【実録体験記】Acrobatで確定申告の手間を半減させた、 フリーライターの書類管理ハックとは?
この時期は毎年仕事が手に付かない。
なんでかって?そうですよ、強敵・確定申告です。地道に領収書などの管理をしておけばいいのに、つい後回しにしてしまった結果、領収書や書類の山を前にうんざりしている人、きっとたくさんいらっしゃるんじゃないでしょうか。
どうも、フリーライターの小暮ひさのりです。ガジェット系のレポート記事などを中心にPC雑誌などにも執筆しています。Adobe Blogでは初めましてですね。
フリーライターという仕事柄、僕も確定申告に悩むひとり。
…いや、ひとりでした。
実は、今年の僕の確定申告の準備はすでに終わっているのです。
皆さんに教えたいその方法が、無料のスマホアプリ「Adobe Scan」を使った、領収書のデータ化と一元管理化。 デジタル化が進む現代にマッチした、領収書のデータによる管理です。
ここでは、今年の僕の確定申告を救ってくれた、無料で始められる高性能スキャンアプリ「Adobe Scan」。そして、ビジネス必携PDF編集ツール「Acrobat」を活用した、現代の確定申告攻略ハックをお伝えします。
楽すぎる…!スマホで書類をデータ化。これ無料でいいの?
まず、確定申告で面倒なのが書類の整理。大量の領収書や請求書、必要経費のレシートなどの紙書類をやっつけなければなりません。
僕は頑張って月ごとに整理していますけど、分類しておく物理的なスペースを確保するのも大変で…。この季節になると、デスクがそれらで埋め尽くされるというカオスっぷり。
この紙が多すぎるやっかいな問題ですが、実は意外とかんたんにデータ管理することができたのです。使うツールは無料の「Adobe Scan」アプリです。
■データ化は大変? を覆したAdobe Scanの手軽さ
紙媒体のデータ化というと、「撮影したり、保存したりの工程が多くて大変では?」なんて思われるかもしれません。実際、僕も最初はハードル高いだろうなぁ…。なんて思っていたのですが、「Adobe Scan」を使って考えが変わりました。
現代のデータ化と管理、びっくりするほど楽になっていたのです。
まずスキャン方法ですが、やるべきことは領収書など、データ化したいものにスマホをかざすだけ。
「Adobe Scan」では書類を自動で認識して、書類の形状も自動で把握。シャッターボタンすら自分で押す必要はありません。しかも、1枚撮影したら「続行」をタップすることで、連続してガンガンデータ化できます。
■AIによる自動補正が強力
便利だと感じたのが、スキャンした書類の見やすさ! なんと自動で補正もかかるのです。
こんなふうにシワの寄った領収書(左)でも、スキャンすればこの通り(右)!
綺麗に撮らなきゃ…。なんて気遣いも要りませんし、自分の手やかざしたスマホの影が領収書にかぶっていても問題なし。それどころか、多少シワや歪みがあったとしても、見やすいカタチ、明度で保存してくれます。
かんたんに言ってますが、これを手動でやろうとしたら…
- スキャナに書類をセットする
- PCに読み込む
- レタッチソフトで必要なエリアを切り抜く
- 傾きや明度を補正する
- PDF形式で書き出す(1に戻る)
ですからね。「1枚スキャンするのに、何分かかるんだ?」みたいなとんでもない作業量でも、Adobe Scanならこれらの作業が「1.スマホをかざす」だけになるのです。
たとえば、1週間分。30枚ほどの交通費・郵送費の領収書をスキャンした時は、3分ほどで領収書をまとめたPDFファイルが完成。Adobeの「Document Cloud ストレージ」へ保存まで自動で行ってくれます。これだけの機能が無料で使えるってのが、なんだか信じられません。
スマホ取り込みだから、外出先でもすぐに撮影・保存OK
スマホで取り込めることによって、ロケーションを問わず「撮影→データ化→保存」の一連の作業ができるので、確定申告の準備が「どこでも」になるのもAdobe Scanの大きなメリット。これによって、財布に領収書を溜め込むことが減りました。
実際、外出中ってまとまった作業は無理、ちょっとしたマイクロタスクならできる。みたいな時間が多いので、効率的な時間運用につながっていますね。こうしたコツコツとした作業の分散が、月末や年末での会計処理を楽にしてくれるんです。
データ化書類はクラウドで一元管理!データならではの整理術がスゴイ
前述のようにスキャンしたデータは「Document Cloud ストレージ」に自動保存。
これまで確定申告の準備といえば、大量の書類を前に気合を入れて集中作業という感じでしたが、クラウドのおかげで仕事部屋のPCとリビングや外出先でのノートPC。どこでも同じデータをチェックできるようになりました。データ化したとはいえ領収書の保管は必要ですが、紙書類を持ち歩かなくて良いってのは、本当に身軽です。
■無料版でも2GBの容量が使える
「Document Cloud ストレージ」は無料版だと容量は2GB。領収書1枚あたりのデータ容量が300〜600KB程度だったので、請求書の整理目的であれば無料版でも約3400〜6900枚は保存しておけることになります。
仕事の書類なども保存しておきたいなら、有料のAcrobat(ProもしくはStandard)を用意すれば、100GBまでストレージ容量が拡張されます。単純計算50倍なので、とりあえず書類なんでも突っ込める容量が手に入りますね。
そして、個人的にはこのAcrobatとの併用が、確定申告効率化へのキーになると感じています。
■取り込んだ領収書を1ファイルにまとめる。AcrobatのPDF結合が便利すぎる!
Adobe Scanで、いつでもどこでも領収書のデータ化ができるのは便利ですが、クラウド内が個別のファイルでごちゃごちゃになってしまいます。ここが最初ネックに感じていました。しかし、Acrobatでは、PDFファイルを「結合」できることに気がついたのです。
これによって同じカテゴリの領収書を後ほど1つのPDFファイルへとまとめることができるので、クラウド管理によくある「貯めておくだけになって、ストレージが乱雑になる」という問題も起こりません。
僕の場合は、経費はカテゴリごとに月単位で管理しているので、取り込んだものはまず月でまとめ、年末にカテゴリごとに結合! といった方法で整理してみました。
もちろん、スキャンして取り込んだのではない、すでにPCに保存してあるPDFであっても取り込んで結合できます。Webページから領収書をダウンロードした場合などでも同様。僕の場合は使わなかったのですが、ExcelやPower Pointなどのファイルでも結合できるそう。とにかく手元にあるデータはなんでも一元管理できてしまうというところが本当に便利です。
それこそ、領収書のみならず、仕事の取材資料や、契約書、取材メモや手書きのラフイメージ、書籍の校正データなどまで。ファイル形式問わずガシガシPDF化して取り込んで、案件ごとに管理しています。「PDFの最適化」(圧縮)機能で、ファイル容量を抑えることもできたりと、かゆいところに手が届く感がすごいんですよ、このツール。
キーワード検索できます。e-tax申告の準備・確認のスムーズさは段違いです
こうして、Adobe ScanとAcrobatのおかげで今年の確定申告の準備はかなりスムーズに進行しました。
Adobeのツールだけで確定申告(e-taxでの申請)まで行えるわけではないので、別途会計ツールや表計算アプリでの計算が必要になりますが、すでに書類の整理、データ収集という最もカロリーの高い部分が済んでいます。あとは各経費を足し算してe-taxのサイトで入力していくだけ。
このデータをまとめ上げるフェーズこそ、データ化の恩恵が本当に感じられるところなのです。
なにせ、PDF化された書類はOCR処理によって、テキスト検索が可能。これがまぁ、便利なこと!
OCR処理によってキーワード検索可能。見つけるのも一瞬!
たとえば、「○○社宛の経費だけをまとめたい」となったとしても、キーワード検索ですぐにヒット。膨大な書類すべてに目を通さなくても、一瞬で見つけ出すことができるんです。
税理士さんや会計士さんなどに委託している場合では「経費の○○の内訳を教えてくれますか?」なんて尋ねられることもあると思いますが、Acrobatでキーワード検索から探し出して、必要なら注釈を加えて、そのままメール添付で送信! でOK。PCでもスマホでも同じ作業ができるので、即対応できます。
確定申告の大詰めって、確認作業が8割。高度な検索機能を使用すれば、複数のPDFの中身からキーワード検索も可能ですから、こうしてすぐに目当ての書類を見つけ出せるといのは、まさにデータ化の大勝利ですね。
現在のところ、手書き領収書は認識が難しかったりといった点はあるので、今後のアップデートに期待したいところ。とはいえ、手書き領収書って今やレアですし、僕のように経費のカテゴリごとにPDFにまとめておけば、実用面での問題は感じないんですけどね。
何度も言いますが、大量の紙書類をひっくり返して目当ての1枚を探し出す…。なんて、もうしなくて良いのです。
「データまとめ」「アクセスしやすくする」が終われば、確定申告は仕事の合間でOK
Adobe Scanによる手軽なデータ化、クラウドでのアクセス、AcrobatによるPDFの結合。
これらの機能のおかげで、今回の確定申告は、通常業務と並行して準備を終わらせることができました。大事なことなので、繰り返します。確定申告の時期に通常業務の余裕があったのです!
これまでは、この「集める」→「まとめる」というフローがとにかく大変で、デスクなんて領収書と必要書類の山。「あの領収書どこ?」と余計に時間を食われることもあり、確定申告の大詰めになるとリアルに3〜4日はその作業だけにリソースを割かれていました。
一方で今年は、この最も大変な作業が済んでいたのが大きかったですね! デスクにも心理的にもかなりの余裕ができたと実感しています。
どんな仕事でもそうですが、確定申告だって「段取り八分」。
年度末に楽したいなら、領収書やレシートは、もらうたびにAdobe Scanでデータ化。Acrobatとの合わせ技で、わかりやすくまとめておくことをオススメしますよ。
ビジネスでも必携のAcrobat、きっと確定申告でも助けとなるはずです。