映画の視覚効果やアニメーションを変革したAdobe Substance 3D、アカデミー賞を受賞

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映画制作者はAdobe Substance 3Dでマテリアルやテクスチャを作成し、無地の3Dオブジェクトをリアルで生き生きとしたものに仕上げます。(画像提供:Industrial Light & Magic)

何百もの映画やテレビ番組で使われている視覚効果(VFX)ツール、Adobe Substance 3D DesignerならびにSubstance Engine。これらのツールを生み出した3Dの先駆者4名が、映画芸術科学アカデミーから科学技術賞(Scientific and Technical Award)を授与される栄誉に輝きました。

アカデミーは、Substance Engineのコンセプトを着想し初期の実装を担当した、アドビの3D&イマーシブ担当副社長のセバスチャン デガイ(Sébastien Deguy)とプリンシパルコンピューターサイエンティストのクリストフ ソム(Christophe Soum)とあわせ、Adobe Substance Substance 3D Designerの設計とエンジニアリングを担当した、ソフトウェアエンジニアリング担当シニアマネージャーのシルヴァン パリス(Sylvain Paris)とシニアプロダクトマネージャーのニコラス ウィアマン(Nicolas Wirrmann)について、彼らの功績を表彰しました(英語)。

Adobe Substance 3D DesignerとSubstance Engineを使用した映画には、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』、『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』、『デューン』、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』、『アナと雪の女王2』、『バズ・ライトイヤー』、『ブレードランナー 2049』(2018年アカデミー視覚効果賞)、『ファースト・マン』(2019年アカデミー視覚効果賞)など多数が含まれます。

スタジオの制作現場では、アーティストがAdobe Substance 3D Designerを使って摩耗した金属表面やレンガの壁のようなマテリアルやテクスチャを作成し、シンプルな3Dモデルを戦闘で傷ついた宇宙船や都市のマンションに変身させています。技術レベルの高いアーティストは、ビジュアルプログラミングインターフェイスを介してマテリアルを作り、金属の摩耗度合いやレンガの模様といったパラメーターを操作可能な状態で露出させます。これらのマテリアルのパラメーターを各自で微調整することで、他のアーティストたちも実質的に無限のバリエーションを作成できるのです。その際、3DS MaxやHoudiniなど、映画業界で人気の3Dアプリケーションに統合されているSubstance Engineが広く活用されています。

パリスは、こう述べています。「Adobe Substance 3D DesignerがVFX業界で広く利用されているのは、制作時間を短縮する強力なソリューションを提供しているからだと思います。マテリアルの品質を高め、完成品の視覚的な一貫性を向上させることに時間を費やせるようになります」

ウィアマンは、こう付け加えます。「Adobe Substance 3D Designerは、アーティスト自身によってアーティストのために作られました。Adobe Substance 3D Designerが提供するノードとツールはすべてテクスチャアーティストが作ったもので、ユーザーは自分のニーズに応じてそれらをカスタマイズできます」

デガイはこう説明します。「Adobe Substance 3D Designerは一貫性、スケーラビリティ、再利用性を保証します。アーティストがマテリアルのライブラリを作成すれば、その再利用により、1作目の映画で使った宇宙船を、同じ外観を維持しながら3作目の続編に登場させることができます。もし、次回作で解像度を変更する必要がある場合でも、ゼロから作り直すのではなく、設定を微調整するだけで済みます」

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映画制作者は、Adobe Substance 3D Designerがもたらした作業の効率化を高く評価しています。『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』のアセットおよび環境スーパーバイザーを担当したエルヴィン シュー(Elvin Siew)氏(英語)は、こう述べています。「Adobe Substance3D Designerのおかげで、膨大な数のアセットを非常に短い処理時間で、カットに組み込むことができました」

サンフランシスコのIndustrial Light & Magicのテクスチャ スーパーバイザーであるガレス ジェンセン(Gareth Jensen)氏(英語)もこれに同調します。「Adobe Substance 3D Designerのパワーと柔軟性、そしてスキャンデータと同じレベルの忠実度でサーフェスを無限に反復して作成できる能力に、本当に魅了されました」

博士論文の一環として20年前にAdobe Substance 3Dに取り組み始めたデガイは、今回のアカデミー賞受賞はAdobe Substance3Dチーム全体への賛辞であるとし、彼にとっては「夢が完結した瞬間」だと述べています。

コンピューターサイエンスの博士課程の前に映画学校に入りたかったが断られた、と語るデガイは、その後Adobe Substance3Dの製品化のためにAllegorithmic社を設立し、2019年にアドビに合流しました。「私たちのやってきたことが、映画制作、視覚効果、アニメーションという、まさにアートとサイエンスが融合する領域に大きな影響をもたらしたと認められたことは、とても感慨深い出来事です。私は物心ついてからずっと映画に夢中でした。今回の受賞は私にとっても、チームメンバーの多くにとっても特別なことです」

ソムは、家族と一緒に『アナと雪の女王2』を見るたびに、映画制作とのつながりを実感しているそうです。「父親として、子供と一緒にこの映画を見られることをとても誇りに思います」

この記事は2023年2 月24日(米国時間)に公開されたhttps://blog.adobe.com/en/publish/2023/02/24/academy-award-recognizes-substance-3d-for-transforming-movie-visual-effect-animationの抄訳です。