Adobe Stock 作品販売を始めよう #3 :検索されやすいメタデータ作成術

クレジット: Adobe Stock / Emily Eldridge

このブログシリーズではAdobe Stockで作品販売を始める方に効率的に売り上げアップしていただくための5つの基本的な考え方をご紹介します。第3回目は、メタデータの基本であるキーワードとタイトルなど、効果的なメタデータ作成方法についてです。

作品の販売可能性を最大限に引き出すには、メタデータとなる「キーワード」と「タイトル」が非常に大切です。Adobe Stock確実に検索されるよう、ここで紹介することを実践してみましょう。

クレジット: Adobe Stock / Sarah Rypma

作品をできるだけ正確に、「言葉」で表現する

ストック作品を制作する最初のステップは、「ストーリー」を考えることです。そのストーリーを思い出し、「誰が、何を、いつ、どこで、なぜ」という観点で言語化し、メタデータ上でストーリーを描写していきましょう。

また、メタデータでは、正確性と信頼性が鍵となります。人物モデルの国籍や動物の品種といった情報がわかっている場合は、その情報もキーワードに含めます。例えば、アフリカゾウとアジアゾウの区別が、売上に影響することもあります（絶対に間違えないようにご注意ください）。

作品のタイトルは、購入者が被写体情報を理解し、購入するための判断材料とする大切な情報の一つです。例えば、「ゴールデンレトリバーと遊ぶ家族, オレゴンコースト, キャノンビーチ」のように、簡潔で自然な表現で詳細を記述しておけば、お客様は自分のニーズに合った画像かをすぐに認識できます。タイトルは検索の対象で、Adobe Stock上でのURLの一部となります。そして、タイトルに含まれる単語は、最初の10個のキーワードに含めてください。

イラストの場合は、スタイル（例：3Dレンダリング、ベクター、水彩画など）に関するキーワードも含めます。また、ビデオの場合は、メタデータガイドラインのP60に従い、特殊な技術やカメラアングルなどのキーワードを含めてください（例：ズームイン、タイムラプス、空撮など）。

作品タイトル： “Cool Gen Z woman.” クレジット: Adobe Stock  Lucas Ottone/Stocksy

人物を描写する際の注意点

モデルに関する記述は、嘘偽りなく、正確で適切に行ってください。そのためには、モデルとのコミュニケーションと理解が必要です。推測を排除し、モデルリリースに記載された情報を活用してください。透明性を確保し、被写体となってくれるモデルと真摯に向き合い、どのように記述されたいかを話し合いましょう。また、特定の文化的なグループを描写する適切な用語について、誰かに相談するのも良い方法です。

このようにして得たモデルの知識をもとに、民族、性別、年齢のほか、服装、髪の色、タトゥーといった特徴を表すキーワードを追加します。関係性や役割（例：母親、カップル、教師、農家など）、表情、感情なども記述しましょう。逆に、画像に人が写っていない場合は、「人物なし」や「人なし」といったキーワードを含めましょう。

モデルの安全性は常に配慮すべき最重要事項です。不正確、軽蔑的、あるいは公序良俗に反するキーワードは、地域や状況によってはモデルを危険にさらす可能性があります。被写体を尊重するような適切なタイトルとキーワードを設定することで、モデルの信頼性だけでなくお客様の検索性を向上させることができます。

作品タイトル：“Deaf friends with cochlear implant bling.” クレジット: Adobe Stock / Erin Brant/Stocksy

効果的なメタデータ作成のためのベストプラクティス

Adobe Stockで最大限の売上を得るために、タイトルとキーワードをまとめるときには、以下の「すべきこと」と「すべきでないこと」のガイドラインに従ってください。

すべきこと：

• 使用する言語は統一する。 最も使い慣れている言語を選択します。Adobe Stockでは、デフォルトのキーワード言語はお使いのコンピューターのOS言語と一致しています。特定の地域のコンテンツをターゲットにしたい場合は、言語を変更してください。言語を選択したら、同一の言語でタイトルやキーワードを入力します。Adobe Stockの検索機能により、メタデータは別の対応言語に自動翻訳されます。
• 重要度の高い順にキーワードを並べる。  最初の10個のキーワードは最も重要性が高く、検索結果に最も大きな影響を与えます。上位10個のキーワードには、タイトルに入っている重要な単語をすべて含めてください。
• 簡潔にする。  Adobe Stockでは、すべてのタイプのアセットに最大49個のキーワードタグを追加できますが、効果を最大化するには、15～35個程度が理想的です。タイトルについては、アルファベットの場合半角70文字程度（単語間のスペースを含む。全角1文字は半角2文字として計算）で内容を記述するようにします。それ以上になると、ファイルの投稿時にタイトルが自動的に短縮されることがあります。
• ストーリーを想起させる。  基本的な要素と行動（誰が、何を、どこで、いつ）を記述したら、感情、気分、トレンドを表す概念的なキーワード（例：孤独、喜び、お祝いなど）を追加します。これらのキーワードも正確かつ適切である必要があります。そのため、明確に描写されていることだけを記述してください。また、正反対の意味のワードを使用しないでください。例えば、お客様に受け入れられるような文脈上の関連性がない限り、長髪と脱毛症というキーワードを同じ画像に使用すべきではありません。

すべきでないこと：

• 禁止されているワードを使用しない。 タイトルやキーワードには、ブランド名や商標名、商品名、人名などを含めないでください。また、カメラの仕様や数値のほか、ファイルサイズなどの具体的なファイル情報も含めないでください。
• 複合語は分解する。 説明的な形容詞（例：赤いドレス）が伴う言葉や複数の単語で構成されるフレーズ（例：スープのボウル）は、個別のキーワード（例：赤、ドレス、ボウル、スープ）に分解してください記載してください。
• スパムワードを使用しない。繰り返しになりますが、コンテンツに関連するキーワードのみを入力してください。拡大解釈をしたキーワードや（例：ラップトップのみが写った画像に求人情報、eコマース、オンライン決済といったワードを適用する）、手抜き（例：その動物が実際に写っているかどうかにかかわらず、全てのアセットに同一にその動物名を追加する）するのは、「キーワードスパミング」と呼ばれる行為とみなされ、検索結果や売上に悪影響を及ぼす可能性があります。最悪の場合、アカウントが閉鎖されることもあります。
• 細かすぎないようにする。 Adobe Stockの検索機能では、ある程度の同義語には対応しています。同じ単語のバリエーションを不必要に増やさないよう注意してください（例：「犬」と「犬たち」といったように、同じ名詞の単数形と複数形を入力する）。また、設定するのであれば、「犬」のほかに「ゴールデンレトリーバー」などの具体的な情報を追加しましょう。

クレジット: Adobe Stock / kkgas/Stocksy

メタデータを常に見直す

アドビの人工知能（AI）と機械学習テクノロジーを活用した Adobe Senseiは、アップロード前のメタデータが埋め込まれていない作品に対し最大25個のキーワードを自動的に提案してくれます。これにより考える時間を節約するだけでなく、思いつかなかった最適なキーワードにも出会えるかもしれません。

しかし、提案されたキーワードだけに頼ると、作品を差別化する具体性や関連性が失われる可能性があります。最良の結果を得るためには、自動生成されたキーワードと自分で考えたキーワードの両方を使うことをお勧めします。

自動生成されたキーワードを使用する場合は、コンテンツを投稿する前に、そのキーワードが正確かどうかを必ず確認してください。最も適切なキーワードだけ残し、関連性のないものや間違っているキーワードは削除してください。そして、重要度順に並べ替え、足りないキーワードは追加してください。

クレジット: Adobe Stock / Ejatu Shaw

キーワードとタイトルはストック作品に不可欠

作品の露出を高め、アーティストとしての信頼を確立するうえで、メタデータは非常に重要な役割を果たします。

タイトルとキーワードに関するより詳しいヒントについては、Adobe Stockチームが提供する「 Guide to Mastering Metadata（メタデータガイド）」をご覧ください。英語でメタデータを作りたい方だけでなく、日本語の方も参考にしていただける内容です。

いかがだったでしょうか？

Adobe Stockにアーティストとして参加されたい方は、こちらからコントリビューター登録をしてください。取り扱われる素材の種類については、各種ガイドラインをご覧ください。皆さんの作品をおまちしています。