし、表示されるメニューの中から「期間を比較」を選択します。

更に3つのメニューが表示されるので、その中から「この日付範囲の前の月」を選択します(「この日付範囲に対するカスタム日付範囲」を選択した場合は、別の特定の日付範囲と比較することが可能)。

すると、6月中の期間でフィルタリングされたデータの左隣に5月中の期間でフィルタリングされたデータが自動的に出現し、それぞれの期間内での数値を横並びに比較して見ることができます。さらに、一番右の列には『変更の割合』という指標がこちらも自動的に表示され、それぞれの期間別で比較してどの程度の差異があるかを確認することができます。

プロジェクトの共有

ワークスペースで作成したプロジェクトは、様々な方法で組織内の他のユーザーに共有することが可能です。

メニュータブの「共有」を選択すると、上図の様に5つの共有オプションが表示されます。それぞれの共有オプションの説明は以下の通りです。

・プロジェクトを共有

プロジェクトを組織内の他のユーザーも利用できるようになります。

・プロジェクトリンクを取得

プロジェクトにすばやくアクセスするための共有可能なリンクを作成します。ユーザーはログインする必要があります。

・ファイルを今すぐ送信

プロジェクトを CSV または PDF 形式で指定した受信者に直ちに送信します。

・予定どおりにファイルを送信

スケジュールに従って、プロジェクトを CSV または PDF 形式で指定した受信者に送信します。

・プロジェクトデータをキュレート

プロジェクトで使用できるコンポーネント(ディメンション、指標、セグメント、日付範囲)を制限します。

今回は、最もオーソドックスな「プロジェクトを共有」からプロジェクトを共有する方法をご紹介します。

プロジェクトを共有する手順

「プロジェクトを共有」の共有オプションでのプロジェクト共有は、以下の手順で実行することができます。

手順①

共有メニューオプションの中から、「プロジェクトを共有」を選択

手順②

画面中央に以下の様な「プロジェクトを共有」のポップアップが表示されるので、「編集可能」「複製可能」「表示可能」のいずれかに共有したい相手の宛先を入力し、右下の「共有」を選択 (カスタムで作成した未共有のセグメントや計算指標、日付範囲も含めて共有したい場合は、「埋め込みコンポーネントを共有」にチェックを入れる)

「編集可能」/「複製可能」/「表示可能」の違い

・「編集可能」

受信者には共有プロジェクトの受信者リストの編集、削除、変更権限が含まれます。他の同僚とプロジェクトを共同管理する場合などで有効です。

・「複製可能」

受信者は、名前を付けて保存し、コンポーネントにアクセスできます。プロジェクトを変更してほしくないユーザーとプロジェクトを共有する場合に役立ちます。

・「表示可能」

受信者は名前を付けて保存できず、コンポーネントにアクセスできません。まだナレッジの低いユーザーに閲覧権限のみを付与したい場合に役立ちます。

Adobe Analytics未利用ユーザーへの効果的なデータ共有方法

先程ご紹介したプロジェクトの共有方法は、共有相手がAdobe Analyticsを日常的に利用していることを前提とした共有方法でしたが、普段Adobe Analyticsを利用していないユーザーに対してデータを共有する場合は、以下の様な共有方法も有効です。データを共有する際は、どのような相手にどんなデータを共有するかを検討し、それぞれのケースに合った方法で共有することをぜひ意識してみてください。

まとめ ~日付範囲機能・プロジェクトの共有方法~

この記事では、特定期間をアイテム化することができる「日付範囲機能」について、そして作成したプロジェクトを他のユーザーに共有する方法についてご紹介しました。

分析の基本は「分けて比較して考察すること」です。指標をディメンションで分ける、セグメントで比較する、といった方法だけではなく、日付範囲機能を使って期間別に比較して見ることによっても、新たなインサイトを得ることができます。

次回の記事より、セグメントの作成・活用方法や計算指標についてのご説明が中心となる『セグメント・計算指標の基本』コースの内容をご紹介します。第一弾では、『セグメントとは?』についてお届けいたします。

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