カメラの両側でポジティブな変化を起こす:Christina Vaughan
クレジット:Adobe Stock / Amin McDonald / Cultura Creative.
Christina Vaughanさんにとって写真とは、単なるアートの形式の一つではありません。多様性を称え、自身の業界で多様性を推し進めるチャンスをもたらすものでもあります。Vaughanさんが創設したCultura Creativeは写真とビデオの両方で、真の社会の多様性を表現するストック素材を制作する業界でも有数のフォトエージェンシーの一つです。
イングランド北部シェフィールド出身のVaughanさんは、鉄鋼産業で働く父親と、インド北東部のミゾ族出身の母親のもとに生まれました。
「母が生まれ育った家には、トラがやってきて、家の下で眠ることがありました。朝にはいなくなっていて、姿を見ることはありません。でも、トラの足跡が残っています。それって、ちょっと人生に似ていると思うのです。そこにあるとわかっているけど、それを見ることはない。でも、見えないからといって、そこにあると信じることをやめるべきではありません」とVaughanさんは語ります。
クレジット:(左)Adobe Stock / Cultura Creative、(右)Adobe Stock / Cultura Creative
ともに夢を叶える
成長するにつれてVaughanさんは、障壁ではなくチャンスに目を向けるようにと母親から学びました。海外に渡り、写真の仕事を始めたとき、Vaughanさんはこの業界には女性が多くないこと、そしてマイノリティーの女性は更に少ないことに気づきました。ロンドンに戻った彼女は、これからは今の世の中をありのままに表現する作品を作っていこうと決意しました。
ここ数年、米国や世界各地における社会的不公正を目の当たりにし、さらに自身の人生の節目や、パンデミック期間中のロックダウンの抑圧感などが重なる中で、Vaughanさんは多様性をただ記録するだけではなく、自分にできる限り、多様性を促すよう行動を起こすことが必要だと感じるようになりました。
「変化を起こすために何かしなければ、と突然悟ったのです。みんなにとって心地よく安心できるような、ものすごくインクルーシブなエージェンシーを作りたいと考えました」
こうして2021年に、Vaughanさんのエージェンシー「Cultura Creative」は誕生しました。
クレジット:(左)Adobe Stock / Cultura Creative、(右)Adobe Stock / Cultura Creative
多様性の祝福
Cultura CreativeのAdobe Stockポートフォリオには、障がいのある人々、LGBTQIA+のコミュニティ、有色人種、混血の人々の写真や動画が含まれます。またVaughanさんは、カメラの後ろ側でもより多様な人々を活躍させることに力を注いでいます。
彼女の事務所では、多様性に富んだコンテンツクリエイターのほか、BIPOC(黒人や先住民、有色人種)のメイクアップアーティスト、スタイリスト、プロデューサー、フォトエディターを巻き込み、完全にインクルーシブなストックコレクションの制作に取り組んでいます。
「こうしたバックグラウンドを持つフォトグラファーやビデオグラファーを採用して、教育して、背中を押して、育成しながら、コンテンツを制作したいと思っています。あらゆる人の声が拾われるようにしたいのです」とVaughanさんは言います。
Cultura Creativeの写真は、一般的な多様性の描かれ方と何が違うのでしょうか。はっきりと見て取れるのは、楽観性です。Vaughanさんによると、楽観性と人生に対する愛は、両親が特に大切にしていた価値観でした。Vaughanさんはその考え方を受け継ぎ、自身のエージェンシーと仕事にも反映しました。
「ニュースや報道では、多様性の暗い側面ばかり目にします。問題があるのはわかっているし、無視することはできません。でも、それぞれのコミュニティには大切にすべきものがたくさんあると感じています。例えば、私の家庭や文化では、食べ物です。家族の価値観、食、絆、コミュニティといったものに対する祝福の心は、目には見えないこともあります。私たちは作品を通じて、その大切さを伝えようとしているのです」
Vaughanさんは、自社のスタッフたちが会社の価値観に心の底から共感していることを誇りに思っており、それは私たちが目にする作品にも表れています。
クレジット:(左上)Adobe Stock / Cultura Creative、(右上)Adobe Stock / Cultura Creative、(左下)Adobe Stock / Cultura Creative,、(右下)Adobe Stock / Unu Lucky Mamu / Cultura Creative
大切なパートナーシップ
Adobe Stockは、ほぼCultura Creativeの創設当初から同社と密に協働しています。Vaughanさんは、この関係に勇気をもらっていると語ります。
「これまで長い時間をかけて学んだことの一つは、自分一人では何もできない、ということです。本当にインパクトを生み出して、変化を起こしたいのであれば、同じ志を持つ企業や個人と協力し、共有しあって、目的の達成を目指すことが大切です」
Vaughanさんは特に、Adobe Stockから提供されるデータに基づくインサイトを大切にしているといいます。
「Adobe Stockでは、世界中のデザイナーやアートバイヤーのニーズと要望を踏まえた膨大なデータや知見にアクセスすることができます。市場が何を求めているかを理解し、その知見を私たちに共有してくれるほか、アイデアやクリエイティブブリーフも共有してくれます。これこそ、真のコラボレーションだと思います」
常に前を向くVaughanさんは、本番はこれからだ、と確信しています。
「この1年で取り組んできた作品は、私が過去25年間に制作してきたものよりも、ずっとおもしろいと感じました。いきいきとしていて、活力に満ちていて、生を感じられて、撮影している間にも変化し進化しているように感じられるからです。Culturaのみんなには、私やほかの仲間たちを見て、夢は叶うのだと感じてもらいたいです。この世界では壁にぶつかることもあるけど、乗り越えられる。そして夢を追い続ければ、必ず道は開けると思ってほしいのです」
Adobe StockでCultura Creativeの全コレクションを是非ご覧ください。
この記事は2023年1月20日に Irene Malatesta により作成&公開された Driving positive change on both sides of the camera with Christina Vaughan の抄訳です。
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